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ブランクでサバイバル大冒険! あの子のハートをゲット!

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【3-2】

 小山田 小太郎八代 優も、川の流れが比較的緩やかな地点からタクミ、ルーニャ、そして別の場所から合流した星川鍔姫と共にリバークライミングをスタートさせた。
 疋田 豊五郎は面倒くさそうに欠伸をし、小太郎の後をついて行っている。

「慌てないで……一歩ずつ、地面を掴んでから進んでみてください」

 小太郎が水を怖がる子供たちの手を握ってやり、転ばないようゆっくりと歩いて行く。

「……大丈夫。一緒にいるから、慌てず進もう……」

 優も決して急かさず、皆が安全に楽しく進めるようように【癒し系ナビゲート】を使い子供たちのペースに合わせてうまく川の中をリードしてやっている。

「戦いじゃないのに川を登るなんて、なんだか新鮮だわ。ここまで来たら後は習うより慣れろよ。実践あるのみ」

 ルーニャの前向きな姿勢に、いい意味で巻き込まれる子供たち。
 優はタクミや小太郎たちと顔を見合わせてくすっと笑い、必死でルーニャについていく子供たちを温かく見守る。
 ほどなくして少しずつコツをつかんだのか、子供たちは瞬く間に自分のペースで自由に川の中を歩き回るようになった。
 緊張した面持ちでスタートしたが、後方からは楽しい笑い声さえ聞こえてくる。

「お前たちはいつもこんな事をしているのか? 子供達のお守りを進んでやるとは……正直理解できんな」

 そう言ってはいるものの、豊五郎は【鷲の眼】を使って小さな女の子が川の中で足を滑らさないよう一歩後ろを歩く。
 念には念を入れて、【エコーロケーション】で周囲への警戒も怠らない。
 
「……皆の笑顔がみたい……だから、頑張るんだと思う──特別な理由なんて、ないよ……。豊五郎は、こんな事をしている暇はないって、言うかもしれないけど……」

 目を伏せがちに、優がぽつりと言った。

「そんな目で見るな、優。単純にわからんだけだ。こんな事をする暇があるなら、外敵──テュポーンだったか? それを討った方がこいつらの安全に繫がる。そうは思わんか?」

「確かにそれも一理あると思う……。豊五郎が言ってることは、きっと正しい。わたしはただ……こうやって皆が安心して、楽しめる時間があればいいなって……ただほんとに皆の笑顔を見たいから、危険な戦いでも諦めずに進もうって思えるんだと思う……」

 優の声が、少し大きくなった。
 豊五郎ははっとしたように、優を見つめる。

「……だから、豊五郎も一緒に楽しもう……この時間は、きっとこの先、あなたを支える力になるから……」

 苦笑した豊五郎は、

「楽しむ、か……柄ではないのだがな。いくら言われても、楽しむ暇など俺にはない。暇はないが……まぁ今日一日、付き合うくらいはしてやろう」

 ふいっと横を向いたまま、口をとがらせた。
 優は笑みを浮かべると、再び前方へと歩き出す。

「ほら……星川さん達が子ども達の対応で大変そうだよ……? 一緒に手伝いに行こう……そしてできれば、笑ってあげてください……貴方の笑顔も、わたしは見てみたい……」

「リクエストが多いやつだな──あれもこれも、ぜいたくすぎる」

 そんな束の間の穏やかな会話を、優と豊五郎は楽しんでいた。
 やがて小さな滝にさしかかり、それを見た子供たちは一瞬ひるみを見せたが、次第に年長と思わしき子が年下の子たちを引っ張って渡らせてやったりと、相手を気遣う一面を見せ始めた。

「えらいね……登っていくたび、みんな進歩してる」

 【マナボード】に腰かけて優がその手助けをしてやった。

「無理せずにちょっとずつ行きましょう」

 そう言って、小太郎は子供たちが疲れたらすぐに休憩をとって体を温められるようにと、あらかじめ川の近くにあった野営地に【野営】の技術でテントを設置しておいた。
 優も同じ場所で【マザーフィールド】を使う。
 【ブレイブハート】を使って子供たちを励ましてから再び川の中へと入っていく小太郎は、自ら鍛え抜いた体を【正覚念珠】で更に強化し【活の霊珠】の水耐性も生かして川の中でもバランスを取りながら、よろめいた子供たちをすぐに支えられるよう備える。

「──【無我の境地】」

 念のため、周囲への警戒も怠らない。

「さすが、どんな時でも小太郎は全力だな。みんなから頼りにされるの、なんか分かるよ」

「タクミ君こそ、また力を付けましたね」

 両脇に子供たちを抱え、川の中をずんずん進んでいくタクミもまた逞しい。
 小太郎は、かつての戦いで共闘した時よりも更に増したタクミの力強さを感じていた。

「どれだけ時間をかければ、その境地に達するのか教えてもらいたいです」

「それ俺のセリフだから。そっくりそのまんま返すよ」

 タクミに言われて、はにかんだ表情を見せる小太郎。
 褒められるとどうも照りくさくなってしまうのは、なぜなのだろう。

「……あ、後で手合もしませんか? きっといい気分転換になりますよ」

「そうだな~、体力がまだ残ってたらな!」

 気合を入れて子供たちを抱え、駆け足気味で進むタクミに負けまいと、小太郎も上流へ登っていった。

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