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ブランクでサバイバル大冒険! あの子のハートをゲット!

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【3-1】

 さらさらと流れる川は緩やかで青く澄み、底を行きかう魚たちの群れが肉眼ではっきりと分かるほどだ。

「それじゃ、みんなで思いっきり楽しもうぜ!」

 子供たちに注意事項を説明した世良 潤也は、星川鍔姫と共に川の中へと入っていく。
 水はひんやりと冷たかったが、汗ばむくらいの気温の中ではむしろちょうどよいくらいだった。
 星川鍔姫も潤也の後に続き、足を滑らせないようゆっくりと近づいてくる。

「──ほら」

 目の前に差し出された潤也の手を見つめて、鍔姫は少しはにかんだ表情を見せる。

「そこ、滑りやすいから気をつけて──」

 潤也に支えられ、鍔姫はそっと水の中に足を踏み入れた。
 だがそのままズルッとバランスを崩してつんのめりそうになる。
 
「言わんこっちゃない。……大丈夫か?」

「平気よこれくらい。でも……あ、ありがと」

「ケガしたらシャレにならねーし、気をつけようぜ。救急セットとスポーツドリンクは俺が持つから、鍔姫は遅れそうな子の面倒を見てもらっていいか?」

「わかったわ」

 子供たちの中から遅れる子が一人でも出ないように、最後尾から子供たちを見守る潤也。
 そんな潤也の背中を見つめているだけでどこか心強く、鍔姫は初めて挑戦する川登りでも不安を感じることはなかった。

「……まーったく、相変わらずのツンツンデレデレっぷり見せてくれちゃってぇ」

 潤也と鍔姫のやりとりを見ていたアリーチェ・ビブリオテカリオは、なんだかんだと協力し合う2人の姿を微笑ましく感じる。

「もうどうせだったらこの際、キャーこわい♪とか言って、潤也に抱きついちゃえばよかったのに」

「な、な、何言ってるの!? さっさと行くわよっ」

 鍔姫はバシャバシャと水音を立てて、上流へと進んで行く。
 それに紛れて、何やらシャッターを切る音も聞こえた。
 【盛り写】で鍔姫のベストショットが撮れた邑垣 舞花は、

「後で潤也さんに渡しておきますね」

 と言って、にっこり微笑む。

「ちょ、ちょっと!!! 今の不意打ちだったでしょ! もう一度取り直しなさいよ!!」

 怒ったふうの顔も、舞花はかわいい瞬間を捉えてシャッターを切っていった。

「ぼくたちも写真とるーーー」

 そう言って、子供たちも次々と水の中に入ってくるが、水温が少し冷たく感じられるのと初めての経験とで若干緊張している面持ちだった。
 舞花が子供たちに気を配りながらも【レビテート】で浮遊し、足場を気にしない自由なスタイルで子供たちの様々な表情を捉え続けた。

「はいチーズ♪ ね、みんなで一緒に歌ったら元気が出るわよ!」

 アリーチェは最前列に立って【ブレイブボイス】で子供たちを鼓舞し、聴いたら元気になれるアイドル曲【ある意味ラブストーリーかも】を歌い始めた。
 ノーン・スカイフラワーもアリーチェと少しずらした音程で歌い始め、二重奏はハーモニーとなって美しく鳴り響く。
 そんな瞬間を切り取るように、舞花はファインダー越しに生き生きとした姿を見つめる。
 年齢の小さい順番から並んでいた子供たちだったが、アリーチェとノーンに合わせて徐々に大きな声を出し始め、やがて一緒に歌を口ずさむようになった。

「その調子♪」

 アリーチェが手拍子をすると、ノーンは【リズムライド】でファミリアを踊り出す。
 そしてそのまままるで人魚が尾ひれを翻したかのように高い水しぶきを上げてやると、子供たちは大喜びするのだった。
 ようやく、水に慣れてきた子供たちは濡れることにも抵抗がなくなってきたらしい。

「ゆっくりでいいから、遅れないようについてきてねー♪」

 アリーチェがリードをしながら先へ進み、続いてノーンは朗らかな気分にする【バレンタインヒム】、激励して皆を勇気づける【ブレイブボイス】と、様々な曲を奏でてリバークライミングを盛り上げた。

「歌はいつでもどこでも元気になれますから、もし何かあった時は……どうか思い出してみてくださいね」

「写真もあるし、きっと大丈夫──」

 舞花とノーンの思いは、子供たちに届いただろうか。
 今日のことが、子供たちの記憶の片隅にでも残れば御の字だろう。
 勢いよく浅瀬を進んでいたノーンは、ふと立ち止まる。

「わたしにしっかりつかまって……!!」

 水深が深くなってきたため、【水泳法】で子供たちが溺れてしまわないようにサポートしながら、進路を支えた。
 自分も楽しみつつ、子供たちを守る引率としての最善を尽くすノーンだった。
 そんな表情も、舞花は1つずつフィルムの中に落とし込んでいく。
 最後は、岩場の前で全員が集まった集合写真を撮ることができた。
 シャッターを押した瞬間、水の中から魚が飛び跳ね、全員が目を丸くしたという貴重な一枚まで撮ることに成功したのである。

「アドルフにお願いして、ホライゾンで写真を現像してもらったらみんなに渡しますね」

 写真の現像も、子供たちを思わず笑顔にする楽しみな出来事の一つだった。

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