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ブランクでサバイバル大冒険! あの子のハートをゲット!

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【3-3】

 ルーニャが上流に向かって歩いて行くと、天津 恭司たちの姿が見えた。
 恭司は万一に備えて【ホライゾンダイバー】を着込み、荷物を浮き輪に浮かべて子供たちの最後尾についていた。
 ずるっと足元を滑らせた子供を【危険把握】で受け止めたり、何かと忙しい。
 恭司に話しかけようとしてルーニャが近づいても、

「大丈夫? ちょっとすりむきましたね……」

 タイミングが合わず、なかなか思ったように恭司と話すことができなかった。
 どこまで効果があるか不明だったが、恭司は【全方位索敵】を使い、子供たちが全員揃っているかどうか小まめに確認する。
 
「そ、そういえば──」

 やっと話しかける間をつかんだルーニャ。

「は、は、は……はっくしゅんっ」

 恭司と手をつないでいた男の子が、大きなくしゃみをした。
 鼻水も垂れて、ぶるっと体を震わせる。

「ずっと水に浸かってると体を冷やすから、そろそろ休憩しに行きましょう」

「そ、そうね──」

 岸に上がった子供たちを、恭司は【探検隊バックパック】の中にあったタオルで身体を拭いてやった。
 小腹が空いたため、【どこでもお雑煮】を振る舞ってやると、みんな嬉しそうに舌鼓を打っている。
 恭司の近くにいるのに、なかなか思うように話ができないルーニャは、腰掛けられるサイズの岩に座って雑煮の汁をそっとすすった。

「──隣、いいですか?」

「あ……ええ、いいですよ……」

 屈託のない笑顔をルーニャに見せる恭司。

「やっと話せました」

「──え」

 恭司も、同じように自分と話すタイミングをうかがっていたのだろうか?

(まさかそんな──)

 きっと、気のせいに決まっている。
 ルーニャは妙な期待をしないようにして、花びらの形をした薄いかまぼこを口のなかに入れた。

「ルーニャさんは、テルスでもそうでしたけど……今回も、ちゃんと誰かのことを支えていますよね。それはとても素敵なことだと思います」

「あなたこそ……人のことばかり考えて。もうちょっと自分のこと」

「考えてます。だからこそ、そんなルーニャさんを僕は支えたいです。といっても頼りない僕ですけどね、捨て駒だろうが囮だろうが、なんでもしますよ。だから、もしよかったら僕を頼ってほしいです」

 真っ赤になったルーニャは恥ずかしさのあまり何も言えず、すっくと立ち上がると川の中へ入って行くのだった。

「おーい、どーしたルーニャ? そんなまっかっかな顔でさ」

 タクミが下流の方から手を振っているが、ルーニャはふるふると首を横に振るだけ。

「? 変なルーニャ」

 タクミは、追いかけてきた壬生 春虎葉月 凛と合流した。

「あっという間に追いつかれたな~」

「【サバイバルセンス】と【戦場の足法】ですぃすぃ~ですよ~タクミさん!」

 凛がタクミにピースをしてみせる。
 ここに来るまでにブランクについての説明を凛にしてやった春虎は、【蒼炎の生存本能】を使って的確に岩を選びどんどん川を登って行った。

「あ、待ってください~!」

「ちゃんと待ってるよ。ふふん、見た目は子供でも中身は大人。体が身軽な分、動きやすいことこの上ないぜ」

 凛は子供たちができるだけ川の中を歩きやすいようにと、自分なりのコツなども伝授するのだった。
 ふと、川底に転がっていた石をかき集め、春虎は川の流れが緩やかな一面をめがけて水切りで遊び始める。

「なにそれーーーやってみたい!!」

 物珍しそうに、子供たちが集まってくる。

「主~、それ水切りですよね? みんなで勝負しましょーー勝負!

「よし、それじゃできるだけ平べったい石をみんな探してくるんだ。あまり大きすぎてもダメだからな」

 片手で石を弄びながら、流れに狙いを定めて──春虎が石を投げ入れた。
 石は軽快に水の表面を飛び跳ね、なんと30段も成功してしまったのだった。

「やべー、ちよっと自分でも鳥肌立ったわ……けっこういい線いったよな?」

 子供たちも思い思いに石を投げていたが、一人の子が足を滑らせ、川の中にはまり込んでしまう。
 春虎は【蜻蛉の機械翅】で咄嗟に飛翔し、その子の腕を引っ張り上げた。

「あ、ありがと──」

「こんな楽しい時に怪我なんかしたらつまらねーぜ。思いっきり遊ぶのもいいけど、気をつけような?」

 春虎に諭され、うん!と子供は頷いた。
 すると、なにやら上流の方から蠢く謎の影──テュポーンが現れる。
 さほど大きくはなかったが、水面に隠れて子供たちを待ち受けていたらしい。

「主、ここは私に任せてください。子供達の前ではあまり人斬りの姿を晒したくはないのですが、危害が及ぶのであれば斬ります」

「一人で無茶するな、今は分が悪い」

「所詮、私は人斬りです。今も昔も人斬りを怖がらない子供はいませんよ──この子たちを守れたなら、私はそれで良いです。避けられれば寂しいですが、慣れてます」

 武器を構えて、凛はテュポーンに斬りかかっていく。

「おねぇちゃん負けるな!!」

 子供たちは凛を恐れるどころか、歓声を上げて応援してくれていた。
 その声でどれほど凛が救われたか、春虎も、気づいていたことだろう。
 2人は共闘してテュポーンを追い払い、全員で上流を目指す。

「やっぱり、あんたらがブランクに来てくれてよかったよ」

 タクミは春虎と凛に聞こえたのかどうか分からないくらいの声で、ぽつりと言った。
 タクミたちの遥か後方を、ヨウ・ツイナフォルティス・ワーラインがあえて子供たちからは少し距離を置いて登っていた。
 先ほどまでハーピーマスターが2人を皆の元へと案内すべく先を急いでいたが、なかなか追いついてこない2人が気になるのか何度も振り返っている。
 やがて川へたどり着いた頃には、どこかへ行ったのか姿が見えなくなった。
 きっと、子供たちの元へと向かったのだろう。

「フォルティス殿ぉ~。私は下からいくでござるよ、登り切ったら私もいくでござる」

 なぜか子供よりも歩みが遅いヨウは、歩いては立ち止まり、自分のペースで川の中をゆっくり進む。
 わけあって少年体系になってしまっているフォルティスは、不本意ながらもヨウに頼りながら上流を目指すしか方法がなかった。

「意外と届かないものだな──だが、さすがに子供達と同じ場所に登るにはさすがに気が引けるし──」
 
「む、この辺りは危ないでござるな。子供の体躯では登り辛いやもしれぬでござるな。落ちて来たらお姫様抱っこになってしまうでござるが受け止めるでござる。受け止められたらそのまま接吻してあげるでござる……」

 そう言って、フォルティスに寄りかかる。

「ヨウ。さすがに、親睦を深めるなら木の裏とかでだね……」

「む? 何を恥ずかしがっておる? 木の裏でなら良いのでござるな」

 そのまま水から上がり、木の裏へとフォルティスを引っ張り込んだ。
 
「人がいないなら、多少は許されるでござろうよ。フォルティス殿、今はあまり考えずに私にゆだねるでござる……」

 ヨウはフォルティスに覆いかぶさり、そのままじっと目を見つめた。
 態勢が逆になると、フォルティスの静かなキスが、落ちてくる。

「これ以上の単独行動はまずい……全部終わってから、後でまたゆっくりキスしてやるよ」

「子供達もいないのでござるなら、恥ずかしく無いでござろう? このまま軽く肩車をしてあげるでござる。足場に私の手も使って良いでござる」

 これはこのまま言うことを聞いておいた方がよさそうだ──と、フォルティスはヨウの首にしがみつき、この場は彼女の言われるままに従うことにしたのだった。

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