三千界のアバター

いつまでも貴方へ

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「みんな、よく集まってくれた!」
 坂西のとある村に集まった武士団に向かって、村長が声を張り上げて挨拶をする。
「村の外からも助けが来てくれた! これだけの人数がいれば、妖魔にも十分対抗できる!」
 この場に集まった屈強な人々は、自信から来る笑みを浮かべている。
「後ろに見える林道は、わしらだけじゃない、いろんな人が通る大事な道だ! これ以上妖魔の好きにさせるわけにはいかねえ! 絶対に妖魔を追い払うぞ!」
 おう、と村人たちは声を揃えて叫ぶ。その様子を一歩離れたところで見ている人物がいた。
村人とは違う、統一性のない容姿の彼らは、特異者と呼ばれる世界を渡る力を持った存在。時に依頼され、時に助けを求められ、時に自ら遭遇しながら、彼らは訪れた世界で起きる事件を解決して来た。
そしてもうひとり、この集会を見つめている人がいた。
物陰に隠れているつもりで、体を半分ほど出しながら集会を覗いているのは、この村に住んでいる少年だった。気合を入れて意識を高めている武士団には気が付かれなかったものの、特異者からすれば棒立ちと変わらない。
しかし、少年の集会を見る表情は子供の好奇心ではなく、明らかに動揺が見て取れた。だから最初に気がついた邑垣 舞花は気品のあるゆったりとした動作で、限りなく敵意を見せないように近づいていった。
「はじめまして、どうかされましたか?」
「あの……妖魔、倒すの?」
「そうですよ。あの道を安全に通れるようにしてきます。なにか心配ですか?」
「あの……助けてほしい……」
「……話を聞かせてもらっても、いいですか?」
 少年の消え入りそうな声に、舞花は腰を落として目線を合わせて答える。
「何かありました? その子、怯えてるようだけど……」
 そこへやってきたのは特異者の一人、天津 恭司
「ええ、この子が助けてほしいと……」
「助けてほしいんだ……僕の、友達を……!」
 小さくも確かな訴えに、二人は他の特異者も呼んで少年の話を聞くことにした。
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