三千界のアバター

幼き頃の遊び相手

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◆序章 混乱する村◆

 おみよがやってきて特異者達と話した後も、いかづち団は巨大なお手玉を討伐する方向で戦闘準備を行っていた。
 誰がどう攻撃し、どういう手順で追いつめていくかの相談にも余念がない。
 おみよの話を聞いても何も心動かされることはないようだ。
 報酬目当てにのみ動く、といういかづち団の噂を知っていたのか、村長がおみよの方を申し訳なさそうに見ている。
 まさか持ち主が現れるとは誰も思っていなかったのだから仕方ないのだが、いかづち団にまで付喪神の対処を依頼してしまったことを気にしているのだろう。

 村の人々はと言うと、このような事態は誰も想定していなかったため、どこに逃げればいいのかと村長含めて皆が、程度の差こそあれ混乱していた。
 口々に何か言っているが、大勢で同時に話すので誰が何を言っているのか、さっぱり分からない。
 皆、焦って動き回っているが、誰もどうすれば良いのか分かってはいない。
 親とはぐれたのか、道端でうずくまり泣いている子供もいる。
 てぇへんだてぇへんだ、と言いながら1人で走り回っている者までいた。
 早く誰かが彼らを落ち着かせ、安全なところへ逃がさなければ、怪我人が出てもおかしくないような状況だ。
 お手玉の付喪神より、村人達の混乱の方が今は怖いかもしれない。

 集まった特異者達は、軽く話し合ってそれぞれの分担を決めた。
 やるべきことは、大きく分けて3つある。
 1つは村人達を逃がし、その安全を確保すること。
 もう1つはいかづち団を説得し、聞かなければ彼らをおとなしくさせること。
 最後の1つは、付喪神の説得を行うおみよを守り、その手助けをすること。
 分担が決まると、すぐに分かれて動き始めるのであった。

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