三千界のアバター

謎の初心者狩りを追え

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謎の初心者狩りを追え
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プロローグ:作戦会議

 広い、洞窟のような環境になっている薄暗いヴォルテックスオブカオスのとある階層にて、アリサ姫に初心者狩り討伐を依頼されたメンバーは、二つのチームに分かれ洞窟型ダンジョンの中を進んでいた。
「情報じゃ、怪しい男はこの先で野営しているそうだが……」
 一つは、十三人によって構成された、棺の男の調査へ向かう面々。敵に会わないよう警戒しながら、ゆっくりとダンジョン内を進んでいる。
 彼らは、各々男の正体について予想しながら、どのように接触するか頭を悩ませていた。
「この先にいる棺の男が何であれ、まず警戒させないことが重要だな」
 そう言うのは、幼い少女の外見を持っているにもかかわらず、声のみは中年男性のような深みのある低い声の弥久 ウォークスだ。
 その意見には同意なのか、傍らに立つヨウ黒山 羊は、ニコニコ笑いながら首肯を示す。
「なら胃袋を掴むのが手っ取り早いね! ぼくケーキを持ってきているよ!」
「そういうことなら、私もちょうどいい手段を持っていますよ?」
 二人の言葉を聞き作戦を提示するのは、屋台を引きながら迷宮内へと入ってきた、フェイツイ――成神月 鈴奈だ。
「さっき貰った情報じゃ、棺の人は野営地で食事をとっているらしいです。逆に言えば、そこは食事をできるほど安全な場所。同じように食事する場所を求めて冒険者が来てもおかしくはないかと」
「つまり、食事をしに偶々やってきた客を装いながら、棺の男が夜営している場所に入り込むということだな?」
 両目を閉じた僧侶サモン――佐門 伽傳は、妙案であろうなとしたり顔で頷き、おおむねその提案に乗る様子を見せた。
 この中で最も多くの仲間を連れてきたラヴィニア・クロウフォードもその提案におおむね同意する。
 彼女の背後では彼女の仲間である面々が、既に食事をどうするかという会話をしていたのだから、この提案は渡りに船だったのだろう。
「とはいえ、相手は初心者狩りの容疑者。食事などをしていては完全に隙を晒すことになるのでは?」
「なあに、あんたがそういう風に警戒してくれているなら、早々簡単に不意はうたれないだろうさ。相手に話を聞くために隙を晒す奴と、そうでない奴。役割分担ができていて結構なことじゃないか」
 唯一、その作戦の不安要素を案じている、シンデン――七瀬 永見は、相棒であるラースタチカ――ローザ・グラナティスによって心配するなと背中を叩かれている。
「では、接触の方法はおおむねそれで問題ないということですわね。まぁ、それほど警戒する必要があるとは思いませんが」
 少々皮肉げな言葉を漏らすのは、女性の姿をしたスライム――松永 焔子。彼女はどこか確信めいたものを抱いた様子で、棺の男が初心者狩りであるという説に懐疑的な態度を示していた。

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