三千界のアバター

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■散策


 朝、サルマティアの街、通り。

「どれも美味しそう♪」
 リズ・ロビィことベルベットは、パンの屋台でお昼ご飯を物色中。
「全部、パン屋『ジュリット』自慢のパンだよ!」
「この世界の食材を沢山使ったホットサンドが美味しいよ」
 30歳の陽気な女店長と、ホットサンドを受け取ったばかりの20歳の男性客が宣伝した。
「それじゃ、あたしも同じ物を」
 ベルベットは男性客と同じ物を注文してから
「ところでこの世界の絶景スポットを知っていたら教えて欲しいさー」
 世間話がてら絶景スポットを訊ねた。
「絶景スポット?」
 聞き返す男性客に
「そうさー。この世界の風景を描きたくて……画家を目指している身としてはこれ以上の目的は無いからね♪」
 ベルベットは事情を明かした。
「絵描きさんなのかー」
 男性客は納得するものの
「僕は知らないなー。この世界に来たばかりだから」
 ベルベットが望む情報は持っていなかったが
「絶景スポットなら森を抜けた先にこの街を一望出来る丘があるよ」
 調理に励む店長から入手する事に成功した。
 この後、注文した料理を受け取り、教えて貰った場所へ向かった。

 到着するなりベルベットは
「……」
 まずはと、眼下に広がる街を目で
「澄んだ空気に自然……」
 空気や自然の匂いを鼻で味わい
「……森から吹き抜ける風」
 体を撫でる風の感触と
「……眩しい」
 空を仰ぎ、降り注ぐ光を全身で味わう。
 しばし、五感で題材を存分に味わった後
「よし、描くさー(あたしが味わうこの感覚が握る筆、描かれる色に更なる彩りを与えてくれるはず)」
 ベルベットは絵描きセットcanvasから選んだ筆を握り
「……」
 冒険の相棒であるスケッチブックのPhantasmagoriaを広げ、絵描きを始めた。
 作業を黙々と続け
「……ふぅ、少し筆を休めてご飯にしよう」
 朝からお昼時が訪れ、ベルベットの筆は一時停止。
「……ここはゲームの世界だから食べなくてもいいかもしれないとは思う……けれど」
 昼食を広げ、頬張り
「今はゲームの中のキャラだけど、これもあたし、食事をし、絵を描く“リズ・ロビィ”」
 味と共に染み渡る自分を感じながらのんびりと昼食をした後、作業に戻り夕方には絵を完成させ、街に帰還した。

 夕方、サルマティアの街、パン屋の屋台『ジュリット』。

「こんなにも美しい場所だったさー」
 ベルベットは街に帰還して早々、絶景スポットを教えてくれた店長に、礼とばかりに完成した作品を披露し
「わぁ、素敵!」
 店長を心底感動させたという。

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