三千界のアバター

ノルトマルク避難民輸送作戦

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ノルトマルク避難民輸送作戦
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【Prologue】


高杉大介並びに特異者たちが到着する数刻前。
脱走してきた避難民たちは不安や焦りでいっぱいだった。

いつ敵に追いつかれ見つかるかわからない。
もし見つかれば、捕まるか最悪の場合殺されかねない。
そんな状況に、回収地点にたどり着いても安心はできる者はいなかった。

中には、泣いてしまう者も。

「・・・・・・なあ、たとえ助けが来たとして、俺たち逃げ切れるのかな?」

ある一人が、小声で呟いた。

「ちょっと。こんな時に弱気な発言はよして下さい。子供もいるんですよ?」

それに対し、近くにいた女が怒った。
だが男は続ける。

「だってよ、もしかしたらも奴らに包囲されていて、俺たちが救助の船に乗るタイミングを狙っているかもしれないだろ」

その可能性はある。
救助が来たとして、無事に生きて逃げられる保証は現段階ではない。

避難民たちは俯いて黙ってしまった。

すると、その中で誰かが口を開いた。
10歳ほどの少年だ。

「ボク、明日の朝ごはんはハムエッグを食べていたいな」

その意味を、他の大人たちは数秒考えた。
そして理解した。

もし明日、朝ごはんを平和に食べられるとしたら、それは脱出が成功しているということを示している。
避難民たちは少年の言葉で、不安は拭えずとも、希望を持つようにした。

「いいな、それ。みんなで一緒に食べよう」


明日、無事に朝を迎えられるように。
避難民は祈る。


――そして数刻後。
一人の男が海上を進むエアロシップを見つけた。

高杉大介のエアロシップが到着したのだった。

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