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飼育小屋のグリフォン騒動!

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飼育小屋のグリフォン騒動!
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 戦闘が終わりを迎えたころ、雑木林には捜索していた全員が一か所に集まっていた。
「そう、酔いが回っていたのですね」
 ここまでの経緯を聞き、高宮が納得する。
「どうりで変な動きをしてると思ったよ。しかも怪我もしてたなんて」
 剣持が言う。
「後ろ脚の内側でしたから、気づきにくいですよね」
 治療術で手当てをしながら葉月が言う。
「逃げ回っている間に小さな切り傷もたくさんつくってしまったみたいだな」
 九曜も闇の浄化で回復の手伝いをする。
「わたくしも、お手伝いしますね」
 山内も治癒術をかけはじめ。数分立たぬ間に、グリフォンの傷が治っていく。
「あ、目を覚ましましたね」
 のぞき込んだ津久見が言う。
「怖かったですよね、よしよーし」
 葉月がプラシーボケアで慰め始める。グリフォンはだいぶ落ち着いているのかもう逃げることはせず、おとなしくその場にたたずんでいる。
「お腹は減っていませんか? ……もみじまんじゅうとか食べるのでしょうか…?」
 葉月がそう言って差し出す。するとちょっと警戒しながらもそれを食べ始めた。
「わぁ、食べてますね」
 高宮が嬉しそうに言う。
「なんでも食べるとは聞いてたけど、ほんとなんだなぁ」
 九曜がそれを眺めながら感心する。
「さっき食べれなかった木の実とかもあるから、いっぱい食べるといい」
 そう言って剣持が先ほど集めた食料を再び広げる。
「さぁ、お腹が膨れましたら、帰りますわよ。わたくしがマーニで先導しますわ」
 山内がグリフォンをひと撫でしてマーニを呼ぶ。
「……あら? マーニ? ちょっと機嫌が悪いみたいですわね? お腹すきましたの?」
 傍に寄ったマーニに触れて山内が首を傾げる。
「……、嫉妬してるんじゃないかな? さっきまでグリフォンばっかり触ってたし」
 冷静に分析した九曜が言う。
「まぁ! 心配しなくても、マーニが一番ですわ。さぁ、マーニ、あなたの方が先輩なんですからちゃんと案内するんですよ」
 そう言うと山内はマーニに乗る。
「あ、あの……。一緒に乗って帰れたら、嬉しいのですが……」
 グリフォンに向かって葉月が呟く。すると立ち上がったグリフォンが再び背を屈める。
「乗ってもいいということでしょうか?」
 高宮が首を傾げる。
「わぁ、ほんとですか? うれしいです」
 嬉しそうに葉月がグリフォンに乗る。
「巴様、素敵です。あの、私も後で乗せていただけますでしょうか?」
 津久見が羨望のまなざしを向ける。
「いくら小さめといえど女2人くらいは平気で乗れるんじゃないか?」
 九曜が言う。
「どうやら、待ってくれてるみたいだよ」
 葉月を乗せたまままだ屈んでいるグリフォンを見て剣持が進める。
「一緒に乗りましょう、弥恵さん」
 葉月が手を差し出す。
「はい!」
 嬉しそうに津久見は返事をし、その手を取った。
「さぁ、行きますわよ。ほら、わたくし達と一緒に帰りましょう? お父様もお待ちです」
 先に山内が飛んで見せて空を旋回する。
 それに続くように2人を乗せたグリフォンが舞い上がる。
「さぁ、俺達も戻るか」
 剣持が立ち上がる。九曜と高宮もそれに続いたのだった。




 農場では一足先に戻った九鬼がゴルデンのエアロシップで空から地上を見ながらテキパキと作業を進めていた。
「んー、それはもうちょい右、かなぁ……効率を考えると……うーん……」
 その指示通りに僚機が地上にメタルキャバルリィの残骸を並べていく。
「どうですかにゃ、苺炎にゃん?」
 ゴルデンが聞いてくる。
「ふふ、なんか防衛訓練みたいだね」
 それに少し楽しそうに九鬼が答える。
「地上では皆さんが休憩しながら首を傾げてみてますにゃ」
 ゴルデンは上から皆の様子を見て伝える。 
「ま、こんなものかなー」
 どうやら完成したらしいそれを満足そうに見下ろす。
「では、下におりますにゃん」
 そう言ってゴルデンはエアロシップを地上に降ろす。
「九鬼殿、終わったのか?」
 地上に降りると開口一番マカラシャが聞いてくる。
「うん、終わったよ」
「見てもあまり分からないんだが?」
 ジェノが首を傾げる。
「それは皆が集まったら苺炎にゃんが説明してくれますにゃ」
 ゴルデンが答える。
「後戻ってないのは……ロイドちゃんと、捕獲に行った人たちだね」
 九鬼が言う。
「そうですね、順調に終わっているといいのですが」
 天音が言う。
「そういえばコルヌにゃん達はどこに行ったのにゃ??」
 一緒に帰ってきたのに見当たらないのでゴルデンが首を傾げる。
「今ユキノさん達とグリフォンを小屋に入れに行ってますわ」
 松永が答える。
「なにはともあれ、一安心、だね」
 そういった九鬼に皆が頷いたのだった。





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