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飼育小屋のグリフォン騒動!

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飼育小屋のグリフォン騒動!
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「ま、この辺でいいだろう」
 天峰が待機する位置を決める。
「ジェノさんはもう少し後ろの退路に行くんだよね?」
 リーオが一緒に来たジェノに問う。
「あぁ、敵の現在地にいかず、狙撃に適した地……例えば木々、岩陰、草むら、砂漠の砂中等、隠れられる場所に潜みつつ、敵が追い立てられてくるのを待つ。今井が連絡くれるだろうしな」
 ジェノが答える。
「退路に行く前に倒しちまうかもしんねぇぜ?」
 天峰が少し挑発的に言う。
「問題はない。保険だと言っただろう? お前たちが倒してくれるのならば話は早い。ただ戦闘は何が起こるかわからないからな。もしそんな中撤退を決めるものがいたとして、そんな中をギリギリ逃れられたのならば撤退中、退路は安全と思い込みがちだ。だからこそのそこからの超長距離狙撃。対応時間を与えない為、一撃必殺を心がけるさ」
 ジェノが冷静に返答する。
「ふん、なるほどな。ならもし取りこぼしがでたら任せるからよ。しっかり潰してくれよな」
 高峰の言葉に
「あぁ、任された」
 ジェノはそう答えてその場を去っていく。
「後ろも万全だね、マスター」
 リーオが嬉しそうに言う。
「あぁ、なかなかに策略家だな。頼もしいぜ」
 そう言いながら天峰はスモークディスチャージャーで煙幕を張り始める。
「じゃぁ予定通り、ボクは敵のスカイシップを相手にするよっ! あぁ、でもマスター? センサー類が発達してないから、テルスで煙幕を多用してるのは分かるけど……煙幕が晴れないとボクも狙撃が難しいからほどほどにしてね?」
 リーオがそう言ってその場を離れて行く。
「分かってるって。……でも、ま、人質を盾にされたら何もできない。そうなる前に煙幕で接近してから奇襲しねぇとな」



 天峰達が煙幕を張っている少し遠く、土煙を上げながら走っている弥久が居た。
「む? なんだアレは……?? 煙……??? いや、煙幕、か? ……もしかして、待ち伏せにいったやつらか……」
 スピードを落とさずそのまま煙幕の近くまでやってくる。
 すると前方にまさに上から降下してくるメタルキャバルリィの機体が3機。その手には何かが握られている。
「調教されて無いグリフォンを抱えたままエアロシップには戻らないだろうとは思ったが……、大きく広がる煙幕に様子を見るために降りてきたか!」
 これは好機とさらにスピードを上げる。
 降りてきた機体の1機が、それに気づいたようで
「先輩!! 後ろから何か来ます!! ……人? ……いや犬みたいな!?」
「追ってか!?」
 その呼びかけにメタルキャバルリィが向きを変える。
 それより早く弥久が跳躍する。
(やはり、高さが足りないか!)
 咄嗟にイノセント召喚して足場になって貰い二段ジャンプをしてコルヌめがけて鎖鎌を投げる。
「……ッチ、させるかよ!」
 狙いに即座に気付いたメタルキャバルリィは腕を少し上げる キィン! と音がして鎖鎌が跳ね返る。
「いったん煙の中に入れ!! 立て直すぞ!!」
 突然の強襲に目の前の煙に飛び込むのが得策と考えたのか3機は一斉に身を隠す。
(くっ、少し焦り過ぎたか……、しばらく物陰から様子をみるか……)
 突然のことに敵の僚機が反応出来ずにいる間に弥久は物陰に身を隠した。




 立ち込める煙の中に身を潜め生命感知で敵が来るのを待ち構えていた天峰が動き出す。
「……来たな」
 一言呟いて集中する。
(一番気配が重なってるのがコルヌって爺さんとグリフォンを掴んでるメタルキャバルリィだな優先して狙おう)
 視界が悪い煙の中、速度を落としてるだろうメタルキャバルリィに天峰は静かに忍び寄り
「な、なんだ!? 誰か居るのか!?」
 そう銃を向けて叫んだ機体にダブルアクセルで脚部の出力を跳ね上げて一気に間合いを詰める。
「クッソ、てめぇら!! 一旦ばらけろ! その獣共は死守しろよ!!」
 そう叫びながらコルヌ達をつかんだ機体が追尾弾を打ち始める。
「効くかよ!!」
 天峰は追尾弾をシールドとロンデルの重装甲で持ちこたえ、ギリギリの間合いでビームソードを振りかざしコルヌとグリフォンを掴んでる機体の腕を斬り飛ばした。
「しまった!! 反対方向に!!!!」
 斬撃を避けるためメタルキャバルリィが重心を変えたので、本来自身でキャッチする予定だった敵機の左腕が全く違う方向へ飛んでしまった。それを見た天峰が叫ぶ。
「大丈夫だよ、マスター!!」
 晴れていく煙の中、目と聞こえてくる声で状況判断したリーオが声を張る。
「弥久さん!! 腕!! そっちに行った!! 敵僚機は気にせず、コルヌさんをお願い!!」
 
「!!!」
 突如聞こえてきたリーオの声に物陰から弥久が飛び出す。
 前方にはコルヌ達をつかんだ腕が、切り落とされたはずみで煙幕の外に飛ばされて落下し始める。
 同時にメタルキャバルリィの僚機が飛び出した弥久に照準を合わせる。
「マスター達の邪魔はさせないよっ!!」
 リーオはすでにスナイプで狙い定めておいた敵僚機に自身の僚機ムスタングRVer2機と一緒に先の先で動きを読んでスカイシップを狙撃する。逃がした炸裂弾はファニー召喚して防御する。
 それと同時に弥久が再び鎖鎌で落ちてくる左指に攻撃し、開かせる。
「グリフォンに掴まれコルヌ!!」
 今度は弥久が声を張る。
 開かれた腕からは翼を広げたグリフォンと咄嗟に掴んだコルヌが空を舞う。
 それを目視で確認した天峰は
「追撃は阻止する! そのグリフォンに乗って逃げろっ!」
 そういって目の前のメタルキャバルリィに煙幕から煙分身を創って突撃させ時間を稼ぐ。
「無理じゃ、コイツ興奮して言うこときかん!」
 必死にしがみついているコルヌがそう叫んだと思いきや、振り落とされる。
「そんな!!」
 リーオが叫ぶ。
「大丈夫よ! グリフォンリッターはグリフォンの鳴き声で落ち着かせて! オオカミ乗りはコルヌさんを受止めて!」
 弥久の少し後ろの方から今井の僚機が駆け抜けていく。
「ナイスタイミングだろ? コルヌを捕らえているメタルキャヴァルリィは俺が撃破してきてやる。グリフォンとコルヌの保護は任せたからな」
 そう言ってミラージュシフトでコルヌ達には目もくれずブラックが敵に接近していく。
「確かに、ナイスタイミングだな」
 汗を拭いつつ弥久が言う。
「もう、心配ないわ。残りの方たちも、今頃他の機体と対峙しているはずよ」
 と今井が言った。



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