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迷路の末見えた道は

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迷路の末見えた道は
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第5章 最後の変化

「やっとたどり着いたわ……」
 いち早く、町長の元にたどり着いたレイナ・ハイゼルジョン・ハイゼルのLC)は、辺りをゆっくりと見回しながらつぶやいた。
 そこには、若い少年、少女。そして町長らしい初老の男、数人の兵士達が居た。
 ハイゼルは兵士達をじろりと睨み付けると、【天狐の妖気★★★】を槍状にみせたものを手元に表す。
 兵士達は一斉にこちらへと武器を向ける。

 だが、ハイゼルを襲ったのは兵士では無く、レヴェリー・ヘリオトロープだった。
 レヴェリーは【ラムレイ★★】で屋上に駆け上がると、刀を構えレイナに襲いかかる。
 レイナはレヴェリーの一閃をかわすと、すかさず槍状になった妖気をレイナに向かって振り上げる。
 レヴェリーもなんとかその一閃を避けるも、素早い一撃の妖気はレヴェリーの頬をかすめた。
「そこをどきなさい!!」
「処刑の邪魔はさせないわ!」
 レイナの言葉にレヴェリーは強く拒否を示すと、再びその刀をレイナにむかって斬りかかる。
 間一髪のところ、レイナの横をそれは切り裂いた。
 ほんの数分、激しい攻防戦が続いた後、最初に舞台を降りたのはレイナだった。

「っ!!」
 レヴェリーの強い一撃を受けた(ように見せた)レイナは片膝を突いたのち、無言でその場を立ち去った。

「……脅威は去りました、安心を」
 レヴェリーは刀を鞘に収め、町長を見た。
 町長は一瞬怪訝そうな表情を浮かべるが、拍手した。
「よくやった、報酬を与えるに値する働きをしてくれた」
「ところで、町長。この処罰、この者は取り調べなどは行わないのですか?」
「……取り調べなど必要はいらないだろう。見ての通り極悪な盗賊達だ」
 町長は冷めた目で、盗賊らしい少年少女を見る。
 少女はそんな町長を今にも殺すような目で睨み返す。
「しかし、死刑とは唐突すぎる気も」
「……やけに聞いてくるな。お前、本当は反逆者ではないのか?」
 町長は再び怪訝そうに、レヴェリーの顔を見る。
 全ては情報を聞くため、レイナとわざと対立してみせたレヴェリーだったが、これ以上聞き出すのは不可能だと思い、平然を装いながら否定し、暫く見守る事にする。

   §

「リーダー!!!」
 ユミの後ろから、盗賊の少年は叫んだ。
「そいつは……ユミか」
 リーダーはふと笑みを浮かべ、ユミ達を見る。
 自分の名前を呼ばれたことでユミは一瞬何かが気になった。
(私……あの男の人と、女の子を知ってる……?)
 少女の方はこちらを一瞥すると何も喋らず俯いた。

「これはこれは、勇敢な旅人の皆さん……」
 ユミ達の前に白髭を蓄えた初老の男が歩み寄る。
「いや? 反逆者の皆さんとお呼びするべきだろう! だが、間に合ったようだな。さあ、処刑を実行しよう!」
 初老の男、町長は笑い声をあげると兵士達に何かを指示する。
 兵士達はリーダーの首元を掴み、断頭台にセットし始める。

「止めるわよ!!」
 ユミ達は一斉に断頭台を目指す。
 しかし、兵士達の剣によってそれは阻まれた。
 剣を振り上げ兵士を遠ざけようとするも、ここの兵士達は手練れなのか、ただ剣の鍔迫り合いを続けることになってしまう。

「や、やめろ!! 処刑するなら私だ! この私を処刑しろ!!」
 黙り込んでいた少女が突然、強く懇願し始める。
 兵士は少女を黙らせるよう、背中へと剣の柄で叩いた。

 そんな事まったく聞こえないのか、町長は冷めた表情で手を上げる。
 合図を受けた兵士は断頭台に手を伸ばす。
 だが、その手はレヴェリーにより押さえられた。
「何のつもりだ……?」
 町長はレヴェリーを睨み付ける。

「町長、あなた”ダレス・ハーマイン”って人に会ったでしょ?」
 そう言って、レオン・クラースナヤはユミ達の背後から現れた。
「町長の家に行ってた人達から全部話は聞いたわ」
 【超直感】で町長の家へ向かいそこに居た特異者達から聞いた話の一部を語る。
 レオンの発言に町長は眉をひそめる。
「ダレス……知らんな。おい、お前達こいつらを殺ってしまえ」
「は」
 町長の言葉に兵士達が一斉に動く。
 その時だった、【フォーミュラーアーマー】を使い、空から男が舞い降りた。
「処刑場はここか?」
 空から現れた男、サジー・パルザンソンコミュニ・セラフのLC)は持っていた【エナジードリング】を飲み干すと、断頭台を見る。

「うわあぁああああっ!」
 突然現れたサジーに向かって兵士は斬りかかる。
 サジーは剣筋を避けるが、その一閃は服の一部を切り裂いた。
「……ぐふふ、面白いじゃないか。俺も混ぜてくれないと。この命の獲り合いを!」
 サジーは【<暴走>★2】を発動させる。
 両手の【ハチェット】を力任せに振り回し、兵士達を次々と横凪にしながら、赴くままに町長へ向かっていく。
「ええい、お前達、体を張ってでも私を守れ!!」
 町長の言葉にどこからか増えた兵士達が、町長の回りに集まる。
「へへ、盛り上がってきたじゃねぇか!!」
 サジーは楽しそうに笑い始める。
 さらに、【<底力>★3】を発動させ、両手のハチェットを振り回し、兵士達へと1人で襲いかかる。
 人数差により、サジーはまともに剣を受けるものの、【転・ノーペイン】により痛みは感じず、まるで戦車の如く突き進んでいく。

「今のうちに!」
「うん」
 ユミ達はサジーの横を通り過ぎ、断頭台に居る少年と少女の元へ。
「させぬぞ!」
 だが、他の兵士よりも巨体をした兵士が再びユミ達に襲いかかる。
 しかし、兵士はユミ達に襲いかかる手前のところで、レオンの【転瞬走】、【アンブッシュ】により横からの不意打ちを受け、硬直する。
「もう一つ分かったことがあるわ、こいつら兵士達、街の人達は、全員町長の指示は従うけど、逆に町長の指示が無い限りは動かない」
 レオンは次々と襲いかかる兵士達に【無音戦闘術】で対応しながら、語る。
 先ほどまでの戦いで、【超直感】によりたまたま気がついた事だった。

「道に迷わば振り返ればいい。そこに確かな絆を築けた人たちがいる。
 護るべきものを見つけられたのなら、それは強さとなり、支えとなる」
「!」
 いつの間にいたのか、ユミ達の横に居たレヴェリーがぽつりとユミに語りかける。
 レヴェリーは刀を構えると【無双】を発動させ兵士達に斬りかかり、道を作る。

「リーダーを!!」
 先になって、付いて来ていた盗賊は、前へと急ぐ。
 ワッフル達もそれに続く。
 ユミはしばらくレヴェリーの言葉を考えこむと、前を再度見直し走り出した。
 断頭台へと。
 
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