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迷路の末見えた道は

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迷路の末見えた道は
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 その頃ユミとワッフル達はようやく、役場の場所までたどり着いていた。
「居た!! 兄貴だ!!」
 先ほどまで黙り込んでいた盗賊が、声をあげた。
 木造2階建ての役場、その屋上に設置された断頭台の側に若い青年と少女が座り混んでいるのが見える。
 その横には数人の兵士と、明らかに1人だけ服装の違う初老の男。
「あの人がこの町の町長みたいね……」
「あれ? 何か妙に騒がしくない?」
 何か様子がおかしい事にワッフルはいち早く気がついた。
 役場の付近にあつまった町人、兵士達が口々に何か叫び、暴れているようにみえる。

   §

「……」
 役場前、町人達に紛れていた他方 優は腕組みをしたまま「なるほど」とつぶやいた。
 優は先ほどまで放っていた【凍てつく元素】を解除する。
(あれだけの気迫《プレッシャー》を与えても、町人達はびくともしなかった……異常以外なにものでもないね)
 町人の異常さを確認したときだった、優もまた何か騒がしい事に気がついたのだった。

「僕は盗賊達を救う!」
 役場の前、処刑されるのを見守る町人達の中で愚者 行進は何の前触れも無く叫んだ。
 一斉に町人達が冷たく、鋭い目つき、行進を見る。

「お前、今言ったことわかってんだろうな?」
「分かってるさ。俺は盗賊を救う。お前達でいう反逆者ってとこさ」
 そう行進が応えると、辺りの兵士や町人達が武器を持ちだし、襲いかかる。
 行進は【愚者の境目】を前方になげつける。
 絶妙にコントロールされたそのタロットカードは、町人たちへ襲いかかり、町人達の横をかすめていく。
 再度タロットカードを投げると、避けていく町人達による道ができる。

「にしても、かっこわるぃ?
 こんな弱っちい僕を相手にそんなにカッカしちゃってさぁ!」
 ケラケラと笑う行進は笑いながら、時折襲ってくる兵士たちの攻撃を【受け流し】、さらに逃げ回る。

「ちっ、悪魔め……正義の鉄槌を――」
 騒動に駆けつけた兵士達は剣を引き抜こうとしたときだった、強烈な殺意を感じた兵士達は一斉に背後を見た。

「初夏の日差しを如何お過ごしバッタ? 
 バッタの国からやってきたバッタ怪人、改め、涼し気に脱皮したバッタクイーン参上だバッタ!」」
 ゆっくりと現れたのは松永 焔子もとい、【クイーンズウィップ】に【クイーンズボンデージ】、紛れもないバッタクイーンだった。
 バッタクイーンが【死の波動】であたりの兵士達に殺意を向けると、兵士達はたちまちその場に立ちすくんでしまう。
「動かないバッタ? なら、こっちから行くバッタ!」
 バッタクイーンは【転瞬走】で一気に兵士へ間合いを詰めると、鞭をしならせ【止線】で的確に兵士の急所を狙い撃つ。
 予想以上に痛みの伴う攻撃に耐えられず兵士はその場に転がり回る。

「っ!! この!!」
 何とかこみ上げる恐怖をおさえ、剣を振りかざす兵士の攻撃を【危機回避】でバッタクイーンは避けると
 再度その鞭を綺麗にしならせ、兵士に強い一撃をあたえる。
「大丈夫かバッタ? 怪我は……これを食べるといいバッタ!」
 倒れこんだ兵士にゆっくり近づくと、クイーンズバッタは何かを取り出した。
 思わず兵士は悲鳴を上げる。その手に持っていたのは【ロクスタ煮の瓶詰め】だった。
 兵士を倒しては、ものをいわさずクイーンズバッタは容赦無くその口にロクスタ煮を突っ込んでいく。
 
 バッタクイーンと行進の様子を眺めていたユミとワッフル達。
「これは……」
「よく分からないけど、もしかしたら隙を作ってくれているのかもしれないね」
 突然現れた優の言葉にユミは小さく頷いた。

「……演技ってより……とにかくかかわらないほうが良さそうだね……その人は?」
 ワッフルは怪訝そうな表情で、優が肩に担いでいる町人に指をさして聞く。
「明らかに異常性が高かったので、【エーテリア】で正常に戻せないか試してみたんだけど、気絶してしまってね」
「ひとまず、ここから離れましょうか」
 ユミはそのまま役場の裏へと進む。

 ユミ達が通りすぎたころ、行進はにやりと笑みを浮かべると、
 今度はタロットカードを天に掲げる。
 すると、先ほどまでレンガ作りの役場前が一変、【ファンタジア】による世界、赤茶の土が広がる崖っぷちにその場の全員がいた。
「さあ! もっと見せておくれよ強者の余裕♪」
 向こう側から崖へ向かい、じわじわと大きな鎖と縄が近づいてくる。
 町人達は縄に押され、悲鳴を上げながら、崖に近づいてく。そして断末魔があたりに響いた。

 その後、役場の影で、優が抱えていた町人は目を覚ます。
 【エーテリア】による効果があったのか、優達を敵視することはなかった。
「……あれ……」
「目を覚ましたみたいだね」
 優は目を覚ました町人から話を聞く。
 しかし、町人が知っていることはあくまで”町長が突然おかしな事を言い始めた”程度で、それ以上の事は分からなかった。
 ただ、1つだけ気になることを話す。
「あの日の晩……鏡が光ったんだ」

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