■【3】プロローグ■
がやがやと賑わう酒場。
そこには見渡す限りのねこ、ねこ、ねこ……。
これから執り行われるイベントに備えて、さんぜんねこたちが士気を高め合っている最中であった。
「野郎ども、人間に目一杯モフモフさせてやるニャ! でもって恩を売りまくって食べ物をもらうニャ!」
「ニャー!」
そんな気合充分な
さんぜんねこたちのすぐ隣。
同じく気合充分な
紫月 幸人が拳を高々と振り上げた。
「久しぶりの儲け時来たよコレ! モフる人々とさんぜんねこの写真を撮って撮って撮りまくって売りまくる! 順番待ち用に名前を書けるボードも用意しておいたし、準備万端なんでも来い!!」
「……一応確認だが、手伝いに来てくれたんだよな?」
嬉々として顔を輝かせる幸人へと、
境屋がやや呆れ気味に尋ねる。
その問いに、心外だというような態度で返事をした。
「ええ、もちろん手伝いですよ? ちゃんと撮影ついでに鍵抜いちゃ駄目よ? とか注意して回りますし?」
そう言ってはいるが、目は口程に物を言うとはよく言ったもので、瞳は金儲けのために燃えに燃えている。
「……まあ、人手不足だしな。手伝ってくれるなら今はなんでもありがてぇ」
「でしょ? ……ところで境屋さん、とっても素敵な猫耳じゃないですか! 記念に一枚お写真いかがですか!? 今ならなんと500Gですよほぅらお安い!」
「好きでつけてるわけじゃ……って、勝手に撮るな。はぁ……遊んでないでさっさとイベント始めるぞ」
「はいはーい!」
境屋の一言により、ついに開かれる酒場の扉。
さんぜんねこたちとの触れ合いに胸を膨らませた特異者たちを、幸人はハイテンションで出迎えたのだった。
「皆さーん! モフモフタイム来ましたよぉー! はい! モッフモフ! モッフモフ!イェアー!」
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ1
3ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ2
4ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ3
5ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ4
6ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ5
7ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ6
8ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ7
9ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ8
10ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ9
11ページ 【1】さんぜんねこをモフモフ10
12ページ 【3】運営のお手伝い1
13ページ 【3】運営のお手伝い2
14ページ 【3】運営のお手伝い3
15ページ 【4】ブラックホールとの戦い1
16ページ 【4】ブラックホールとの戦い2
17ページ 【2】PC同士でモフモフ1
18ページ 【2】PC同士でモフモフ2
19ページ エピローグ