■騒ぎの後
春日は迷惑を掛けた宿泊客達や自分に優しくしてくれた特異者達にごめんなさいとありがとうの手紙を渡した。
何より友達になってくれたり遊んでくれたり人に気持ちを伝える方法を教えてくれたりと特異者の優しさのおかげで春日のこれからが変わった。
まず人間だけでなく妖にも自分の性質故に面倒だと避けられて来たが、教えて貰った方法で少しずつ仲良くなったという。
他の妖に会う以外は繁太の宿の厄介となっていた。特に自分の悪戯が素敵な演出の一部となった部屋をお気に入りにして繁太のお手伝いを時々するらしい。
「……友達というよりは何か妹が出来たみたいだ」
と繁太は笑っていた。
ただ彼の唯一の問題は
「あいつに知れたら何というか、妖も取れるとりもちだとか、人間と妖の効果の違いを手軽に比べられるとか発明品の実験台にされかねないな」
春日を捕らえたとりもちの製作者である親友の反応であった。まだ来てはいないが、来たら騒々しい予感にげんなりしていた。
迷惑を掛けた宿々の手伝いについては春日なりに頑張り宿の人達にも少しずつ受け入れられつつあった。根は悪い子ではないので。
人間の子供達とはあの時遊んだ子供達をきっかけに少しずつ仲良く遊ぶようになっているという。
何もかもがまだまだの少しずつだが、優しくしてくれたお兄ちゃんお姉ちゃんのおかげでいい方向に向かっているという。