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弟を捜して三千界inコルリス王国

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弟を捜して三千界inコルリス王国
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「これからも弟を捜してこの世界を旅するつもりなんですよね?」
 きよみは料理を食べながら都夜乃の話し相手をしていた。
「そのつもりだけど、やっぱり危ないかな?」
 都夜乃は飲み物を一口飲んでから溜息を吐いた。自身で多少なりとも分かっているらしい。
「そうですね、わたしは危険だと思います。この街は平和ですけど、危険な場所はいくらでもありますから。冒険の途中で怪我をする事もあるかもしれないし、悪くすれば生命を落とす事だって……」
 口調は優しいが言うべき事は明確に述べるきよみ。都夜乃の身を案じての事だ。
「……地球に戻らずに死ぬのは嫌だよ」
 都夜乃は死を想像したのかぞっとした顔で思いっきり否定した。
「わたしもそうなって欲しくはありません。せっかくこうして知り合えたのですから。ただ、弟さんを探し続けるのなら危険は身近にあるのだとそれだけは肝に銘じておいて下さい」
 と、きよみ。知り合った人が翌日故人になるなど堪らないので都夜乃には危険というものを分かっていて欲しいのだ。
「そうする。心配してくれてありがとう」
 都夜乃は気遣うきよみに礼を言った。
「いえ、当然です。それよりアルテラを巡るのなら少しの間わたし達が同行しようと思うのですが」
 ここできよみはひかりと相談して決めた事を持ち出した。
「本当に?」
 思わぬ嬉しい申し出に聞き返す都夜乃。
 その時、
「その話、少しいいか? ネグの事で都夜乃さんに話があるんだが」
 ネグの話を聞き終えた如月が現れた。
「話?」
 と、都夜乃は聞き返した。
「実は……」
 如月はネグから聞いた事情を全て話した。
「そっか。探し物かぁ」
 話を聞き終えた都夜乃はネグの方を見ながらしばし考え込んだ。
「そういう訳で旅の道連れにネグを連れて行ってあげてくれ。それに地元の人が側にいた方が良いじゃないか?」
 如月はネグのためにもう一押しする。二人にとって悪い話ではないから。
「でも……」
 都夜乃は申し訳なさそうに先に申し出てくれたきよみの方を見た。
「わたし達の事は気にしなくて大丈夫ですよ」
 きよみは笑顔で平気だと意思表示をした。
「ありがとう。それならあの子と一緒に行こうかな。悪い子じゃないみたいだし。弟の事を聞いてから言ってみるよ」
 優しいきよみに礼を言い、都夜乃は旅の道連れにネグを加える事に決めた。

「ん~、そう言えば誕生日プレゼントなんて用意してなかったわねぇ」
 すっかり酔っぱらいのアニエスは誕生日プレゼントを持参していない事を思い出した。
「……ん」
 アニエスはふと視線を感じ、その先を辿ると海鮮パスタやフルーツポンチを食べるネグと目が合った。
 ネグはアニエスの所にやって来て
「……お姉ちゃん、大丈夫?」
 酔うアニエスを心配するのだった。
「大丈夫よ。今日はいっぱい楽しんでしっかり思い出に残しておくんだよ? 大人になるまで覚えてたら、きっと宝物になるから。プレゼントみたいなのは用意して来なかったけど、この言葉がプレゼントってことで」
 アニエスは笑みと共に祝いの言葉を贈った。
「うん」
 ネグはこくりと頷いた。
 その時、
「ネグくん、美味しいクッキーがありますよ」
 ネグを呼ぶロッカの声。
「ほら、楽しんでらっしゃいな」
 アニエスはネグの背中を叩いて急かした。
「うん!」
 ネグは、一度アニエスに笑いかけてからロッカの所に行った。
 アニエスはまた酒盛りを再開した。

「……あの子がネグちゃん、可愛い子……これは頑張らないといけませんね」
 風花は楽士のフルートを片手にクッキーを食べるネグの様子を窺っていた。
「盛り上げるのに僕も参加しますよ。演奏ではなく歌とダンスで」
 ネグと話を終えたエンジュがソードダンサーを連れて現れた。
「ダンスですか?」
「華やかになると思いまして、踊るのはソードーダンサーにメインに踊っていただく予定です。僕の踊りが下手だと興ざめしてしまいますからね。始めましょうか」
 聞き返す風花に答えたエンジュは早速演奏開始を促した。
「はい」
 風花はクッキーを楽しむネグにフルートを吹きながら近付いた。
「……ん?」
 フルートの音色に気付いたネグは食事の手を止め、音を辿る。
 辿った先にいたのは、
「こんにちは、ネグちゃん、お姉ちゃんは幻想のフルート使いなんですよ」
 フルートを片手に笑顔の風花。
「……フルート?」
 ネグは風花の手にあるフルートに興味の目を向けながら訊ねた。
「はい。耳を澄まして瞬きをしないで下さいね。お姉ちゃん、頑張るから楽しんで下さい」
 風花は少しだけお姉さんぶって言った後、フルートを演奏しつつトランペットを演奏するマーチングの所に戻った。
 そして、マーチングは『オーケストラ』で幻想の楽団を召喚し、風花は『ワールドイズマイン』で綺麗な花畑や青空を作り出して『幻獣』で鳥型の生物を飛び回らせた。
 大合奏の中、エンジュが歌う『愛の唄』が会場にいるみんなを優しく包み込み、『ケラスス・ヒエムス』の桜吹雪の中、ソードダンサーが軽やかに踊る。
「すごーい花畑に青空に桜吹雪!」
 ネグは広がる風景に興奮した。
 その時、
「素敵だねぇ。そうだ! ネグくん、お姉ちゃんと一緒にダンスしよっ」
 ロッカはネグの手を取り、演奏の場へと駆け出した。
「あっ、お姉ちゃん!?」
 ネグは戸惑いながらロッカを見るも嫌がってはいなかった。

 演奏の場。

「楽しいね」
「うん、楽しい!」
 ロッカはネグの手を取り、ソードダンサーに混じって仲良くダンスをしていた。
「♪♪」
 風花はフルートを吹きながらネグに笑いかける。
「お姉ちゃん、上手!」
 ネグも笑顔で答えた。
「お兄ちゃんも上手!」
 ネグはにこっとエンジュに笑いかけた。
「♪♪」
 エンジュは歌いながら軽く頷いてネグに応えた。
 ちょっとした音楽会となった。
 この後も誕生日会は賑やかに続き、終了後の後片付けも無事に終わった。

 誕生日会の片付け終了後、ネグは約束通り都夜乃に智之の事を話した。
 スティティオの事を聞かれて案内し、その時に互いに名乗った事、お礼にお菓子を御馳走してくれた事、アルテラに他の街はあるのかと訊ねられラクスを紹介した事、残りは誕生日会中に話した事だった。
 そして、
「ねぇ、ネグちゃん私と一緒に来る? 探し物が見つかるかどうかは分からないけど」
「行く。よろしく、都夜乃お姉ちゃん」
 都夜乃は旅の相棒にネグを連れて行く事にした。
 二人は早速、【湖の街】ラクスに向かった。

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担当マスターより

▼担当マスター:夜月天音

マスターコメント

 シナリオに参加して下さった皆様お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
 初めてのプライベートシナリオでしたが、いかがでしたでしょうか?
 皆様のおかげで素敵な誕生日会となりました。都夜乃は無事に弟の情報と相棒を得る事が出来ました。
 最後に少しでも楽しんで頂ければ幸いです。