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弟を捜して三千界inコルリス王国

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弟を捜して三千界inコルリス王国
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第二章 誕生日会の準備を


 酒場前。

「刹那、ずっと心に残るような素敵な誕生日会にしてあげたいですね」
「マスター、何をすればよろしいでしょうか。ご命令を」
 暁 刹那ニルフィ・ヴァーミリオンアルトリア・コールブラッドは都夜乃に依頼され、誕生日会の手伝いに参上した。
「アルトはこの花を床に置いたり会場のセッティング作り。二ルフィは俺と料理だ」
 刹那はアルトリアに予め入手しておいた大量のプレケスの花を渡して命令し、自分は二ルフィと料理担当に。
「了解しました」
 アルトリアはプレケスの花と遂行するべき命令をしっかりと受け取った。
「はい。美味しい料理をたくさん作りましょう」
 二ルフィは刹那の言葉に力強く頷いた。やる気は十分のようだ。
「さて、行くか」
 刹那を先頭に酒場に入った。
 そして、それぞれの持ち場へと別れ仕事を始めた。

 厨房。

「誕生日っつたらやっぱケーキだろ。参加人数が分からないからとりあえず8号サイズを5つぐらいとネグの好みも分からないから種類も色々用意するか」
「そうですね。色んな種類があった方が見た目も味も楽しいですし」
 台所に立ち、刹那と二ルフィは作るケーキについてあれこれ話し合いをしてから作業を始めた。

 調理中。
「刹那、こっちのスポンジも焼き上がったみたいですよ?」
 二ルフィはオーブンから焼き上がったスポンジを取り出した。
「分かった」
 刹那は手早く受け取って仕上げを施しコフィア味のケーキを完成させた。
「よし、コフィア味のケーキ完成。次はマルムの果実を使ったケーキを作るか」
 刹那は完成したケーキを台に置き、次に取り掛かる。
「私はケーキに載せる果物を切っておきますね」
 二ルフィは包丁を手に飾り用の果物の準備をしようとする。
「頼む……ってニルフィ、大丈夫か?」
 刹那は頼んだ後でドジっ子である二ルフィに念のため確認を。
「大丈夫ですよ。これでも一応料理は得意ですから……って痛っ!」
 二ルフィは果物を切りながら顔を刹那に向け、よそ見をしてしまった。その結果、包丁で指を切ってしまった。
「……よそ見をするからだ」
 刹那は呆れるだけかと思いきや切った二ルフィの指を咥え、止血を始めた。
「え? せ、刹那……?」
 二ルフィは、自分の指を咥える刹那を見て顔を真っ赤にし固まってしまう。
「ん……よし、とりあえず絆創膏張っとけば血は止まるだろう」
 止血が終了すると刹那は指を離し、絆創膏をポケットから取り出し、二ルフィに差し出した。
「……は、はい……ありがとうございます」
 まだ顔の赤い二ルフィは戸惑い気味に絆創膏を受け取り、ゆっくりと傷口に貼った。
「作業に戻るか」
 指に絆創膏が貼られた事を確認した後、刹那は自分の作業に戻った。
「あ、はい。私も手伝います」
 二ルフィは慌てて作業に戻った。
 何とか無事にケーキは出来上がった。

 厨房。

「人も集まりそうだから、皆で食べれる物が良いだろうな?」
 皇 仁は恋人のアリア・レイフォリスに呟きながら市場で買い集めた材料を台に並べ始めた。二人は都夜乃の依頼でここにいる。
「基本的に私、料理はかなり下手だから全部仁さんにおまかせするなのですよ」
 アリアは料理が得意な仁に任せ、手伝い担当に。何せ過去のサバイバル生活で作れるのは豪快で滅茶苦茶な何とか食べられる料理なので。
「そうか。レモンパイとフルーツポンチでも作ろうか」
 仁は頷き果物をたくさん使うお菓子を作る事にした。
「私が果物を切るなのですよ」
 アリアは速やかにまな板と包丁を準備した。
「あぁ、指を切らないようにな……これ、洗って輪切りにしてくれるか?」
 仁は果物を一つ渡した。

 果物切断中。
「……上手く切れないなのですよ……そうなのです!」
 包丁では上手く切れず、頭を悩ますも閃いたアリアは突然黒虹の騎士剣を抜いた。
 そして、果物を全て宙に放り投げ、
「はぁぁぁ!!」
 『クロスエッジ』で全てを切り刻み、瞬時にボールで受け止めた。

 一種の見世物とも言える調理に
「すごーい!!」
 と歓声が上がった。
「お姉ちゃん、すごい、格好いい!!」
 本日の主役であるネグだ。
「ありがとうなのですよ。それよりどうしてここにいるなのですか?」
 アリアは礼と共に小首を傾げた。誕生日会はまだだから。
「……様子を見に来たんだ」
 ネグは自分のために用意されたたくさんの料理に視線を走らせながら答えた。
「そうなのですか。これで美味しい料理を作るから待っててくださいなのですよ」
 アリアはボールに入っている果物をネグに見せながら笑顔で優しく言った。
「うん。それじゃ」
 ネグは嬉しそうに頷いてから他の料理人の所に行った。
「……」
 仁は作業を丁寧に素速くしつつ微笑ましいやり取りを眺めていた。
「……仁さん、綺麗に切れたなのですよ」
 アリアは嬉しそうにボールの中身を見せた。
「あぁ、見事だ。何よりあの子が楽しんでいた事がよかった」
 鮮やかに切断された果物よりもネグに優しく対応する恋人の姿が見られて良かったと思っていた。
「……ありがとうなのですよ。次の作業を教えてなのですよ」
 アリアは嬉しそうにしてから次の作業を訊ねた。
「次は……」
 仁は次の行程を教えた。
 どうにか色鮮やかな果物が入ったフルーツポンチとクリームチーズで冷やし固めてレモンの絞り汁が入ったレモンパイを完成させ、アリアが丁寧に店内に運んだ。

 通り。

「近くの酒場で誕生日会があるんだけど」
 密かに人集めをしていた詩歌は白銀 優雨星雪乃 ツバサにも参加して貰おうと声をかけていた。
「誕生日会ですか」
「そうだよ」
 聞き返すツバサに詩歌は詳細を話してからどこかに行った。

 詩歌が去った後。
「ツバサ、誕生日会ならお菓子類が多くてもおかしくはないだろうし腕前を試すには良い機会じゃないか?」
 白銀が最近宿屋の管理人に料理を習っているツバサに勧める。
「そうですね。まだまだ修行中の身ですけど、白銀さんや先生以外の人にも食べて頂きたいかもです」
 挑戦したいと思うツバサ。
「それならやってみるか。誕生日会となると料理も大量で一人で捌くのは大変だろうから俺も手伝おう」
「はい。では、行きましょう」
 白銀とツバサは早速酒場に向かった。

 厨房。

「小さい子の……猫のセリアンさんが喜ぶお料理ですか。やっぱりお魚でしょうか。でもケーキも作りたいですね」
 台所に立つもツバサは何を作るかで頭を悩ます。
 一番作りたいのはやはりケーキなのだが、
「しかし、大きいケーキは結構あるみたいだが」
 白銀は他の料理人の誰もがケーキを作っているのを確認していた。
「それなら私達はお魚料理と参加者がつまみやすいカップケーキを作りましょうか」
 ツバサは白銀の報告から作る物を少々変更する事にした。
 そして、海鮮パスタなどの魚料理やカップケーキを要領よく作っていく。
「デコレーションは俺がしよう」
 白銀が出来上がったカップケーキに次々と生クリームや果物でデコレーションしていく。
「こんな感じでどうだ?」
 出来上がりはなかなかの物。何せ白銀は装飾品を自作するほど手先が器用な職人さんなのだから。
「すごく綺麗で可愛いですからきっと気に入りますよ……あら?」
 ツバサは拍手して完成度の高いデコレーションに感激するもカップケーキに向かって小さな手が伸びている事を発見。
「……ふふ、様子を見に来たんですか?」
 ツバサは優しい笑みを浮かべながら本日の主役、ネグに声をかけた。つまみ食いをしに来たのは明白だ。
「……えと、うん。そうだよ。美味しそうなお菓子とか好きな魚とかたくさんあったから」
 ネグは伸ばした手をビクつかせ、すぐに引っ込めにっこりと答えた。
「つまみ食いをしに来たのか」
 白銀は怒るでもなく平時の調子でネグの目的を口にした。
「……だっておいしそうだったから……少しだけ味見してもいい?」
 ネグはちらりとカップケーキを見た後、つぶらな瞳を白銀に向け、おねだり光線を発射する。
「……もう少しすれば、誕生日会が始まる。その時に好きなだけ食べたらいい」
 白銀は屈み、視線の高さをネグと同じにするなりネグに言い聞かせる。面倒見の良い兄気質に関わらず白銀にはネグのおねだりは効かなかった。ツバサやツバサの料理の先生や猫以外にあまり関心が無いせいだろう。
「……でも」
 ネグは、まだ諦め切れずに料理の方をちらり。
「外に行って遊んで来たらいい。十分に腹を空かせておいた方が誕生日会を楽しめるんじゃないか?」
 白銀はネグを厨房から出て貰うためにうまく言い聞かせる。
「うん。分かった。遊んで来る」
 ネグはつまみ食いを諦め、出て行く事に決めた。
「気を付けて下さいね」
 ツバサは優しく厨房の裏口から外に出て行くネグを見送った。

 ネグを見送った後。
「白銀さん、頑張りましょうか。やっぱり、お魚が好きだったみたいですね」
「あぁ、戻って来る前に終わらせるか」
 ツバサと白銀は調理を再開し、多くの料理を完成させた。

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