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真夏の野外映画上映会

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真夏の野外映画上映会
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 ノーマン・コモンズエミリア・アッシャーに誘われて映画を鑑賞に来ていた。エミリアはいつも戦いばかりで疲れているだろうノーマンのことを気遣い、たまには休んで欲しいと思い誘ったのだった。
「エミリア?」
 肩に何かがのる感覚がして、ノーマンが隣にいるエミリアのほうを見るとエミリアは眠ってしまっていた。映画に誘ってくれたエミリアだったが、エミリアだって疲れているんだと、ノーマンはエミリアの頭を撫でると再びスクリーンを見始める。そしてノーマンとエミリアの近くにはせーらーさんぜんねこが大人しく映画を鑑賞し、キーパーは無表情で映画を鑑賞していた。
 上映していた映画が終わるとノーマンは優しくエミリアのことを揺らして起こす。
「ん……あ、私眠ってしまったのですね」
 エミリアはゆっくりと頭を預けていたノーマンの肩から体を起こす。
「仕方ないですよ。エミリアだって疲れているんですから」
 ノーマンはエミリアに微笑みかける。それに返答するようにエミリアも微笑む。
「いつも大変で恐い所に行ってて心配でしたけど、こういう場所でなら、一緒に過ごせますねっ」
 恋人であるノーマンと居れる事が嬉しいのか、エミリアはノーマンの腕に自分の腕を通す。
「いつも飛び回っててあまり一緒にいれないでごめんなさい、今日は一緒に過ごしましょう」
 一緒に居たいのはノーマンも一緒だった。せっかく映画に誘われたのだから一緒に楽しみたいという思いもあり、こういう時にしか出来ないスキンシップを取ろうと思っていた。
「さあ、エミリア、カクテルをどうぞ。先ほど持ってきてくれました」
 エミリアのキーパーから受け取ったカクテルをエミリアに差し出す。
「ありがとう。私だけじゃあれですし、ノーマンも飲んでください」
「大丈夫、僕の分もありますから」
 2人はチンとグラスを合わせる。こういう場所にいるからなのか、それともエミリアと一緒にいるからなのかとても美味しく感じた。
「またこういうデートをしましょうね」
 ノーマンはカクテルを一口飲むとエミリアにそういった。
「今度はノーマンから誘ってくださいね」
 そして、次の映画が始まる。次の映画は「君はかわいいレディ」というラブロマンスの映画であった。タイミングよく2人の雰囲気に合う映画が始まったのだった。
 そして、徐々に夜が深まってきた頃、映画広場の入り口では2人の女性が映画を鑑賞しにきていた。
「今日はこういう場所に来られて良かったですね、アリー」
 セフィリア・アークライトアリエッタ・アークライトに言う。
「そうですね、姉さんとデートだと思うと特別楽しく感じます」
 笑顔でアリエッタはセフィリアに返す。
「私もアリーと来られて嬉しいです」
 アリエッタの笑顔にセフィリアも嬉しくなり、一緒に笑顔になる。
「でも、この映画のチケット……題名見たことあるような……」
 チケットに書いてある映画の題名を見て、セフィリアは首をかしげる。
「き、気のせいですよ、姉さん。さあ、始まる前にお菓子などを買って場所に行きましょう」
 と、セフィリアの手を取ってアリエッタは歩き出す。しかし、どうもセフィリアはその題名が気になってしょうがなかったが今日はやりたいことがある。映画の題名のことは気にせず、取られた手があり、アリエッタと一緒に歩き出した。
「あ、映画が始まるようですよ」
 セフィリアとアリエッタは席につくと、映画が始まった。その映画の題名は「レクイエムはいらない」という題名の映画だった。
 内容は『大学2年生の女性が主人公で、ある日、姉を亡くしてしまう。悲しみにくれる主人公。しかし、それから何もない所で転んでしまう等、不思議な事が起こる。最初は不運だと思っていたが、実はそれは姉が彼女を守ってくれていた事が分かった。ある事件でそれに気付いた彼女は姉に会いたいと願い、ある夜、一度だけやっとそれが叶うのだった』というもの。
 それは自分の本だ、とセフィリアは気づいたが今はアリエッタに話すことがある。
「「ちょっといいですか?」」
 同時にセフィリアとアリエッタの言葉が重なる。
「アリエッタからどうぞ」
「いえ、私は後でいいですから……姉さんからどうぞ」
 お互いに譲り合っていたが、セフィリアから話し始めた。
「映画の力を借りないとこういうことを言えないのは情けない事なのだけれど……アリー、いつもいつもあなたには感謝していますよ」
 そう、今日セフィリアはアリエッタに感謝の言葉を言おうとしていたのだった。アリエッタはずっと自分がセフィリアの役に立ててないと気にしているようだったからだ。
「いつも帰った時のアリーの笑顔で迎えてくれる事が何よりも癒しです。本当に救われてるんですよ……」
 その言葉を聞いたアリエッタは涙を浮かべた。大好きな姉が自分に感謝の言葉を言ってくれる。それ以上に嬉しいことはなかった。
「私も……姉さんに色んな感謝の言葉、大好きって気持ち……それを伝えたかったんです」
 アリエッタは涙をそのままに、セフィリアの言葉に続ける。
「私を育ててくれてありがとう。私を守ってくれてありがとう……」
 そういうと、アリエッタはセフィリアにキスをした。
「アリー……」
「昔姉さんがキスは本当に大切な人にしなさいって言ってました。だから私の本当に大切な人にしたんです」
 嬉し涙を流しながらアリーは笑顔で言った。
「ふふっ……少しだけしょっぱいキスでしたね」
「あ……それは涙で……そうですね、少しだけしょっぱかったです」
 2人はお互いに笑いあった。その時映画はクライマックスへ近づいていっていた。
「お姉様とアリエッタはいい感じに進んでますわね……」
 遠くから覗いていたフレデリカ・エインズワースが2人の様子を見て呟いた。
「まあ、そうでなくてはチケットを調達した意味がありませんわ」
 そう、2人の映画のチケットを調達したのはフレデリカであった。そして映画がクライマックスへ近づいてきた時、フレデリカは動き始める。
「おじいさんに何も言ってませんが……関 係 な い で す わ」
 いそいそとフレデリカはスクリーンに近づいていく。一体何をしでかそうというのだろうか。
 そして、映画はクライマックスを終え、エンディングに向けて進んでいく。
 その時スクリーンの裏ではフレデリカが待機していた。
「ちょっと何してるの!」
 スクリーンの裏にいたスタッフがフレデリカに言うが、そんなことはお構いなしに準備を進めていく。
「わたくしのすることに反対するんですの? 知 り ま せ ん わ」
 マイクを持ち、そしてスクリーンの袖に。映画はエンディングの音楽が流れ始めた。それに合わせフレデリカはスクリーンの前に飛び出す。
「ラ~♪ラ~♪」
 そう、フレデリカが企んでいたのはエンディングを自分で歌ってしまおうということだった。
「フレデリカさん……!?」
「フレデリカが何でエンディング歌ってるんですか……」
 フレデリカの姿を見て、セフィリアとアリエッタは驚いた表情をしていた。いや、会場にいる全員が驚いていた。しかし、フレデリカの演出は盛り上がり、歌い終わったフレデリカは拍手喝采を浴びるのだった。
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