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真夏の野外映画上映会

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真夏の野外映画上映会
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【誰がための映画?】

 日がまだ傾き始める前。スクリーンから離れた場所に映写機が置いてあり、その映写機はテントから出ている形になっていた。音羽 或斗はテントの設営を行っている。後はピンを打ち込むだけになっていた。
「よし、これでおじいさんが表に出なくて済むね」
 最後のピンを打ち終わると或斗は額の汗をぬぐいながら一息つく。
「おじいさん、これでいいですか?」
「うむ、そのようにお願いじゃ」
 テントの中からおじいさんの声が聞こえ、おじいさんの指示を聞きながら動いているノエル・クレシェンドが答える。
「それとあの機材をテントの中へ、そこの機材はテントの外に出しておくれ。後は――」
「そんなに言われると僕分からなくなるよ……」
 或斗は色々おじいさんから指示が色々飛んできてちんぷんかんぷんになってきていた。
「大丈夫です、私がメモをしてますから」
 ノエルが少しだけパニックになっている或斗へ答える。ノエルは言われた事を細かくメモを行っていた。
「ふう……後はなんじゃったかな……」
「どうぞ、おじいさん何なりと言ってください」
 そこへ三月 ありすがおじいさんへ言う。ありすもとりあえず言われた作業は終わりに近づいてきていた。
「あ……ありすさん、そちらはどうですか?」
 ノエルがありすの姿を見つける。そして、ありすがやっていた作業がどうなったかと投げかける。
「こちらは大丈夫です。そちらのお嬢さんは大丈夫ですか?」
 或斗を見ながらありすは言うが、或斗の表情が少し曇る。
「僕これでも一応男なんだけどな……。大丈夫、こっちも完了だよ」
「あ、男の子だったんですね……すみませんでした。作業は順調のようですね」
 ありすは或斗に謝ると、周りを見て作業が順調なのを確認する。そして、スクリーンのほうを見ると徐々に車や馬に乗る人たちが集まってきているのが分かる。
「さて……こんなもんかな?」
 或斗は最後の指示で言われた荷物を置くと、テント周辺を見て言う。
「そうですね、メモに書いてあるのもこれで終わりです」
 ノエルが或斗の言葉に答えた。
「ご苦労じゃったの。とりあえず、今はこんなもんでいいぞい」
「はい、分かりました」
 ありすはおじいさんの言葉に笑顔で返事をする。
「そういえば、おじいさんは好きな映画とかあるんですか?」
 一息ついたところでありすはおじいさんに対して質問を始めた。
「あ、それ僕も聞いてみたいな」
「確かに気になりますね」
 或斗とノエルもその質問に乗っかり始めた。
「そうじゃのぉ……どんな映画であれ好きじゃな。こんな姿にならなければ今でも見に行きたいくらいじゃ」
「そうなんですか。技師になってどのくらいになるんですか?」
 ありすは質問を続ける。
「あ、それと技師になってよかった事とかおじいさんある?」
 或斗はありすの質問に付け加える。
「そうじゃのぉ……技師をはじめたのは大分昔じゃからのぉ。でも、技師をやっててよかったのはやっぱり色んな映画が見れることじゃな」
 ノエルは指示でもないのに何故かおじいさんの答えをメモし始めていた。
「私も映画好きなんです。アクションやラブロマンス、ホラーも」
 ありすはおじいさんにそう話す。
「そうなんだぁ。映画って色々なジャンルがあるよね」
 おじいさんの代わりに或斗が答える
「あ、そういえば春緒さんは大丈夫かな? おじいさんの代わりに代表代行やったほうがいいって僕言っちゃったけど……」
 ふと、おじいさんの代わりに代表代行を頼んだ春緒のことが或斗はきになっていた。
「大丈夫なようですよ。それに春緒さんなら気にしなくてもきちんとやってくれると思います」
「うん、そうだね!」
 ノエルの言葉に或斗は安心をしながら答えた。
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