三千界のアバター

【光と闇の合流点 第3話】闇の破壊

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【光と闇の合流点 第3話】闇の破壊
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闇の破壊


 ジャガーの力を宿したライフル弾が、コロト6の頭部を貫いた。
 普通の人間なら即死だ。頭部を丸ごと吹き飛ばされたコロト6は、首から火花と血を撒き散らしながら、スピーカーのようなものを通じて声を発した。
「エラー修復完了。プログラム、続行」
 頭が無くなってもコロト6は動き続ける。アサルトライフルから吐き出される弾丸を、焔子はファルスコアで回避する。首から生体血液を散らしながら、コロト6は陽気に告げた。
「困るなァ。頭が無いと人間扱いされなくなっちゃうよ。よいしょ」
 頭の予備を星空の家から取り出したコロト6は、首に新しい頭を接続した。首の傷が塞がり、出血が止まる。
 悪夢のような光景だった。こいつは何がしたいんだ。そう思わせるに足る何かがあった。
「ロボット……」
 イヴェットが呟く。
 コロト6はロボットなのだろう。それも、子供の形をしたロボットだ。
 一つの可能性がよぎった。星空の家は、きっとロボット工場だったのだろう。もしかしたら、子供を助けるためのものだったのかもしれない。ここはそんな場所だったのだ。
 だが、それはもはや原型を留めていない。バグまみれのロボットは、世を嘲笑する。
「ヒィーハハー! 皆殺しだァァァァッ!」
 二丁の複合アサルトライフルから乱射される弾丸の数々が、面を制圧する。
 ジェノ・サリスのノーチラススキンを弾丸が貫く。想定範囲内だ。万死一生を発動し、損傷を左手に集めて落とす。
 左手は使い物になったが、右手は使える。蒼炎の生存本能と紅炎の生存本能を滾らせたジェノは、ブルーホエール【FA5】を発動した。
「終わらせる。今は、それだけだ!」
 右手で長剣を振るい、衝撃波をコロト6に飛ばす。コロト6は、歪んだ笑みを浮かべた。
「『死』は終わらない! 永遠にして不変だ!」
 真正面から衝撃波を受け止めたコロト6の胴体が寸断された。星空の家から、新しいコロト6が提供された。
「エラー修復完了。プログラム、続行」
 新しいコロト6は、前のコロト6を蹴飛ばすと、再び引き金を引いた。
「悪夢そのものだぜ……」
 フリーランニングで銃弾を避ける敦也は肩を竦めた。
 巴に応援を送り続けてきた円は、思う。この敵は絶対に止めなければならないと。
 巴は、コロト6にゲシュタルトブレイクを放った。
「私だって、これぐらい!」
 プラーナの波状攻撃がコロト6を襲う。少しだけ、隙が生じた。
「行きますよ!」
 チャージを済ませた巴は後方の蛇めがけて、巴はストームランサーを投射した。
 ジャンピングレディがプラーナポータルを発動する。巴の前方とコロト6の背後に生成されたポータルを通じて、風の槍がコロト6を貫いた。
「ハハッ、そう来たか!」
 背中から腹部にかけて風の槍に貫かれたコロト6が、がくりと崩れ落ちる。
 星空の家が、新しいコロト6を提供した。
 コロト6は“新品”になった。少なくとも、見た目上は。
「エラー修復完了。プログラム、続行」
 ……だが、それは見た目の話だ。体の取り替えが効くとは言え、この短時間でコロト6は激しく消耗しすぎた。
 積み重なった損傷が神経回路に何らかの作用を及ぼしたのか、コロト6がテュポーンを操る能力にひずみが生じた。
「ヒャハハッ! 蛇よ、潰せッ! 万物に死を与えろッ!」
 蛇型テュポーンは――無視した。
 何もかもを薙ぎ倒さんと、蛇型テュポーンが迫る。コロト6が再度テュポーンの制御を試みるも、それは無効となった。
「な、何だッ!? 何が起こっているッ!?」
 絶句するコロト6にテュポーンが迫る。コロト6が三度テュポーンの制御を試みるが、それさえも無効化された。
 特異者達の傍を通り過ぎて、4体の蛇型テュポーンが星空の家に向かう。
 蛇にありったけの弾を撃ち込みながら、コロト6は叫んだ。
「なぜだッ!? ボクは完全じゃなかったのかッ!? この世は、天才だけが生存できる理に支」
 コロト6の叫びは、4体の蛇型テュポーンに押し潰された。
 蛇型テュポーンはコロト6もろとも《星空の家》を破壊し、狂ったように滅茶苦茶な方角に噛み付き始めた。
 コロト6の、不完全ながらもテュポーンを支配する能力は失われた。その副作用によるものかは不明だが……テュポーンは周囲の全てを出鱈目に喰らって回った。
 この状況から脱出するには今しかない。イヴェットは傷だらけの体を引き摺りながら、前に進むことを選んだ。
「――行こう! 前に進まなきゃ!」

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担当マスターより

▼担当マスター:半間浦太

マスターコメント

 こんにちは。半間浦太です。
 判定の結果、本シナリオは【成功】となりました。
 非常に不利な状況の中、参加者の方々はよく頑張ってくれたと思います。


 次回以降のシナリオの舞台は【ワンダーランド】となります。
 次回シナリオは、最終話の前日譚に当たるシナリオです。次回シナリオでは戦闘はありませんので、実質、本シリーズでの戦闘は本シナリオで完了となります。
 ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。終わりまで、あと少しとなります。
 機会がありましたら、次回シナリオに参加頂けますと幸いです。