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建国の絆 第6回

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建国の絆 第6回
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【中へ】・3

「これ以上相手が増えないうちに片を付けて抜けるぞ!」
 壱星は、面で攻撃できる火炎放射器で蟲籠と綿毛を焼き払おうとする。
「害虫駆除のお時間だぜ!」
 蟲の姿となって散った蟲籠を、インサイトで行き先と狙いを予想して焼き払う。
 蟲籠の断末魔が聞こえた途端、頭上からの新たな敵の気配に壱星がはっと顔を上げる。
「リア!」
 壱星の声に合わせ、エミーリア・ハイセルターと壱星が連携した護国の聖域を展開した。
 間一髪、無数の見えない剣の結界を周囲に張った侍、無灯が船上へと飛び乗ってきたところを、聖域が防いだ。
 ライトタレイションを志桜里のブルーブライトに掛けたエミーリアは、剣の結界を防御用に展開する。
 無灯は改めて刀を手に、壱星たちを見やる。
「いざ参る!」
 晴海 志桜里は、高貴な構えで礼節を忘れず敬意を払い、無灯を見た。
「尋常に参ります」
 志桜里はタンと地を蹴ると空賊王のブーツとブルーブライトの能力で、縦横無尽に飛び回り、蝶のように舞いながら無灯の周囲の剣を弾きにかかった。
 ハンドヘルドコンピュータのサポートを受けつつ、瘴流拳で剣の気配を読み、流れるように戦う。
「極力戦闘は避けたかったがーー!」
 九曜 すばるは無灯の前に飛び出した。
 すばるが崩落する空で闇の空間にヒビを入れると、頭上から“何か”が降り注ぐ。
 無灯の周囲の見えない剣がギラリと光り、“何か”を切り刻んでいる。
「どうして邪魔をする!」
「シャンバラを滅ぼす、それが目的だからだ」
「それが本当に自分自身の望みなのか?」
 すばるの問いに、無灯が言葉を失う。
「惑わされてんじゃないよ! ナラカ道人様の願いが叶おうってんだ! 今はただ目の前の相手を排除するだけさ!」
 無灯の背後から現れたのは、八鬼衆の砂の葉だ。
 砂の葉は髪の毛を数本抜くと、ふうと息をかけて吹き飛ばす。
 見る見るうちに大蛇となった髪の毛が、すばるを襲う。
 だが、そこを機を窺っていた志桜里が、タービュランスを放ち勝負に出た。
「そこっ!」
 大蛇はタービュランスに巻き込まれる。
 すばるは構えた星輝銃から光線を撃ち放ち、大蛇にとどめを刺した。
「邪魔をするんじゃないよーー!」
 砂の葉の髪がうねり、その髪先のひとつひとつの顔がすばる目掛けて噛みつくーー!
 その気配を肌で感じ、カウンターの瘴流拳を叩き込む。
「退いてくれ、無意味な戦いはしたくないーー!」
 すばるの言葉を聞いて、無灯は何かを考え込むような素振りを見せたが、次の瞬間轟音とともに船体が激しく揺れた。
「あれはーー!?」
 壱星の目の前で、山のように巨大な、八鬼衆の怪物ーー大太が闇の奥に姿を現したのだった。

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