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建国の絆 第6回

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建国の絆 第6回
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【先へ】・2

 ナラカ道人の元では、クリストファー・モーガンクリスティー・モーガンが、ナラカ道人の影の対処をしていた。
 クリストファーにはひとつ、気になっていることがあった。
 ーー『闇龍のつけている下着はサイズが合っているのか』。
 その答えを自分の目で確認するために、クリストファーは戦っている。
「俺は線の合わない下着を付ける事は美しくないと考えるんだけど、皆はちがうのか?」
 クリスティーは頭を振って、目の前の影を排除することに尽力していた。
 クリスティーは、アーダルベルト卿に闇航船をお借りした身として、闇航船がどのように活躍したかを報告する責務があると考え、共にここまでやってきたのだ。
「この世界がまたバラバラになってしまいかねない危機ーー私達の愛で止めてみせましょう」
 優・コーデュロイが、ナラカ道人を見据える。
「百合の試練で認められた、トライアングル・リリーとしての愛と連携で勝負です!」
 優の言葉に、リリィ・ボールドウィンルージュ・コーデュロイが頷く。
 もう、ナラカ道人に後はない。
 避ければ封印の間の核へと攻撃が入るように、逃げ場をなくすように追い詰めている。
 優はインサイトでナラカ道人の動きを見極めると、瘴流拳で瘴気から身を守りつつ、闇の動きを察知しようとする。
「皆との出会いと思い出が無かったことになっちゃうなんてヤダよ! 力を合わせてこの事態を止めるんだ!」
 瘴気マスクで闇への対策をとっているリリィは、星の人魚ドレスで強化されたラスターツインレイピアを構え、ナラカ道人に飛びかかった。
 ウェポンマスタリーの技術も使い、素早く、手数で勝負を仕掛ける。
「一度できた愛がむりやり切れてしまう危機なのよね。回避する為にも私達の愛で止めてみせるわ」
 瘴気マスクで闇への対策を取ったルージュは、メディテーションで冷静に素早く効率的に魔法を使えるようにする。
 大きく深呼吸をした優は、冷静に状況を見極めた。
 ルージュとリリィを巻き込まないようにしながら、レーザーサブマシンガンで弾幕を貼る。
 優の弾幕に合わせて、ルージュはルミナリアを打ち込んでいく。
 ブライトスタッフから迸る光が、ナラカ道人を攻撃するとともに、リリィを回復する。
 優がオールスナイプで、ナラカ道人とその影たちを打ち抜く。
 リリィはレイピアの結界の防御に加え、剣の結界も展開する。
 その突きに合わせて、展開している幾本もの剣がナラカ道人に斬りかかる。
「止めを!」
 リリィとルージュが同時に放つ、コンセクティブスラッシュが打ち込まれるーー!
 だが、ルージュたちの大技は本命ではない。
 真の本命の技ーースナイプで、優はナラカ道人の胸を打ち抜いた。
「っ!」
 クリスティーがはっと顔をあげる。
 初めからクリスティーは、ナラカ道人の死際に警戒をしていた。
 命と引き換えや死なばもろともと、ろくでもない攻撃をしかねないと考えたのだ。
 そしてーーその嫌な予感は当たることとなる。

 ナラカ道人の胸から、闇が溢れ出す。
「これまでか……だが!!」
 ナラカ道人の目が妖しく輝いた。
 途端、辺りを包む空気がピタと凍りつく。
「まずい!」
 クリストファーとクリスティーは顔を見合わせ、咄嗟に護国の聖域を貼った。
 途端、その場にいる者たちは得体の知れない感覚に襲われる。
 生命の流れが逆転し、その肉体が、精神が、崩壊するーー!!

 それは時にして、僅か数秒の出来事だった。
 その肉体と精神を内側から滅ぼすような圧が消えた時、その場に立っていたのは、護国の聖域に護られたアイリスただ一人だった。
 ナラカ道人の姿はない。
 だが、闇を通じて、どこか深く遠くに、邪悪な気配が遠ざかっていくのを感じていた。
「皆、無事かーー!?」
 アイリスは辺りを見回す。
「な、何とか命だけは無事です……ルージュ、リリィ!」
 優はリリィとルージュに呼びかける。
 闇への耐性を得ていた者たちは、体を起こそうとしている。
 しかし、耐性のなかった者たちは肉体と精神に多大なダメージを負い、意識を失っているようだった。
「これが、闇龍の下着ーー」
 逆三角形の闇のクリスタルの元に、瀬蓮やアイリス、静香、ルドルフたちが集まってきた。
「これをーー!!」
 皆の一撃が、クリスタルを直撃する。
 そして、ドージェの一撃が、とどめを刺すーー!

 黒い光の輪が広がったかと思うと、途端に周囲の闇が崩れ出した。
 轟音とともに、闇が輪郭を失い、更なる渦となって辺りを飲み込んでいく。
「まずい……早く外へ!!」
 倒れた者たちを抱え、あるいは担ぎ、皆は一斉に闇航船で闇の外へと脱出するーー。

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