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禍神伝 ~完結編~

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禍神伝 ~完結編~
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■エピローグ■



 雨は上がり、市谷区の夜空は星が良く見えるほどに澄んでいた。
 七難会の首領である九厄・宿儺――陸軍兵器局局長立花 幹久は倒され、幹部の湊、焔、枢も神通者たちによって討ち取られた。
 
「皆、楓様!」

 朱音の目に、立花邸から戻ってくる隊士たちの姿が映った。
 楓をはじめ、皆満身創痍といった様子だが、命に別状はなさそうだ。

「ご無事ですか?」
「うむ、この通り。朱音よ。こちらも決着はついたのじゃな」

 朱音はただ静かに頷いた。
 
「サジちゃん、ゴーちゃん! サナエ! 良かった、みんな」
「……ああ」

 美那子の言葉に、佐士が微笑んだ。

「子ノ三班、全員集合ですね」

 佐士、豪、早苗、美那子、ひさゑ。決戦を終え、五人は生きて再び顔を合わせることができた。

「朱音様、楓様。
 区内の各所の建物に被害はありますが、中心部の市民は皆無事に六明館学苑に避難できているとのことです」「とりあえずは一安心ね」
「じゃが、すぐにまた忙しくなる。
 此度の帝都の事件、その黒幕が国を守る兵器局の局長。
 しかもその正体がマガカミじゃ。
 ヤツのように、人間に“間借り”する形で溶け込んでいる者はきっと、他にもいることじゃろう」

 事実、六明館学苑の中に一人存在している。
 九厄・牛鬼の力は帝都を守るために活用されているが、力の均衡が崩れれば危険なことに変わりはない。
 今は五星家の封印と本人の努力もあり、共存できているが。

「牛鬼、獏王、宿儺。残りは六体。再び姿を見せる時が来るのか、今はまだ分からぬ。
 力も記憶も取り戻すことなく、人として一生を終えてくれればそれに越したことはないがの」
「楓様。マガカミのことですが」

 朱音は焔の最期を見て思うところがあったのか楓に伝えようとするが、途中で飲み込んだ。

「いえ、何でもありません」
「儂らとマガカミは表裏一体。
 神通者から堕ちる者がいれば、進化の果てに理性を得るマガカミがいても不思議なことではない。
 いずれ、今とは違う霊力の均衡がこの神州にもたらされる日が来るのかもしれんのう」


* * *


 ――六明館学苑、久重工房。

「隊士の皆は優しいにぇー。でも、おかげで救われた付喪神も結構いるかにゃ」

 “三代目”久重 元内は、機能停止した零号歩行砲をはじめとする“収穫物”の確認を始めた。
 動力は付喪神の核のみを箱詰めしたもの。そして、生物型のマガカミを肉塊にして霊力だけを吸い出せるようにしたもの。概ねこの二種類だ。
 マガカミの方は危険なため、すぐに浄化を行う必要がある。

「じゅんぺーくんだっけ? 頼んだよー」
「お任せを!」

 五星流の門下生である陸奥 純平がマガカミの箱に直接触れ、浄化していく。

「こっちの子たちは、身体を用意してあげれば何とかなりそうだね。
 あとは、と」

 元内は作業台に置かれた枢の義体に目を遣った。

「……死んだフリしてるだけの可能性もあったけど、霊力反応はなし、か。
 念のため、徹底的に解体しておかないと。
 あ、あかりーん」

 解体作業を行いながら、霊子端末で霊界の灯を呼び出す。
 枢には生身の部分はなく、二代目がどうやってこの体に意識を移したのかを調べるべく、核と灯を繋ぎ、情報の吸い出しを行おうとした。
 
「死ぬにしたって、ただ死ぬだけじゃボクもおじいちゃんも許さないよ。
 せめて扶桑の未来の役に立ってから死んでくれ」

 元内とは違い、枢は霊子技術と生物の融合にまで手を伸ばしていた。
 霊界を介した精神の保存や転送といった、魂の領域にまで踏み込んでいたことが灯の調べて判明する。

「純平君、純平君。ちょっと聞きたいんだけど」
「はい、なんでしょう?」
「キミ、確か異世界から来たんだよね? しかも自由に色んな世界行き来できるんでしょ」
「えっ?」
「急に異能者の反応が増えて、隊士も増えたらそりゃあ何かおかしいって思うよ。
 “外国”って便利だよにぇー」

 ワールドホライゾンの存在は六明館学苑に知られているが、外国にある異能者機関という体になっている。
 しかし、元内は特異者たちから違和感を感じていた。

「朱音ちゃん師範からお礼を言われたよー。
 ボクが霊界で過去を再現してくれたおかげで、真の一織流に辿り着けたって。
 すごいにゃー、ボクそんなことした覚えないのににゃー」
「あっ……」

 純平は元内への根回しを行わず、その場で適当に理由をでっち上げていた。
 それがあだとなっていたのである。

「キミんところにさ、こういう系統の技術に詳しい人っている?
 いるならちょっと紹介してもらいたいんだけどさー。
 もしかして、“その世界の文化や生態系が乱れるから、異世界のものは持ち込んじゃダメ”なんて決まりがあったりするのかにゃ?」
「ええと……推奨はされないけど、時と場合による、といった感じでしょうか」

 もう少し純平をからかって遊ぼうかとも思ったが、枢のデータから気になるものが見つかったため、元内は真面目な顔になった。

「……七難会と兵器局。マガカミの力で扶桑を支配した後は、外国に喧嘩売るつもりでいたみたいなんだけど。
 確かに外国の話を聞くと、機械技術が凄い進んでる感じなんだよねぇ。
 でも、そこまで“化物の力”って必要になるかなぁ」

 灯システムを活用し、霊視端末にいくつかの情報を出す。

「神州の近くに、何かありますね」
「隊士が増える前に、帝都で強い空間の歪みが観測されててね。それに近いものが、いくつかあるんだ。
 金川や海軍なんかは、よく分からない海外の化物と戦ったりしているけど、それ、本当に外国から来たのかにゃ?」
「まさか異世界へのゲート!?」
「かもしれない、とボクは思ってるよ。
 船で確かめに行くにはちょっと危険な場所だし、しばらくは事後処理で大変だから学苑として調査するのは難しいだろうけどね」

 元内は笑みを浮かべ、純平を見上げた。

「でも、ボク一人なら動ける。それに、キミたちはこういうのが専門だよね?
 だから天才のボクが、手伝ってあげよう」
「確かに、ホライゾンとしては気になるものですが……げんちゃんさんが調べたいだけですよね」
「まぁね」

 扶桑に存在するゲートらしきもの。
 ローランドの転移者といい、この扶桑といい……表の三千界よりも世界同士が近いのだろうか。
 ローランドの時空の魔女によれば、こちらの次元には表三千界とは違い、鍵守ヴォーパルに相当するゲートの管理者や、三千界管理委員会のような異世界管理組織も存在しないらしい、ということだが……。

「裏三千界は裏三千界で、何か奇妙な繋がりのようなものがあるのかもしれませんね。
 まずは報告してきますので、実際に調査するかは後でお伝えします」

 果たして、その正体は何なのか――。


【禍神伝 完】



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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『クリエイティブRPG』運営チームです。
「禍神伝 ~完結編~」のリアクションをお届けいたします。


グランドシナリオではアクションの採用・不採用がございます。
不採用の場合はキャラクターはリアクション登場しませんので、ご了承ください。
ただし、アクションの不採用があるのは基本的にグランドシナリオのみとなりますので、ご安心ください。


称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。

リアクションの結果は以下のようになりました。


★リアクションの結果

【1】湊は倒され、荒天の術が解除された。
【2】焔との戦いに決着。焔は浄化された。
【3】霊子兵器の制御装置を奪取し、枢も死亡。義体は三代目が回収。
【4】九厄・宿儺を打ち滅ぼした。
【5】市谷区市民の避難誘導は滞りなく成功。


今回、下記の方々に追加報酬等が出ております。
各功績の付与は、リアクション公開日より2週間以内を目処に行わせて頂きます。

■追加行動点
※パーティ(GA)を組まれている場合、パーティ全体でのアクション・成果を加味した上での判定となっております。
今回の追加行動点は「+3点」となります。

柚月 思惟(SAM0072781) 様
渡会 千尋(SAM0073208)様
風間 玲華(SAM0001555)様
シルヴァーナ・テニエル(SAL0020038)様
ミモザ・アルティスト(SAL0069700)様
成神月 鈴奈(SAM0038657)様
世良 潤也(SAM0000323)様
アリーチェ・ビブリオテカリオ(SAL0018468)様
邑垣 舞花(SAM0037114)様
ノーン・スカイフラワー(SAL0040888)様
影野 陽太(SAM0071144)様
エリシア・ボック(SAL0071203)様
四柱 狭間(SAM0050876)様
ろぼ子・クロウカシス(SAM0053285)様
ルゥゼリァァナ・クロウカシス(SAL0056568)様
天峰 ロッカ(SAM0000564)様
クロエ・クロラ(SAL0029720)様
三雲 封真(SAL0024933)様
天峰 真希那(SAM0006655)様
リーオ・L・コルネリア(SAL0029735)様
壬生 春虎(SAM0060218)様
ルーテンシア・ウォン(SAM0057458)様
ミカファール・アルモニー(SAL0062276)様
ヴェリーヌス・マキュラ(SAL0066354)様
佐藤 一(SAM0036648)様
佐藤 花(SAL0071353)様
別府 シエン(SAL0049190)様
藤田 一星(SAM0070059)様
マヨル・プルウィウス(SAL0072432)様
火屋守 壱星(SAM0072859)様
晴海 志桜里(SAL0073382)様
薬研 心乃(SAL0073824)様
金剛 楓夏(SAL0073581)様
ガレット・マクレガー(SAL0073721)様
養藤 祥花(SAM0073149)様
クロウ・クルーナッハ(SAM0000526)様
アルヤァーガ・アベリア(SAM0013527)様
灰崎 聖(SAL0038053)様
諏訪部 楓(SAM0002763)様
エリカ・クラウンハート(SAM0057001)様
天弓 瑠紫愛(SAM0072814)様
春夏秋冬 日向(SAM0073155)様
綾瀬 智也(SAM0039884)様
エレナ・フォックス(SAL0040441)様
焔生 たま(SAM0003964)様
砂原 秋良(SAM0057159)様
騎沙良 詩穂(SAM0071206)様
アーニャ・エルメルト(SAL0072342)様
ロザンナ・神宮寺(SAL0072344)様
乙町 空(SAM0027375)様
ダヴィデ・ダウナー(SAM0072724)様
長月 由鶴(SAM0072804)様
朝霞 真璃(SAM0073015)様
泡瀬 鈴蘭(SAM0073018)様
楼野 ミゾレ(SAM0073206)様
桐ケ谷 彩斗(SAM0032241)様
リズ・ロビィ(SAM0005537)様
池田 蘭(SAM0063147)様
縫原 千景(SAM0070803)様


以下はPC個人単位での判定となっております。

■アイテム「流派特装交換券」
※「流派特装交換券」はシナリオ功績でのみ配布される、交換用のチケットアイテムとなります。

風間 玲華(SAM0001555)様
成神月 鈴奈(SAM0038657)様
壬生 春虎(SAM0060218)様
クロウ・クルーナッハ(SAM0000526)様
遠近 千羽矢(SAM0021630)様
焔生 たま(SAM0003964)様
シャーロット・フルール(SAM0071244)様
乙町 空(SAM0027375)様


★今後の神州扶桑国について

七難会との戦いは決着がつきましたが、扶桑のマガカミが滅びたわけではありません。
今後も六明館学苑の修祓隊としての戦いは続きます。

2020年夏中に後日談シナリオ、もしくは免許皆伝の試験シナリオ(あるいは両方を兼ねた内容)がリリース予定です。

その後の展開については、続報をお待ち下さい!


★新シリーズについて

裏世界の新シリーズが2020年8月に開始予定となります。
しばらく時間は空きますが、8月の新世界開始に向けて調査クエスト等で情報を公開予定です。
こちらもお楽しみに!



最後に今回のリアクションを執筆したマスター陣からのコメントをお送りします。


【1】荒天の術を解除する  担当:陽下 捻

【1】荒天の術を解除するパートを担当いたしました、陽下 捻でございます。
碧斗師範の援護こそあるものの、完全に自分のフィールドで好き勝手する湊と当たるというタフなパートでしたね。
雨水や川の水、雷を利用しようにも、常に相手のほうが上手という状況で、どう攻めるかを考えるのは難しかったと思います。
基本的にボスバトルは攻め攻めの押せ押せで、うわあボスかわいそうだよおという描写になりがちです。
今回は特に霊符・河伯による防御力の強化があった分、いつもより攻撃的なアクションが多かったような気がします。
倒しに来たのですから、それは当たり前なのですが、今回は様々な制約がある中で、工夫を凝らした戦法を取った方が大きく戦況を動かしたと描写しました。
攻めるところまではいけても、倒しきるのは困難というのが湊の特性でしたが、多種多様な手段を用いて攻めきれたのは見事という他ありません。
それでは、この度は当シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
またの機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。


【2】焔を倒す 担当:卜部イ蔵

 神州扶桑国では夢幻に揺蕩う灯火ぶりになりますでしょうか、『禍神伝 完結編【2】』を務めさせていただきました卜部イ蔵です。長きに渡る七難会との因縁の決着とのことで担当するなら責任重大だ、と手を震わせたのを覚えています。

 こういった和風モチーフの世界観は非常に好きだったため、前回も含めこうして携われたこと大変嬉しく思いました。

 勝敗がそれぞれのパートに影響しあうシナリオでしたが、焔は無事皆様の力で討伐することができました。一織流という人の技術に拘るマガカミというのを自分なりに表現したつもりですが、楽しめていただけていれば幸いです。

 この度は禍神伝 完結編にご参加いただき誠にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしております。それでは。


【3】霊子兵器の制御権を奪う
【4】九厄・宿儺との決戦  担当:藍野りんどう


【3】【4】パートを担当させて頂きました、藍野りんどうと申します。
とうとう禍神伝のクライマックスということで、力の入ったアクションを沢山拝見し、どのようにリアクションにしていくか悩みながらも精一杯執筆させて頂きました。
枢と宿儺は全くタイプの違う敵で、執筆中は悪戦苦闘や試行錯誤が多くありました。
どちらも方向性は違いますが難度の高い相手でしたので、思うようにいかなかった方もおられるのではないかと思います。
個人的には一対多数の戦いって難しいな……としみじみ思う部分もあり、まだまだ精進が必要だと感じました。
そんな中でも、少しでも「この敵やばいな」「この野郎!」とか隊士のみんな頑張ってるな、なんていうのが伝わるような物語を描けていたらと思います。
この度はご参加ありがとうございました!
そしてお疲れ様でした!
また神州扶桑国やどこかの世界でお目に掛かる機会がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。


【5】区民の避難誘導  担当:やまぐちたけし

今回【5】を担当しました、やまぐちたけしと申します。
普段はビギナーズトレーニングなどを担当しています。
ご参加いただきありがとうございました。また、大変お疲れ様でした。

【5】では区民の避難誘導とのことで、悪天候の中、そしてマガカミや霊子兵器の危険もある中でしたが、
様々な状況を想定したバラエティに富んだアクションでしたので、それぞれのアクションを確認するのが楽しいパートでした。
特にGAを組まれた方や、LCやフェローと参加された方々は役割分担をきっちりしている方が多く、
アバターの特性をよく考えられていたり、キャラクターの性格がよく分かったりして特に楽しかった印象です。

区内の人々はある程度状況を理解しているため、今回【5】では大きな混乱は起こりませんでしたが、
それは区民が学苑関係者などであるということだけではなく、参加いただいた修祓隊の皆さんの懸命な救助や避難誘導、
心身のケアがあってこそでした。
それは、今回【5】に参加いただいたほとんどの方が「普段お世話になっている関係者の人々、町の人々を守りたい」との気持ちを持って、この任務に当たってくださったからだと思います。

今回の【5】を通して、隊士たちのマガカミ討伐や学苑生活以外の、普段の生活・地域住民との交流というバックグラウンドを感じました。
いつかそんな隊士たちと地域住民との何気ない生活も覗けたらなぁと思います。

それでは、皆様ご参加ありがとうございました。
かけていただいたアクションが少しでもリアクションとして返せていたならば幸いです。