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レヴァナント・クロニクル 王都決戦

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レヴァナント・クロニクル 王都決戦
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〈大聖堂の戦い(2)〉


 ヴェイロンガードがロザリアたちの突破を阻もうとするが、すかさずブリギットが立ちはだかる。
「邪魔をするな」
 ヴェイロンガードは豪速で剣を縦横に振るい攻め立てたかと思いきや、ブリギットを盾で殴り飛ばした。
 ブリギットは天賦の才でどうにか立ち上がり、特殊な呼吸法で傷を癒しながら大剣を構え直す。
 衛司は祭器を手にヴェイロンガードの動きを窺うが、その彼にダークエルフの銃口が向けられた。
 精霊の加護を受けた状態でアリアが駆け出そうとすると、詩歌は急いでアリアの剣に加護の神聖術を施し、
「銃口が向いたからといってそっちから魔力弾が飛んでくるわけじゃないから注意してね」
 と持てる知識の限りを尽くして助言する。
 アリアは軽く頷き剣を抜くものの、ダークエルフは彼女の間合いには到底入らない窓枠の上。
 嘲笑を浮かべるダークエルフは狙撃銃の引き金を引いた。
(危ない!)
 詩歌はつい咄嗟にアリアの前に光壁を出すが、彼女自身が口にしたように魔族のマギアシューターにとって引き金を引くのは術式発動の合図でしかなく、しかも彼らは生命力を感知する力に長けており標的の誤認も誤射もそうそうしない。
 アリアの屈強な肉体はどうにか致命傷を避けたものの、いくらアーシーと魔力を共有してるにしてもそう時間は掛けられない程の深手を負った。
 生命力でアーシーの位置や動きを察知しているダークエルフは当然彼の事も見逃さない。
 今度はアーシーがダークエルフの餌食になる。
 防御も回避も難しい銃撃を受け、アーシーはうつ伏せに倒れた。
「何だ、存外呆気ない」
「そんな……っ。でも、誰も死なせるわけにはいかないもん!」
 涙声で口走りながら二人の元に駆け寄る詩歌に、ダークエルフは銃口を向けて戦いを終わらせようとする。
 詩歌たちは窮地に立たされたかに思えた……が。
「何だ!?」
 突如ダークエルフの足元からズンと土の錐が生えたかと思うと、今度はその錐から発せられた重力波がダークエルフの動きを鈍重にする。
 錐は窓枠に届かないが、錐が発する重力波は辛うじてダークエルフを射程に捉えていた。
「……我ながら情けない様だが、請け負った以上負けるわけにはいかぬのだ」
 呻き混じりに聞こえた声に、ダークエルフははっとアーシーを睨む。
 うつ伏せに倒れているアーシーの杖先が、いつの間にかダークエルフに向いていたのだ。
「出来れば攻撃が入る前に先手を打ちたかった……無論、難しいと分かっていたがな」
「おのれ……!」
 想定外に強力な重力波に、ダークエルフは初めて焦りを感じる。
 アーシーもアリアと同様に精霊の加護を得ており力が増していたのだ。
 アーシーが時間を稼いでいるうちに詩歌は二人の傷を順に癒し、アリアはアーシーと連係して彼の魔力を取り込むと剣を大剣に変えた。
 そして、渾身の水流をダークエルフに叩き込む。
 精霊の加護に加えアーシーの力を借り、更に水の加護を持つコートの力も得ての水流だ。
 これを躱す事はダークエルフにも出来なかった。
 彼はアリアの水流に呑まれて窓枠から落下し、床に激しく叩き付けられる。
 ダークエルフはまだ息があるようだが、到底動けそうにない。
「撤退してくれないかな……出来れば殺したくないから」
「あーあ、本当に甘い世界なら皆救えて幸せになれるのに……」
 詩歌とアリアは複雑な面持ちでダークエルフを見つめた。

 ダークエルフの敗北にヴェイロンガードが僅かに動揺を見せる。
(今だ!)
 ここまで機を待ち続けた衛司が祭器に強力な輝神の加護を施し、ヴェイロンガードに投げつけた。
 ヴェイロンガードは剣で祭器を弾くが、祭器が纏う輝神の加護のせいか剣に亀裂が走る。
 瞠目したヴェイロンガードにブリギットが一足飛びに掛かった。
 左手の薬指にはめた指輪から衛司の「行け」という声が聞こえるような……そんな感覚を覚えながら。
 彼の想いに応えようとブリギットは大剣の斬撃性能を最大限に生かし横薙ぎに払う。
 一撃、二撃とヴェイロンガードは盾で凌ぐが、大きく振りかぶった本命の三撃目で盾を両断され、迸る血と共に膝を着いた。
 それでもヴェイロンガードは剣を支えに立ち上がる。
 人族ごときに負ける筈はない、と。
 衛司はヴェイロンガードに弾かれた祭器を急いで拾いに走ると、強力な神裁術式を発動させた。
 聖なる光の集束に突かれ、ヴェイロンガードは仰向けに倒れた。

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