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亡界のロストチルドレン~完結編~

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亡界のロストチルドレン~完結編~
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■エピローグ■


 ブランク各地で起きていた子供同士の争いは沈静化
 暴走をしていたテュポーンたちの多くは倒され、残った者も散り散りになって逃げていった。
 更に蘇ったピオ、その援護に当たっていた一つ目も倒され、
 被害を受けながらもジャガナタも無事に倒すことに成功。

 そしてブランクを一度滅ぼさせた張本人であるマリス
 過去、そして現世の両方で特異者たちによって倒された。

□□□

 ブランク、残ったスポット周辺。

 散らばっていたタクミ、ランファ、トーマス、メロディア
 特異者たちと合流していた。

「マリスを倒したんだね! さすがだよ皆!」

「まだ終わってない。ランファ、ペンダントは」

 喜ぶトーマスを制してタクミがランファに問いかけると
 ランファは握り締めていた手を開く。そこにはペンダントが確かにあった。

「これ、ランファのたいせつなものなんだよね?
 ほんとにてばなしていいの?」

 メロディアが心配そうに尋ねる。

「ええ。このペンダントを使って別の未来を作る。
 それが私の選んだ道よ」

 ランファは過去で出会った父から聞いたとおり、
 ペンダントの中にあった自分達家族の写真を取る。
 すると周りのプラーナがペンダントに集まってくる。
 集まるプラーナは筋となりいくつもの架け橋のように見えた。

「こんなものかしら……そしたらフタをして。タイマーをセット。
 後はこのスポットに投げ込む、と。
 
 ……! 何か来るっ!?」

 ランファが叫んだ数秒後、一行はスポット内を見て驚愕する。
 消えかかりながらも、形容しがたい不気味な笑顔を浮かべるマリスの思念体がこちらに向かってきていたのだ。

「わ、たしは……人間を、進化、さ、せ、る……」

「言ったろ、過去になんか戻れないって。
 ランファ、撃て!」

 タクミに言われてランファはペンダントを投げる。
 投擲されたペンダントは自動的に加速し、マリスごとスポットの奥へと進んでいく。

「しん、か……」

 マリスの呟きも聞こえなくなるほどにペンダントは遠くに消えた。
 もう二度とブランクの世界には帰って来れないだろう。
 数十秒後、タイマーが発動しスポット内にプラーナが放出される。

「……キテマスキテマス! 変化ノ波ガビビットキテマス!」

 ピュータが顔部分を全力で明滅させて喚いた直後
 皆、大きな揺れを感じる。

「失敗か!?」

 何が起こるのかわからない状況に誰もが身構える。
 次の瞬間、タクミたちの脳裏に何かのビジョンが流れ込む。
 タクミの脳裏にはタクミに似た子供が父親らしき人とキャッチボールをしているビジョン、
 ランファの脳裏にはランファに似た子供が母親らしき人とショッピングをしているビジョンが流れる。
 それは別の未来を作ることに成功したという証だった。

 しばらくしてスポットが閉じる。
 それとほぼ同時に、トーマスから光の粒子が舞い、その体は徐々に薄くなり消えていく。

「トーマス、からだが!」

「うん。もうお別れの時間みたいだ」

 トーマスは少しだけ俯いて悲しそうな表情を浮かべるが、すぐに顔を上げた。

「正直、別の未来が作られてラーメン屋でバイトしてるって、全然実感ができなかった。
 でもさっきの映像を見て、実感できた。僕はラーメンの湯切りなら大したもんだと。
 そういう平和な世界で生きていけるんだって感じれてすごく安心してるし、嬉しいよ。

 これが正しかったのかは僕にもわからないけど……これだけは言わせてほしい。
 助けてくれて、ありがとう」

 そう言い残し、満面の笑みを浮かべた後、トーマスの身体は光の粒子となり消えていった。
 ほぼ同時に現世とヨミの繋がりもなくなった。
 こうして現世のブランクは早すぎる滅びを回避し
 誰もが笑顔で幸せに暮らしている別の未来を作り出すことに成功した。

「ウンウン、イイハナシデスネ…… ッテ、ウワアアアア!」

 ピュータの叫び声に振り返るとそこにはスポットに吸い込まれるピュータの姿があった。

「ピュータ! それにあれはスポット……?」

「……イイエ、コレハスポットデハアリマセン。
 別ノ世界ノハドウヲカンジマス……ッテ吸イコマレル早イデス!?」

「ピュータ!」

 助けに入ろうとするタクミをピュータは止めます。

「大丈夫デス! 必ズ帰ッテキマス!
 アイルビーバック、デース……!」

 
 片手を上げ親指?を上げながら大きく叫び、
 ピュータの体が綺麗さっぱり見えなくなると同時に
 スポットらしきものも消えていった。

■■■

 ワールドホライゾン、市長室。

「ブランクに、一時的に新世界へのゲートが開いたようで
 現地のロボットが巻き込まれた模様です。現在、そのゲートは閉じられています」

「報告ありがとう。ピュータってロボットよね。
 あの子ならどこでもタフに生きそうだし、ひとまずは大丈夫かしら。

 ……ブランクもすぐの“完全な消失”を回避できてよかった」

 クロニカ・グローリーの報告を受けて安堵したように胸を撫で下ろす紫藤明夜
 一呼吸を置いた後、明夜はクロニカに話を続ける。

「クロニカ、ブランクの越界聖具の調査はどうなってるかしら?」

「過去に干渉できるスポットが多数出現したことから
 ブランクに存在はしていると思われますが、場所の特定までには至っていません。
 
 ですので、引き続き調査を続けていく予定です」

「了解。越界聖具も気になるけど……新たに繋がった世界を放っておくこともできないわね。
 で、クロニカ」

 クロニカが「何でしょう?」と聞きかえす。

「このゲートから出てくる煙、何とかならないかしら?」

「それはヴォーパルさんに相談してください♪」

 やや煤けた明夜はため息をつく。
 しばらくの間、市長室の窓からはもくもくと煙が立ち上ることとなった。

 その煙こそが新たな世界の象徴の一つ。
 煙が渦巻き、機械、そしてマナと呼ばれる超常の力がある灰色の世界『ガイア』
 そこは、地球と非常に良く似た、しかしどこか異質な世界でもあった。

■■■

 ???。

「未来を作り、子供たちは生存した。結論が出た以上、ここに留まる理由はない」

 ブランクの行く末を見ていたシヴァは興味ない声色で呟いた。

「アグニ――トラヴィスも死んだようだが
 アグニのアバターは健在。事前に誰かに譲っていた、か」

 同時に他の世界も観測していたシヴァは手に持っていた書物を閉じる。

「あの男はよくやってくれた。ヤツを失ったのは大きな損失。
 ……が、もはや我々の計画に支障はない」

「【我々の計画】ではないだろ、礼儀知らずの悪党め。
 【是空様の悪の計画】と言え」

 突如現れた是空を、何だこいつといった疑問の目で見たシヴァだが、
 また別の世界へと動き出すのだった。

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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『三千界のアバター』運営チームです。
『亡界のロストチルドレン~完結編~』のリアクションをお届けします。

グランドシナリオではアクションの採用・不採用がございます。
不採用の場合はキャラクターはリアクション登場しませんので、ご了承ください。
ただし、アクションの不採用があるのは基本的にグランドシナリオのみとなりますので、ご安心ください。

リアクションの結果は以下のようになりました。
またあわせて、リアクションの結果下部に上昇した生存指数を記載しております。

★リアクションの結果
【1】数多くのテュポーンを撃破し各建物を防衛、また子供たちの争いも沈静化させた。
→+1.0%

【2】被害を受けたものの復活したピオ、一つ目、ジャガナタは倒された。
→+1.5%

【3】過去にてランファの両親を守り、今回のキーアイテムであるロケットペンダントを獲得した。
→生存指数の変動無し。

【4】過去にてメロディアを眠らせた後、マリスの試作バリアを突破してマリスを撃破した。
→+2.0

【5】過去のマリス撃破に伴いバリアが解除されたこともあり、現世のマリスも撃破される。その後、意識だけ飛んだマリスだが過去の自分が倒された影響で正常に過去に戻れず、脱出を試みるもそれも失敗、スポットの狭間を永延に彷徨うことになった。
→+5.0%

結果として、生存指数は「9.5%」上昇し
ブランクは完全な滅びを回避し、別の未来を作り出すことに成功しました!

こちらの生存指数の更新は来週中までに行います。

★ステータスアップ称号について
ステータスアップ称号の付与は来週中までに行わせて頂きます。
今回の該当者は、下記の方々となります。

天峰 ロッカ(SAM0000564)様
草薙 大和(SAM0007867)様
ジェノ・サリス(SAM0009643)様
小山田 小太郎(SAM0021218)様
イルファン・ドラグナ(SAM0021401)様
リーオ・L・コルネリア(SAL0029735)様
アードレア・クルセイド(SAM0031343)様
フォーゼル・グラスランド(SAM0032737)様
レイン・ウルフベル(SAM0034048)様
ズィキス・バルタ(SAM0039115)様
西村 由梨(SAM0039597)様
松永 焔子(SAM0040459)様
西村 瑠莉(SAM0051746)様
六道 凛音(SAM0053367)様
ラシェル・ロニセラ(SAM0063857)様



★新シリーズについて
新世界『ガイア』で展開する新シリーズ「ギアーズ・オブ・エタニティ」は5月18日(木)からの開始予定です。
チュートリアルクエスト、フェロー第一弾も同日リリースの予定です。
20日(土)にはトリガークエストのスタート、
また新世界の雰囲気をいち早く体感できるプレシナリオがリリースされます!
以降、新世界のクエスト、シナリオが順次発表となります。

称号やマスターからのコメントがある場合、最終ページ下にお知らせが表示されますので、併せてご確認下さい。
最後に今回のリアクションを執筆したマスター陣からのコメントをお送りします。

【1】担当:九里原十三里
 グランドシナリオにご参加いただきました皆様、今回もお疲れ様でした。
 今回はエリーを対応しつつ、テュポーン&ギガンティックを倒しつつ、反対派の子ども達を説得しつつ、今までに築いた拠点を守って……という大変なシナリオだったかと思います。
 そんな中で、自分はどう動くべきか、何を守りたいかを考え、アクションをしっかりと練っていただいた皆様には本当に尊敬の念を抱く次第でございます。
 中でも印象的だったのは、「自分はタクミには反対だけど子ども達の命は守らなければ」「子ども達がちゃんと未来を選べるように今は行きなければ」など、ブランクに生きる子ども達の立場に立って考えて下さった方が多かったことです。
 今回は「これからの事についてどういう決定をすべきか」という答えを出すのが本当に難しかったと思います。
 そんな中でも「まだ悩むところではあるけれど、これだけは」と、その現場で行動を起こすことが求められていたのがこの「ブランク」という世界だったのではないでしょうか。
 皆様の血肉の通ったアクション、本当にありがたく受け止め、反映させていただいきました!
 最後に、シリーズ最後までご参加いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
 九里原十三里でした!

【2】担当:羽野源一郎
【2】超巨大ギガンティックの撃破を担当しました、羽野源一郎です。超巨大ギガンティックの撃破、本当にお疲れ様でした。
今回はテュポーン、リージョンマスター、ギガンティックが入り乱れる戦場での戦いとなりました。
ガスを広域にばら撒くという厄介な戦法を取るジャガナタでしたが、皆さんガス対策をなさっていたので大きな支障も無く戦う事が出来たと思います。

ジャガナタだけでなく、ピオ、一つ目といった強力なリージョンマスターも立ちはだかる中、皆さんのアクションが連携に連携を呼び、畳み掛ける様な攻勢となりました。その結果、見事に敵を倒すことができました。

今回のシナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
またのご参加をお待ちしております。

【3】担当:山乃あそ
【3】ロケットペンダントを確保する、を担当させていただきました、山乃です。
 重要なアイテムであるロケットペンダントの確保という目的がはっきりとしているパートではありましたが、
皆さんランファの気持ちを思いやり、ラオシュンとファランの命を第一に行動している方がとても多かったです。
 勿論それが、結果的にペンダントの確保に繋がる良い結果に繋がることにはなるのですが、気持ちの籠ったパートだったなと。
 それでは、シナリオにご参加有難うございました。 
 また別のシナリオでお会い出来ましたら幸いです。

【4】【5】担当:やぅ。
いつもお世話になっております、【4】【5】パートを担当させて頂きました、やぅ。です。
皆様の、メロディア助けたい!! という想いが強く、心理面はともかく戦闘面がハラハラいたしましたが、無事にマリスも助けられて良かったなぁと思いました。
参加人数が少なめでしたが、アクションの熱意がすごかったです。ありがとうございました!!
それでは、また、お会いできた時にはよろしくお願い致します。