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亡界のロストチルドレン~完結編~

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亡界のロストチルドレン~完結編~
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■マリスに攻撃を■


(ボロボロでもいい、奴に全力の一撃を入れれるだけの状態を維持することだけを優先するんだ)
 無差別攻撃のレーザー光線も発射される数が少なくなり、その中をレイン・ウルフベルがブラッディブーストで脚力を上げ、フリーランニングで走る。
 真正面から向かう分、攻撃の餌食になるのは覚悟の上だが、壁を蹴り、天井を蹴り、不規則な動きは中々掴めるものではない。
 先ほどの佐倉の攻撃で、マリスのバリアが確実にない場所を知った。
 マリス対戦で厄介なのはあのバリアだ。しかし、幸いにも、この過去なら破壊できる可能性がある。
 研究さえ止めてしまえば、未来のバリアが不完全になる可能性がある。
「この戦いを終わらせるためにも全力で行かせて貰う!」
 マリスが防御行動を取る前に、レインはスマイトによる捨て身の攻撃――深紅に染まった巨大な鎌、クリムゾンアークに自身の血を捧げマリスを一撃をお見舞いした。
 太いレーザーの光がレインの胸を貫いたが、刃に触れた者は血流が乱れる攻撃を受けたマリスは膝をついた。
「っ! 少し、煩わしくなってきたわね……!!」

*  *  *


「そろそろテュポーンの数も減ってきたな。コロナ、そろそろだ」
「了解ですよー!」
 マリスは既に、他の特異者の攻撃によって弱まっている。
 大和達が溜めに溜めきった攻撃威力。
 外す事無く、確実に!
 2人はインスパイアで自身を振るい立たせ、更にお互いにお互いに勇気を怯まない心を与えていき、テュポーンを倒しながら、マリスに近付いていく。

「バリアはまだ生きてるわよ。それに、私が砲台操れなくなったからって、簡単に勝てると思ってるのかしら」
 バチッと音がして、バリアが再起動――いや、宮澤は弾き飛ばされ、それがないという事は、あのバリアは別物だ。
 身動きままならないだろうマリスは、その体勢のまま落ちている剣に腕を伸ばす。

 黒崎 大地は月光刀を手に、アースディフェンスでテュポーンやマリスからの攻撃を受け流し、彼女に近付く。
 どうにも動きがあやしくて、嫌な予感しかしないが、勇気のファミリア【レベル1】の存在が黒崎の後押しをする。
「馬鹿に刃物……」
 カモンベイビーの能力も使い、ぼそっと呟く黒崎。
 ギラッと鋭くなったマリスの目が黒崎を睨みつける。
 ごほっと、血を吐きつつ、剣を杖にして立ち上がるマリス。
 マリスの行動で生まれた数多の犠牲・無念を思い、インスパイアで自分を奮い立たせ、 
「どんな結果が待っているにしろマリス、お前には勝たせない。ツケを払ってもらおうマリス。ブランクを滅ぼした分をな!」
 黒崎は力強く、マリスの持っていた剣を弾き飛ばした。
 そのまま倒れるかと思ったマリスだが、倒れない!
 蒼炎の生存本能と紅炎の生存本能がある夏輝は、マリスが懐から出した拳銃を彼女が構える前にシークエンスチェーンによる具現化された鎖で弾き飛ばし、そのままマリスをぶっ飛ばした。
 そして放つ、クラインリング【ザ・リージョン【FA5】】の力。周囲に及ぶジャミング効果が放たれる。
 既にかなりダメージを負っているマリスにはこの攻撃も効く。
「歯を、食いしばれッ」
 がっしりと押さえ込み、ゲシュタルトブレイクによる球体化させたプラーナによる波状攻撃が続く。
「外道の末路は破滅だよ、マリス女史」
 力を使い果たした夏輝は――顔を押さえるだけ押さえて、血ひとつ出していないマリスを見て、さっき作動したらしいバリアは何処に張ったのかを悟る。
 ――――全身かもしれないが。
「アーユーレディ!」
 叫ぶは大和。
「わたしと大和さんのコンビネーション、そう簡単には破れないですよ!」
 大和の掛け声と共に、コロナはタイミングを合わせて破壊力の高いそれをマリスにお見舞いし、マリスごと地面を埋め込む勢いで周りを破壊しつつ、波紋を広げたその攻撃だが、マリスは刈り取るまでには至らない。
「攻撃する場所が解れば、そこを防げばいいじゃないの」
 全身を覆う方が楽なんだけど、とマリスは、レインに受けた傷はそのままに立ち上がった。
 だが身体は震えている。それは焦り、疲労、ダメージからなる震え。マリスとて追い込まれつつあるのは間違いない。

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