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亡界のロストチルドレン~完結編~

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亡界のロストチルドレン~完結編~
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為せることを為す

ブラック・ライトニングはストロベリーフィールズに来ていた。
それはストロベリーズに会うためだ。

「皆、いるかい?」

「……ああ、いるよ」

 ブラックの問いかけにブルーベリーが答える。

「姉さんと戦った直後で悪いけど、ブランクを守るために手伝ってくれないか?」

 ブラックが言うと、クランベリーやラズベリーも戦闘の準備を整えていた。

「そのつもりよ。このハイドホームは私達で守るわ」

 元々そのつもりだったらしいが、ブラックのおかげで
 他の特異者と連携し迎撃してくれることとなった。

「戦場……はすぐそこだから大丈夫か、じゃあよろしく」

 役目を終えたブラックはストロベリーズが協力してくれることを
 周囲に伝えまわって行った。

□□□

 春日 晄一朗鸞鳳 シゲンは自分達が色々と学んだ、三千界アカデミーBL校で作ったハイドホームに駆けつけていた。
 予想通り複数のテュポーンがいた。
 まずと、ファミリア【レベル3】を用いてテュポーンの弱点を探り、猛き炎の剣で斬り捨てていく。
 不意をつけていたのでまずは難なくテュポーンを撃退できた。
 その光景を見て、子供たちが晄一朗の元に集まってくる。

「シゲン」

 それだけ言ってシゲンを前に出す。どうやら子供はシゲンに任せる様子だ。

「ったく……まあまあお前ら落ち着けって。
 テュポーンはあいつが倒してくれるからよ」

 シゲンの言葉に晄一朗は静かに頷く。
 ここの子供たちは争いこそしていないものの、困惑してるようだった。
 ファミリアサーチと、デフラグメンテーションでそれをいち早く察したシゲンは
 より取り乱しそうになっている子に対して喋りかける。
「どっちに転んだって明日を生きてくのは変わりねえんだ。泣くより喚くより、畑耕す方大事だろ?よし、わかったらさ、怖がってる子を元気づけてこうぜ」
 その言葉に飾り気はないが、確かな暖かさがあった。

 シゲンの方は問題ないことを確認し晄一朗は少し離れる。
 エマージェンシーが、危険を察知し、前を見ればテュポーンの姿が見える。
 まっすぐ突っ込んでくる敵を晄一朗は、蒼炎の生存本能を燃やしつつ、再度弱点を見る。
 子供たちもテュポーンに気づく、と同時に晄一朗はインスパイアを使い
 子供たちの勇気を奮い立たせる。

「キシャアアアア!」

 襲ってきたテュポーンに対して、晄一朗はアブソリュートアライブで応戦し
 次々とテュポーンを打ち倒した。
 これを見た子供たちも勇気付けられ、共に戦う意志を固めたのだった。

□□□

 焔生 たまは空を見上げていた。
 もちろん、ただ見上げていたわけではない。
 今もこのブランクの世界の行く末を見ているであろう、シヴァに向けて言葉を紡ぐ。

「三千界の世界を一つにする、その計画の意味はなんなのでしょうか。
 そのメリット、デメリットは一体なんでしょうか」

 答えはない。が、たまは諦めない。

「聞いているのでしょう、三千界統合機関機関長シヴァ!」

 螺旋の咆哮に乗せた叫びは空を突き抜けていく。
 そしてぽつりと声が聞こえた。

「世界新秩序計画、そのメリットは『三千界の恒久的な安定』。
 そのためには管理が必要。問題なく統制・支配をすれば、
 三千界全てが秩序ある、安定した世界となる。

 既知世界の貴重物の全てを回収できない可能性がある
 という問題もあるがさしたる問題ではない。
 “本当に必要なもの”だけ拾えていればそれでいい」

 以降、シヴァは何も答えることはなかった。
 たまと一緒にシヴァの言葉を聞いていたネレーア・R・アルバス
 フールドリーマによって自問自答を繰り返してた。
 今回ブランクで指導者として振舞っていたのは
 世界統合時に起こるであろう争いや淘汰に対して生命は新たな歩みを進められるか、それを自分の手で導くことができるのか。
 だが今の言い分を聞く限りそうではなさそうだ。
 ネレーアの自問自答は続いていく横で、たまもまた受けた答えを自分なりに噛み砕き、考え始めてみるのだった。

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