【将を射んと欲すれば 2】
相手が何か仕掛けてくる、
デューン・ブレーカーは【感応】でそれを察知した。
「なにかきます! 皆さん気をつけて!」
秋良たちに伝えると、自身は【一心同体】でファミリアと心をひとつにした。
デューンの予想通り、ジャガナタはプラーナを放射してきた。
水無月 萌は【方違え】で、デューンは【ファミリアシュッツ】で威力を減衰させようとした。
「くっ……! 伊達じゃないわね、この威力……」
激しいプラーナの奔流が防御を破り、萌たちにダメージを与えた。
「こんなくらいじゃ、やられません!」
傷つきながらも、デューンたちは体勢を立て直した。
「このくらいの傷……!」
秋良はプラーナを回避しようとしたが負傷し、『ライグナイト』【FA5】のファミリアアビリティで傷を焼いた。
【アームディフェンス】で防ごうとしたグルーもダメージを受けた。
「すぐ治しますから!」
「ぐぁっ……悪い、世話をかける……」
デューンが『カソックコート【FA3】』のファミリアアビリティで治療した。
「ジャガナタの攻撃……やはり、厄介だな」
皆の戦いの様子を見ながら、
ラムサス・ウォンは『銀蜻蜒』のファミリアアビリティで速度を、『槌ネ虚』のファミリアアビリティで回避能力を高めた。ジャガナタと戦いやすくする為には一つ目とピオを倒さなければならない。ラムサスは一つ目に立ち向かった。
ティムキン・サリバンも【アナライズ】でピオの動きを分析した。『ライグナイト【FA5】』と『プラーナストリーム』で戦場に漂うガスを防ぎつつ、ティムキンはピオに向かった。
「ふ……また一つ目と戦う事になったか」
陽動に出たラムサスの姿を見ながら、
アベル・ゲゼルも準備に入った。
「前みたいにぶっ飛ばされないように……こんなこともあろうかと」
アベルは以前の戦闘の様子を『ロートルデバイス』に記録していた。『サンクラシャン』を被り、物陰から様子を窺う。
アベルは【コールドリーディング】を以て一つ目を観察した。過去の記録と、今の一つ目の所作を元に、ラムサスへ指示を飛ばすのがアベルの役割だ。
「さあ、頼むぞ……。ラムサス、石化光線がくるぞ!」
スモールアニマルテイマーの【チャネリング】により、アベルの指示がラムサスに届いた。
「了解! さあ、こっちだ!」
『蜻蛉の機械翅』で一つ目の頭上を飛び回って回避すると、ラムサスは【カモンベイビー】で挑発した。
一つ目は振り払うように攻撃してきた。
それをラムサスは【エマージェンシー】で感知し、
「当たらなければどうということはない!」
高めた速度と回避能力をフルに使って回避した。
「ジャガナタ達を止めねばブランクに新たな未来は来ぬ……」
『獣皇六翼』を使い、空中から
六道 凛音が現れた。
「リヒトシャテルンの皆。未来の為、協力頼みますぞぃ……」
共にやって来たカレン、ゲーニー、大和、ジェフが次々と攻撃を繰り出す。彼らが一つ目の注意を引き、凛音は『マハトマダガー』のFA能力を使用して、衝撃波を飛ばした。凛音たちは、一つ目を絶え間なく交互に攻撃していった。
一つ目からの反撃を凛音は『マハトマローブ』の装甲で防いだ。
「なかなか、骨のある敵じゃな……」
更に一つ目の前に、
ペトラ・ピグリツィア、
ヒュブリス・アロガンシアと共に、
柴田 健司が現れた。
「やぁ、前回はしてやられたねぇ、おかげでヴィーナスさんにみっともない姿を見られちゃったねぇ。だから、仕返しだねぇ!」
「皆で新たな世界を見極めるのじゃ……」
リヒトシャテルン達や凛音と協力して、健司たちは一つ目を陽動し始めた。
「ッ!」
一方、【エマージェンシー】を発動させていたティムキンはテュポーンの攻撃を回避すると、再度ピオに突っ込んだ。迎撃しようとするピオの攻撃を【受け流し】つつ、纏わり付こうとした。
だが、ピオの攻撃はすさまじく、裁ききれない。
「その為に、防御を固めているんだ!」
ティムキンは『トータスガントレット【FA3】』の力で守りを高めている。多少のダメージを無視しつつ、ピオに肉薄した。