三千界のアバター

ユーラメリカ

Unlimited Heroes~完結編~

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Unlimited Heroes~完結編~
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■プロローグ■

 ――デルタシティ、ヒーロー連盟ビル

「ヒーローチャンネルのリポーター、佐藤 七佳です。コトネさんやミネヤさんは今回ヒーローとして現場に出ています。今回は私が代わりに現場から中継をお届けします!」

 ヒーローチャンネルの見習いリポーターだった七佳は、コトネ・カッシーニミネヤ・ホソギといった主要リポーターが今回ヒーローとして参加する事と、今までの働きが認められて正式なリポーターに抜擢されていた。

(各戦場に乗り込みたいのはやまやまですが……身体は一つしかありませんからね)
「デルタシティに接近するダイナソアブロイラー、上空に突如現れた空中要塞ビッグディッパーですが、ご安心ください。ヒーロー連盟(ソサエティー)のヒーローたちが、この未曽有の危機を救ってくれます。皆さんはヒーローたちを信じて、ヒーローたちの誘導に従って避難してください」

 カメラワークは空中要塞ビッグディッパーに向かうヒーローや落下を遅らせるヒーローを映し出している。
 市民も今回ばかりは混乱しているが、この画像を見ればきっとヒーローたちの姿に勇気づけられ、混乱も収まると七佳は思っている。

(それだけではありません。この放送を見た次世代の若者達に己の中にいる英雄……ヒーローを見つけ、道を踏み外さずに行けると信じています)

 七佳と同じようにヒーローたちの勇姿を人々に見てもらおうと動く【皆でヒーローやっちゃおう!】達がいた。
 ヒーロー連盟ビルへ急行した白銀 銭子は、八代目Miss.アルティメッツとして出撃前のアイゼン・ハワード市長を捕まえる事が出来た。

「以前千桜 一姫たちが使用した避難勧告警報塔の使用許可と、出来りゃ遠隔でも使える機材や協力も欲しいかね」
「避難勧告警報塔は使用して構わないワ。遠隔でも使える機材は、emergencyだから、具体的に「コレ」と言ってくれないと、用意できないワネ」
「市民はメイプルキングダムに避難するんだろ? 放送や声を貰えることになりゃ、そっちからも通信できなきゃ、って話だ」
「現場にはヒーローチャンネルのリポーターを向かわせるカラ、声などは拾えるはずヨ」
「この一大事、今やユーラメリカ中のヒーローが一丸となってる。ヒーロー達はただただ、世界と人々を守りたいって今、全力を尽くしてんだろ」
「ンン? wait、どういう事?」
「人々には勿論安全な場所で、ってのは当然の話しなんだがな。メイプルキングダムに退避してもだ、ヒーロー達が負けちゃ、ジリ貧、だろ? そりゃ、だめだ。だから限界以上の力をだせるようにしたいのさ」
「それは分かったワ」
「それが、市民の応援する声を、ヒーローたちにも届けることらしいぜ。ヒーローも市民も。ユーラメリカ全員で、だ。全員一丸になって、世界を守ろーじゃねーの?」
「残念だけど、ユーラメリカの都市国家はそれぞれが独立していて、連絡手段が限られてイルノ。勘違いしていたら正すために言うケド、ユーラメリカ全員、というのは無理ヨ。デルタシティの人々の声を届ける、ということでOKね」

 銭子たちの計画は壮大だが、ユーラメリカ全体に配信する手段がない以上、それはデルタシティ内に限られる。
 それでよければ、とアイゼン市長はOKを出した。

 使用許可が下りると、その後の動きは速かった。銭子はヒーロー連盟ビルの前に【サーヴァント防具・移動会議車】で待機していたカリュー・ノーウッドと合流すると、秘密基地の通信機能を使用して、避難勧告警報塔に既に向かっている柊 エセル千桜 小夜たちにその旨を伝え、準備を進めてもらう。
 しかし、ここで一つ困ったことが起きた。カリュー以外、連絡手段を持っていなかったのだ。秘密基地の通信機能はカリューから仲間に連絡をし、その返信を返す事は出来るが、カリュー以外から連絡を取る事が出来ないのだ。
 そのため、清澄の唄声を持つダイナマイト・A・A・Aが各所との調整役として飛ぶ事になった。
 また、カリューはヒーローたちへのメッセージの受付口として、電話、メール、SNSなどに窓口を作成していたが、避難中の市民にそこまでの余裕はないし、悪の秘密結社ネオ・デスクライムの工作員などに通信基地などが破壊されてしまうことも考えられる。

「みんながヒーロー? 燃える展開ウサよ! いっちょやってやろーじゃないウサ!」

 避難誘導をしながら人々の声を拾うラヴィ・パンキッシュだけではなく、七佳や、丁度コトネやミネヤ、メイプルキングダムの女王フェリア・M・ベルベットローズの声を街頭ディスプレイを利用して届けようとヒーローチャンネルのオフィスに来ていたフェイシア・ピニンファリーナの協力を得て、人々から直にコメントを集めることにした。


 ――デルタシティ、避難勧告警報塔

「よし、調整完了――放送準備よし! マイクの準備もオッケーだよ、メッセージもどんとこいってね!」

 避難勧告警報塔でセッティングをしていた小夜がOKを出す。

「いまヒーローたち、超超超頑張ってます!
 あのおっきなものを押し返すために! デルタシティを、ユーラメリカを、みんなを、守るために!

 ヒーローは人々を救うものです。
 けれど、今みたいにヒーローが窮地に立たされた時、誰がヒーローを助けてくれるのか。

 そんな時はみんなが助けてくれるって、私、信じてます!

 文字通りデルタシティの“みんな”です!
 デルタシティに限らず、例えば恐竜さん、魔法少女、機械な人、身体すら持たない人達!
 あるいは元evil。現evilだってその時になればきっと――必ず!

 ……誰かを救えちゃうなら、それってもうヒーローですよね。

 力を持っている人達に、お願いがあります!
 あれを押し返すために、力を貸してください!そして――

 私達とみんなで、一緒に“ヒーロー”になってみませんか!!!!!」

「ヒーロー達は今、力を併せて、頑張ってる。
 このデルタシティを……そして皆を、守るために、全力で。

 それは、ヒーローの理想の姿。
 だけど彼らだって、この未曾有の危機に心が折れるかもしれない。

 だから、ヒーローじゃない、貴方達の力を、貸して欲しい。

 彼らは、志を持って戦ってる。助けたい、守りたいという、想い。
 それは決して折れない何かであるけれど、それでも――限界は、ある。

 けれど、みんなの声援があれば――ヒーロー達は限界を、越える。

 あなた達だからこそ出来る、彼らの心を震わせる、尊い力。それを、送ってほしい。

 皆も、自分達と一緒に――”ヒーロー”に、なってみよう」

 エセルと千桜 一姫の声が、デルタシティ中に響き渡った。
 それは市民たちを励ます声となり、ヒーローたちを元気づける後押しとなり、極光帝国や悪の秘密結社ネオ・デスクライムへのけん制に一石を投じることとになった。

 デルタシティの命運をかけた戦いが、この一声から始まったのである。


■目次■


1ページ プロローグ・目次

【1】避難誘導を行う
2ページ ■まずは敵を蹴散らして道を作れ!■
3ページ ■避難誘導を導くため■
4ページ ■先頭はエンジェル・ブーケ■
5ページ ■避難戦隊ニゲルンジャーは走り回る■
6ページ ■悩む心は自分の場所を確保できたのか■
7ページ ■スフィア対策とスコルピオズ対策■
8ページ ■女王は象徴。穏やかな堅い守りの中に■
9ページ ■病院にいる怪我人は動けるか否か■
10ページ ■シェルター内の混乱■
11ページ ■避難民の最後尾■
12ページ ■シンガリを守るはナイトウォーカーズと鐵の双壁■

【2】那由多空間発生装置を破壊する
13ページ 対テニメントファンスター(1)
14ページ 対テニメントファンスター(2)
15ページ 対スケアクロウ
16ぺージ 対バタフライファントム
17ページ 対ディメンション・ジョーカー
18ページ アンチジョーカー
19ページ 対偽ビューティフル・シュガー

【4】落下を遅らせる
20ページ 接近する脅威
21ページ 集うヒーロー達
22ページ 散り合う敵意
23ページ 死力を尽くせ

【5】タイル・影山を倒す
24ページ 突入、ダイナソアブロイラー
25ページ 量産型メガトンボンブ
26ページ 百万の星のように
27ページ タイル・影山捕獲作戦
28ページ オダマキ
29ページ サンクトアルマ
30ページ リアン・インフィニティ
31ページ スターゲイザー
32ページ 戦いへと挑む者たち
33ページ モブリーズ
34ページ EM華撃団 1
35ページ EM華撃団 2
36ページ ヴィガ・ラドクリフ

【3】空中要塞を攻略する
37ページ マザーエンプレス・フォートレスモード
38ページ マザーエンプレス・スカウトモード1
39ページ マザーエンプレス・スカウトモード2
40ページ 空中要塞ビッグディッパー内部攻略
41ページ マザーエンプレス・デストロイモード1
42ページ マザーエンプレス・デストロイモード2
43ページ 機械と人間
44ページ 女王と世界
45ページ 決着

46ページ エピローグ1
47ページ エピローグ2
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