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大和妖奇譚 ―妖魔行―

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大和妖奇譚 ―妖魔行―
リアクション
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■エピローグ■



“突如京に出現した妖魔”鵺と、式神「ヤマタノオロチ」は、辛くも討伐された。
 強力な手駒を失った大嶽、茨樹童子共に、一旦撤退する事になった。

 だが、その裏であったもう一つの戦いを知る者は、誰もいない――。

* * *


 ――ワールドホライゾン庁舎、司令室。

「大和にて、強力なエネルギー反応を確認」
「パターンは?」
 バイザーの下で分析を行っていた三千界の鍵守ヴォーパルは、重々しく口を開いた。
「……越界聖具“覇道弓”神忌(かむい)です」
 その聖具の名に、紫藤 明夜は驚愕した。
「あれは確か、封印されたはずよ!? あの聖具をまともに扱える者なんて、いなかったはず」
「神忌は、射抜いたものを“存在ごと消滅させる”力を持っています。文字通り、三千界にとって都合の悪いものを、誰にも知られることなく消す、『神もが忌む』聖具。
 ですが、使用者には消滅させた膨大記憶、記録が流れ込み、その重圧はとても人が耐えられるものではありません」
 ヴォーパルが告げた。
「大和における十五年前、エクソダスや六鬼衆襲来に前後して、同じ波長の……それでいて、もっと大規模なものが確認されたわ。
 今の神忌の所持者はが、“まともじゃない”のは確かね。人を殺す事を何とも思っていない、なんていうレベルじゃない。もっとおぞましい何かよ」
 明夜が忌々しげに吐き捨てた。
 そして、過去に同じ事象があるということは、同じように“存在を消滅させられた何か”があるということだ。
「六鬼衆の出現と、何か関係がありそうですね」
 クロニカが明夜へと視線を向けた。
「そうね。それに……ホライゾンのATD所持者ではない、特異者の反応を大和で確認したわ。いつかのアドウェルスとは違う、“本物”のATDの。
 クロニカ、神器の分析、急いで頂戴。特に、神璽の方は私としてもちょっと気になる事があるの」
「はい」
 大和で行われた神器争奪戦。三つのうち二つが今、ホライゾンに預けられている。
 いずれは帝に返さなければならないものだ。
 だが、正体の知れぬ特異者が動いているとなれば、今はここに置いておくのが一番安全だろう。

(いくら鬼とはいえ、神忌を扱えるのかしら? 委員会の刺客……少なくとも、聖具適性を持つ特異者は限られている。けれど、私が知る限り、あれを扱える者はいない。だとすると……)
 明夜は静かに呟いた。

「ヴォーパルだけでは足りなかったみたいね。いよいよあちらも本腰を入れてきた、ということかしら」

 わずかに掴んだ、“真の敵”の痕跡。

 大和での戦いは、まだ終わらない――。


【大和妖奇譚 第玖話へ続く】

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担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

『三千界のアバター』運営チームです。

大変お待たせいたしました。
「大和妖奇譚 ―妖魔行―」のリアクションをお届けします。

今回も多数の参加者がございましたので採用・不採用がございます。
大変申し訳ございません。
ただし、アクションの不採用があるのは基本的にはグランドシナリオのみとなりますので、
ご安心ください。

リアクションの結果は以下のようになりました。

【1】鵺の討伐は辛くも成功。検非違使は全滅ではないが、半数近くが失われる。
【2】芦谷導満の元に辿り着くが、彼を倒しきる事は敵わず、現れた茨樹童子によって“存在ごと”消滅。大和の人々だけでなく、特異者の記憶からも消えてしまった。
【3】式神「ヤマタノオロチ」の撃破には成功。しかし、大嶽は仕留められず。
【4】避難は無事に行われ、妖魔も掃討された。
【5】十五年前の六鬼衆襲来にまつわる資料の大半は、藤原 不知火によってほとんどが接収済みである事が判明。また彼は、坂上 武と鬼同丸の戦闘の場に居合わせていた。
そして現在、水面下で何らかの動きを見せている。

また、トリガーシナリオの結果ですが、

「土蜘蛛の怪」:土蜘蛛は神剣・都牟刈によって再生能力を失い、その隙をついて倒される。
「幽の桜、夢幻の妖女」:津久紫の人々にかけられた幻覚は神鏡・八葉の力によって解かれ、橘 繁貞を支配していた幽桜は特異者によって破壊される。
「封魔忍法帖」:神璽の奪還に成功。四頭目は“震撃”の徹斎が倒され、奈張の長、藤林 玄蔵の元に下る。また、他の三人の術の特性についても判明。


大和妖奇譚の後半となる、トリガークエスト「大和妖奇譚 第玖話」は、10月25日(金)に公開予定となっています。
また、後半のトリガーシナリオも順次始まる予定ですので、引き続きお楽しみ頂ければと思います。


最後に今回のリアクションを執筆したマスター陣からのコメントをお送りします。


【1】鵺と戦う 担当:ウケッキGM

お初の人もそうでない人もこんにちわ。ウケッキです。
今回初のグランドシナリオ参加となりました。
不慣れな所も多かったと思いますが楽しんで読んでいただけたら幸いです。
それでは今回はこの辺で。

【2】北の山寺へ突入する 担当:逆凪まことGM
【5】その他       

はじめましての方ははじめまして、二度目以上の方はまたお会いできまして光栄です。
【2】【5】パートを担当させていただきました、逆凪まこと、と申します。
今回も、とてもバラエティ豊かなアクションを楽しませていただきました。
特に、山寺へ至る道中は、随分賑やかなものとなりました。

ただ今回は、非常に勿体無いことに、ダブルアクションとなってしまうものや
具体的な手段の記載がなかったり、といった点が多かったこともあり
特に導満との対戦に関しては、人数の偏りなどもありまして
リアクションの通り、時間切れ、という厳しい結果となってしまい、残念です。
この結果を抱いて、次へと挑んでいただけましたら幸いです。

さて、大和の物語も、後半への突入となりました。
この結果が次回にどう繋がるのか、ご想像いただきつつ
またお会いすることができましたら、よろしくお願いいたします。

【3】ヤマタノオロチに挑む 担当:森水 鷲葉GM

ご参加いただきありがとうございました。

こちらのパートでは、ヤマタノオロチとの戦闘がメインでしたが、
「八つの首を同時に落とす」という正しい方法に気づいていただけたため、
無事に、ヤマタノオロチを倒せています。

リアクションにありましたとおり、
避難をしている人々にヤマタノオロチによる被害が出なくてすんだのは、
PCの皆様のご活躍のおかげです。

それでは、今後も何卒よろしくお願いいたします。


【4】近隣住民の退避 担当:星積 椿GM

【4】パートを担当させていただきましたGM星積 椿です。
避難誘導をされた皆様、お疲れ様でした。
鉄板のアクションから一風変わったアクションまで、甲乙付けがたい様々なアクションがあり、選ぶ立場としては非常に頭と胃が痛かったです。
採用された方も、そうでない方も、楽しんでいただけましたらそれに勝る喜びはありません。

それでは、またどこかのシナリオでお会いできることを楽しみにしております。