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大和妖奇譚 ―妖魔行―

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大和妖奇譚 ―妖魔行―
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八つの首の化け物 5


一方、そのころ。

霧雨 透乃は、
体勢を低くして風上のほうへ行き、ヤマタノオロチの動きを伺っていた。
「でかい敵との戦いは燃えるね!」
そうつぶやきつつ、
ヤマタノオロチの隙を見計らい、風下へと駆けだす。
「嵐だってなんだって、
こっちの味方にできればいいんだよ!」
透乃が、一刀両断をヤマタノオロチに向かって繰り出す。

それを、パートナーの柚木 椛が援護する。
ヴェンタで、
透乃が嵐の悪影響を受けないよう、微妙に風向きを調整する。
あまり、細かなことはできないが、
突風で飛んでくる障害物などを、
透乃にぶつからないように守ることはできた。
(本来なら、嵐を起こしている者を止めたいけど、
探している暇はないものね)
椛は、目の前の敵へと集中した。

緋柱 陽子は、
インスマスの鰓で、雨の中でも多少は呼吸しやすくなっていた。
「透乃さん、行きましょう!」
陽子は飛天蹴を繰り出し、
パートナーとともに、ヤマタノオロチを攻撃する。

シャアアアアアアアアアアアアアッ!

ヤマタノオロチが怒りの声をあげるが、
透乃と陽子たちの攻撃がやむことはない。

「風に飛ばされないように……!」
陽子は、突風に警戒しながら、
ヤマタノオロチに蹴りをさらに繰り出した。

一方、諏訪部 楓も、
嵐をむしろ利用して、
ヤマタノオロチに攻撃を仕掛けていた。
「速度を、上げるだけ、上げていきますよ!」
楓はアウトローのアバターであるため、
大和での能力が下がっていることを自覚している。
そこで、嵐の風に乗り、
オーバードライブと加速機構で一気に加速して、
ヤマタノオロチに迫っていた。

「通りすがりの改造人間です、覚えて置いてくださいよ」
六連装パイルバンカーのメガスマッシュの一撃が、ヤマタノオロチの首を襲う。

ギシャアアアアアアアアアアアアアアアッ!

集中攻撃を受けたヤマタノオロチが悶える。

「真希那、たまちゃん、気を付けてね……!」
ロッカ・ブランシェが、
【首狩り】を目指すチームである、
志賀 真希那
白雪 たまに、
パリエスをかける。
その後、ロッカは、
ヴェンタで暴風から真希那とたまを守るように、
対抗する風を送る。

一方、三雲 封真も、
パートナーのロッカとともに、
残心を行いつつ、
ヤマタノオロチの注意を引こうとする。
「ロッカさん、気をつけて……!」
ヤマタノオロチの攻撃が当たらないよう、
抜き付けでひるませる。
そして。
雲散霧消で姿を消し、ヤマタノオロチを混乱させようとする。

一方、真希那は、触手でヤマタノオロチの首を上り、
チャージで力をためて、
一刀両断を放つ。
「おおおォォ……ッッ!!」
フェローのロイガーに、
飛翔しながら背中を押してもらい、
突き立てた刀が、ヤマタノオロチの首に、深く刺さるようにする。

一方、たまは、
ヤマタノオロチの傷口に、
起爆符を括り付けた矢を、弩で撃ちこんでいた。

「仕上げだ、タマッ!」
「……爆」

起爆符がヤマタノオロチの首の傷口の中で爆発するなか、
ロイガーの支援で、
真希那は離脱する。

「やった……?」
ロッカが、爆炎の向こうを見つめ、つぶやく。

ヤマタノオロチの首は、
焦げており、先端部分がなくなっていた。

遅れて、大きな音とともに、
ヤマタノオロチの切断された首が転がってくる。

かくして、特異者たちの活躍で、
六本目の首を落とすことができたのであった。

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