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大和妖奇譚 ―妖魔行―

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大和妖奇譚 ―妖魔行―
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八つの首の化け物 4


【八武衆】のメンバーだけではなく、
他の特異者たちも、
ヤマタノオロチの首を落とすため、
機会を伺っていた。

【桜咲く】のチームを組んだ、
桜小路 来夏
サキス・クレアシオン
サキスのパートナーのシスカ・ティルヘイムも、
ヤマタノオロチの首の一本を狙う。

「ここを放っておいたら大変なことになってしまうです。
被害を広げないためにも皆で足止め、撃破しなくてはです」
来夏が、弓兵の構えで、
ヤマタノオロチの首に矢を浴びせかける。
「今です、サキス!」
神懸りと神託で、来夏がヤマタノオロチの動きを予測して、
サキスに伝える。

「嵐が晴れることはまだ先のようですね。
ならば……!」
シスカが、祈祷を行い、
パートナーのサキスに力を与える。
「サキス様、お願いします!」

「うむ、任されよ!」
サキスが、風の衣で嵐を防ぎながら、
ヤマタノオロチへと突き進む。
観察眼で、相手の隙をうかがい、一気に攻め込む。
「これでチェック……!」
両手に朧月を持ち、
一刀両断を放つ。

ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

「くっ、この程度では引かぬぞ!」
サキスは、暴れるヤマタノオロチの攻撃を受けないようにしつつ、
朧月を、ヤマタノオロチの首へと、深く刻み込もうとする。

「サキス様……」
シスカが、パートナーを見つめつぶやく。

「よし、要するに八つある頭を、みんなで潰せば倒せるんだろ。
だったら、加勢するぜ!」
世良 潤也が、
虎走りで迫り、サキスの助太刀に入る。
「うりゃああああああああああああああああああっ!」
大太刀を使って、
潤也が、一刀両断を放つ。

「まったく、仕方ないわね……」
アリーチェ・ビブリオテカリオは、
そう言いながらも、パートナーの潤也や仲間たちのため、
支援を行う。
「これでも食らいなさい!」
潤也たちに噛みつこうと迫る、
ヤマタノオロチの口の中に、
起爆符を放り込んで、アリーチェが爆破させる。
「爆!」

シュゴオオオオオオオオオオオオッ!!

ヤマタノオロチが口から煙を吐きながらのけぞる。
涎とともに、
酸の息や、毒液が、ぼたぼたとしたたり落ちてきていた。

「ごにゃ~ぽ☆
危険な香りがするね!
だけど、その程度じゃ、スタントマンを目指して鍛えたこのボクを、
ひるませることはできないよ!
むしろ、願ったり叶ったり☆」
鳴神 裁が、
ヤマタノオロチに迫っていく。
「はっ、かかってこいやー、食材!
今日の晩飯は蛇スープできまりだぜ♪」

「って、食うのかよ!?」
潤也のツッコミはスルーして、
裁が、壁走りでヤマタノオロチの首を駆け上がる。
「おおっと!」
足元を踏み外したかに見えたものの、
空中戦闘で飛行し、アクロバティックな動きでヤマタノオロチを翻弄する。
「ごにゃ~ぽ☆
びっくりした?」

シャアアアアアアアアアアアアッ!

ヤマタノオロチが言葉がわかるかのように威嚇した。

「あたしたちも援護するよ!」
八上 ひかりが、
九十九の幸で、
パートナーの川原 亜衣を援護する。
弓兵の構えにより、
狙いをつけ、観察眼を駆使しながら、
亜衣が、破魔の矢を放つ。
「滅びなさい、邪悪なものよ!」

ひかりは、さらに、妖縛符によって、
ヤマタノオロチの頭の動きを阻害し、
集中攻撃ができるようにする。

一瞬ではあるものの、ヤマタノオロチの動きは封じられる。

(他に敵がいないという保証はありません。
不意をうたれないようにしなければ)
ひかりのもう一人のパートナーの内川 紅蘭麻は、
ヤマタノオロチ以外の敵にも警戒していた。
今のところ、襲撃はないが。
(戦場では、いつ、何が起こるかわかりません)
残心で警戒し、いざという時には、
いつでも反撃できるよう、紅蘭麻は感覚を研ぎ澄ませていた。

「そして、これで、チェックメイト……!」
サキスが、一刀両断をさらに放ち、
潤也も同じく、一刀両断を放つ。

集中攻撃を受けていたヤマタノオロチの首は、
地面に落ち、地響きを立てて転がった。

「やったな!」
潤也が仲間たちにサムズアップする。

かくして、
特異者たちは、
ヤマタノオロチの五本目の首を落とすことに成功したのだった。

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