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大和妖奇譚 ―妖魔行―

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大和妖奇譚 ―妖魔行―
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偽りのヤマタノオロチ 2


ジェノ・サリスは、
パートナーのリーゼ・アインに、
フーンを使って飛翔の能力を増大してもらい、
触手で抱えられ、空中に飛んでいく。
もう一人のパートナーのフィーリアス・ロードアルゼリアは、
空中戦闘の能力で、その後を飛ぶ。

嵐の中、なんとか上空に辿り着くと、
ジェノはガンロード・ベル フォトンCのランスアタッチメントにより、
フォトンスマッシュで、ヤマタノオロチの中心部を狙う。

「伝説を、越える! 伝説は、塗り替えて行くものだ!」
「愛と勇気と邪神の名の下に! 新しい伝説、作ります!」
ジェノとリーゼが、同時に叫び、
リーゼは触手でジェノを思い切り放り投げる。

一気に落下していくジェノを、フィーリアスが応援する。
「後は任せたわよ、ジェノ!」
本当は、グラビスで重力に干渉しようと考えていたが、
グラビスを使えばジェノにまでダメージを与えてしまう。
それに、その状態で応援を行うことはできない。

「貫け、ガンロード・ベル!
すべては、明日の夜明けを勝ち取る為に!」
ジェノは、ヤマタノオロチの胴体の上に飛び降り、
全力の攻撃で、鱗の一部に傷をつける。

しかし。

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!

「うわああああああああっ!」
傷つけられ、暴れたヤマタノオロチに、ジェノは吹っ飛ばされる。
「ジェノ!」
「ジェノ!」
リーゼとフィーリアスが、
慌てて、パートナーの近くへと飛んでいき、
暴れるヤマタノオロチから引き放す。

「ここまで、圧倒的だっていうの!?」
「全力の攻撃だったはずなのに……」
リーゼとフィーリアスは、
悔しさを噛みしめながら、ジェノを安全な場所へと連れて行った。


「嵐は、止みそうにない、か……」
巫女のエーファ・アルノルトは、
目の前のヤマタノオロチは式神であり、
たしかに強いが本物ではないことを仲間に伝え、ひとまずの不安を取り除いていた。
できることであれば、
嵐がおさまった後に、仲間たち全員で奇襲をかけようとしていたが、
暴風雨は収まる様子を見せない。
「やむをえないな。
このまま強行突破するぞ!」
エーファが宣言し、
パートナーや仲間たちが飛び出す。

「ま、偽者相手ってんなら多少はなんとかなるだろー……よっ!」
冴島 鋼は、
忍びの歩法と壁走りを駆使して、
ヤマタノオロチの首のひとつへと迫り、
首を駆けあがって、
苦無で斬りつける。

修那羅 藍琉も、
ヤマタノオロチに狐火による目潰しをしようとしていたが、
嵐がやまないため、
エーファの指示を受けた直後、
妖力解放を発動して、首への奇襲を行っていた。
「猫又だからって、水が苦手とは限らないんだからね!」
河童の泳法を身につけているため、
藍琉は雨の中であっても、多少は影響を受けにくくなっている。

「くっ、硬えな!」
鋼はそう言いつつも、苦無での攻撃を緩めない。
藍琉もまた、全力で攻撃していた。

仲間のカイト・レンドルフも、
ヤマタノオロチの死角を狙い、
五行の構えの陽の構えを主体として、
ライジングブレイドでの斬り上げを行う。
「確かにオロチは強い‥‥だがオレは、勝利を信じて戦う!!」
ぎゃりぎゃりと、刀と鱗の擦れ合う、不快な音が響き渡る。
「閃剣・追蓮!」
一刀両断を続けて放つカイトは、
自らが重傷を負う程度のことは覚悟の上であった。

レルータ・シュカルプは、
パートナーのヘレ・ゼンマンの応援として
ギルド「蒼穹の銀翼」の援護にやってきていた。
「隙、逃さない……」
レルータが、リコイレスカノンをヤマタノオロチへと撃ちこみ続ける。
そんな中、ヘレの方は、フォトンガンを連射していた。
(こんな怪物、邪神でも見たことないが、
やるしかないな)
ゴダム出身のヘレは、
ヤマタノオロチの圧倒的な力を感じつつも、あきらめずに攻撃を続けた。

【蒼穹銀翼】のメンバーたちは、
連携による攻撃で、ヤマタノオロチに、少しずつダメージを与える。
しかし、それ以上に、ヤマタノオロチの回復力は凄まじかった。

「傷が塞がっていく!?」
カイトが、たった今、斬りつけたヤマタノオロチの身体を見て呻く。

特異者たちが皆で胴体につけて行った傷も、
徐々に治っていってしまっている。

「式神とはいえ、あなどることはできない、か……」
エーファも、歯噛みする。
しかし、諦めたわけではない。
一行は、再び、攻撃を繰り返していった。


一方、他方 優は。
(ヤマタノオロチは言い換えれば蛇の妖魔、
蛇は舌で周りの様子を伺うと聞いたことがある。
もしかしたら蛇と同じように舌で周囲の状況を把握してるのかもしれない。
もしその通りなら舌を切り落とせば動きも鈍るかも?)

たしかに、ヤマタノオロチは、蛇らしく、
真っ赤な舌を出し入れしている。

優は、チャージを行い、精神統一して、
そこから一気に、抜き付けを行う。

シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

巨大な舌が切断されるが。
「やった……!?」
優はしかし、その直後の光景に言葉を失う。
一瞬にして、新しい舌が生えてきてしまったのである。

「だめか……。
根本的な解決策を見いだせるまで頑張らないと……!」
優はつぶやいた。

次の瞬間、ヤマタノオロチが、酸の息を、
八つの首から一度に吐き出し、特異者たちを攻撃する。

鋼鉄の刀や鎧であっても、
錆びつかせ、融かしてしまう強力なものであった。
特異者たちは、身を守るために、
その身をひるがえして、ヤマタノオロチとの距離をはかる。

このヤマタノオロチは、偽物ではあるものの、
その力は、圧倒的なものだと思われた。

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