止まない雨はない
不穏な空気は、やがてゆっくりと移り変わる。
黒雲は徐々に小さくなり、見慣れた空と待ち望んだ太陽が見えたとき、京の人間だけでなく、京へ逃げてきた村人、そしてその避難を手助けした特異者たちの顔にも、歓喜の色が浮かんだ。
抱き合って喜びを分かち合う者、滂沱の如く涙を流して太陽を拝む者、安堵の息を吐いた途端緊張の糸が切れて倒れる者、それを慌てて介抱する者など、反応は様々だ。
特異者たちは、今回の異変の元凶を倒した、同じ空の下にいる仲間たちの健闘を称えつつ、後始末のために、再び奔走し始めるのだった――