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【学び舎】ビギナーズトレーニング!

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【学び舎】ビギナーズトレーニング!
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強硬派の居場所

 昼間の商店街は、様々な人で賑わっていた。日用品の買い物をする主婦、お決まりの店前で店主と話し込む老人たち、所狭しと駆け回る子供たち。
 一見すればなんてことはない平穏な日常、変わりの無い平和な光景だった。
 
 そんな商店街の中に、人畜無害といった様子で溶け込むのは美月 慎だ。
 
「なるほど。して、その猫ちゃんは見つかったのですか?」
「ああ、あの車分かる? あれの下にいたみたいなのよ~」
「あの車、最近ずっと停まってるのよ。邪魔なんだけど、ちょっと怖いじゃない?」

 商店街の一角で井戸端会議をしていた主婦の集団に混じった美月は、トークセンスⅠでの相槌をしながら彼女たちの話を聞く。
 議題はどこぞの飼い猫の行方だった。数日前から行方不明になり、昨日違法駐車の怪しげな車の陰で見つかったらしい。
 
「何度か商店街の会長が注意したらしいけどね、ダメだって」
「最初は下手に出てたらしいけど、3回目ぐらいから威圧的になったって、会長嘆いてたわあ」
「ふむ……所有者はすこし怖い方なんですね」

 美月は主婦らと話しを合わせつつ、向かい側からやってきた火屋守 壱星を確認すると、主婦らとの会話を一旦切り上げ、暗号会話にて不審車両の情報を伝える。
 
(なるほど。あの車か……)

 火屋守は美月と二三言交わし、目標の車に近づく。車を避けるように歩く地元住民に軽く車について聞いてみれば、聖人の抱擁の効果もあり、やはりこの穏やかな商店街には似つかわしくない、荒者が所有者であるとの情報を得た。
 車に近づき中を確認する。誰も乗っていないようだ。ドアはもちろん、窓もぴったりと閉じられ、何かを内部に仕掛けるのは難しそうだった。
 
(何かわかるといいが……)

 火屋守はそっと車に触れてみる。サイコメトリーだ。彼の脳内に車に関する様々な映像が流れ込むが、火屋守はその中に決定的なシーンを確認する。
 場所は商店街の始点付近、時間は夜。酔った男女が商店街のゲートをくぐった瞬間、この車が横付けされ、悲鳴を上げる間もなく後部座席に押し込まれた。
 
「おい、何だてめえ」

 火屋守の後方から声がかかった。火屋守は努めて冷静に、訝しがられないよう笑みを湛えて振り返る。
 
「失礼しました。
 少々、通行の妨げになっているようでしたので」
「……チッ。もうどかす。文句言うな」

 火屋守を上から下まで睨むようにした男性は、それでも何をするでもなく車に乗ってその場を離れた。
 火屋守は確信していた。彼が誘拐犯であり、強硬派の一員であると。そういうインスピレーションを得た。火屋守は車の追跡するために、Rを飛ばせ、自身もその後を追ったのだった。
 
 
 
 
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