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【学び舎】ビギナーズトレーニング!

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【学び舎】ビギナーズトレーニング!
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バルバロイのせん滅


 ナディア・ハンターからの情報によれば、二体いるうちの片方は手負いであると聞いている。
 今回、初陣となるアヤネ・アーティスタ忌枝 徒長は、
 先輩である人見 三美と共に、バルバロイの潜む現場へと急行していた。

(バルバロイは手負いらしいわね……。
 初陣だけど、民間人を守るためにも集中しないと)

 アヤネは、ナディア・ハンターからの情報を整理しながら、
 ドラグナーガッツで集中力を高める。

「確かこの辺りのはず……いました!」

 アークの外縁部に到着すると、周囲を見渡した人見が二人に声をかける。
 三人の視界に、ゴソゴソと蠢いていたバルバロイが二体入る。
 物陰に隠れようとしていたのか、バルバロイは背を向けていたが、気配に気付きぐるりとこちらを向いた。

 動きに俊敏さは感じられないが、その巨体は威圧感を放ち、
 後方にいたバルバロイ――カノンは、その砲口を三人に向けた。
 
「危ないッ!」

 忌枝はドラグナーガッツで高められた集中力と、戦況把握で砲撃を察知すると、
 それが放たれる前に射線から退く。

 それを皮切りに、バルバロイとの戦闘が始まった――!
 
 ドラグリウス・トレーナーを纏ったアヤネは、
 前衛のバルバロイ――手負いのタンクに突進する。

 ブロードソードを振りかぶり、敵目掛けて打撃の様に振り下ろすが、
 いくら手負いであっても、【星詩】の加護がないドラグナーでは傷つけることは叶わなかった。
 『絶対領域(テリトリー)』――この厄介な防壁にバルバロイは守られているからだ。
 しかし、接近したことで装甲の割れている箇所は確認できた。
 カノンからの砲撃を避けるため、遮蔽物利用で一旦身を隠し、再び突撃の機会を伺う。

 そこへ、その隙を作るべく、ハイスタンダーマイクを手にした人見が、
 すぅっと息を吸い、風の唄を響かせた。

 人見の歌声は風を纏い、その風に乗った微睡みの声がバルバロイの動きを僅かに鈍らせた。

 人見の【星詩】の加護を受けた二人は、まさに唄に背中を押され、その隙にバルバロイへ肉薄する。
 ただ、アヤネには人見の【星詩】の良さがいまいち分からなかった。そのせいだろうか、加護もいまいちな気がする。

 再びブロードソードを振りかぶったアヤネは、次こそはと、確認した装甲の破損個所目掛けて
 ストライキングスラッシュを放った。
 狙い澄まされたその斬撃は、ひび割れをこじ開ける様に突き刺さり、
 バキバキと音を鳴らしながら装甲は剥がれ落ちた。
 ほとんど丸腰になったタンクにアヤネが二太刀目を浴びせれば、そのままバルバロイは沈黙した。

 同時に、忌枝はカノンに向かってスプラッシュハーレーを叩き込む。
 負荷のかかる三連撃だが、高めた集中力と身に着けた剣術でカノンに逃げる隙を与えなかった。
 グレートソードから放たれた斬撃は、その勢いで相手を吹き飛ばし、
 体を切り刻まれたカノンは、そのままアークから転がり落ちてしまった。

「これで終わり……だな」

 地に沈んだバルバロイと周囲を見渡して忌枝が呟く。
 彼らの後方から人見も合流し、三人は顔を見合わせて頷くと、初任務が無事成功したことを確認したのだった。



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