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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!

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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!
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■OMATSURIバトルで会場を盛り上げよう!【1】

「闘争心を感じるライブといえば、世界最強の格闘技プロレス。
 さらに派手とくれば、これはもうルチャリブレで決まりだろう!」
 中央にやぐらを模した『YAGURA』を備えた今回のステージ『YAGURAバトルフィールド』に立った瓜生 コウが軽快な動作で会場に集った観客にアピールしつつ、YAGURAの柱を使ってハイ・ジャンプ、そのままグランスタ研修生が所属するグランスタjrへ蹴りアクションを仕掛ける。
「なんのっ!」
 しかしグランスタjrも身体をくるり、と捻ってコウの蹴りに足を合わせて乱入を阻止する。自陣に蹴り返される形になったコウが体勢を立て直す前にグランスタjrがステージの主導権を握り、観客はルミマルを『青』に振って応えた。
「へっ、大した根性だぜ。いいモン見れたな」
 バトルに負けたコウだったが、表情は満足そのものだった。


「お疲れのようですが、バトルである以上気を引き締めて、全力を出し切ります!」
 ギターを構えた天月 聖奈がオープニングを飾り、“ストーリーテラー”左脳の演出を受けてステージに立つアーモリーの武姫たちを上回る注目を集める。
「どうした左脳、貴様のクリエイターとしての心はそんなものか?」
 聖奈の演奏に合わせ、クロウ・クルーナッハが聞く者の心をダイレクトに揺さぶりつつ、左脳にも人となりを知る目的で揺さぶりをかける。
「今日は理由あって省エネ進行だよ。
 いやぁ、そんな目で見られても、俺は基本的にいい人だよ?」
 いつも以上に頼りない様子でありながら、目の奥の何かを見透かしたような輝きは失われていなかった。クロウは左脳が相応に実力者であるという推測を抱きつつ、聖奈と息を合わせて眩く旋回する閃光を生み出す。そしてその光を召喚の儀式とでもするように、ステージに黒竜の幻影を出現させステージ演出を担わせる。
「このステージに嵐を呼んでみせようぞ!」
 クロウの歌によって生まれた色付きの風がステージを駆け回り、会場を盛り上げる。武姫たちも懸命に対抗するが力及ばず、そのまま観客の反応は『赤』に折られたルミマル一色となって現れたのだった。


「芹沢ナズナ、いざ勝負!」
 強者のオーラを漂わせ、桐ヶ谷 遥“食皇”芹沢ナズナのステージに切り込みをかける。抜刀からの斬撃を太鼓を叩いていたバチで防いだナズナが豪快な動作で肉を食らい、ダン! と力強く床を踏んでバチを振るう。
「見切った!」
 バチと遥の身体の間に風が吹き、遥を守る。ナズナのアクションに返すように遥が、剣を大振りの軌跡で振るって観客の注目を集める。対するナズナも身を捻って剣をかわし、荒々しい太鼓の連打のごときアクションで魅せる。
「はああっ!」
 ステージの主導権を奪い合うアクションの応酬は、遥の渾身の一撃にナズナが中央のYAGURAを押し出されたことで決着を見る。
「フッ……いい勝負ができた」
 微笑を浮かべた遥が剣を収めたところで制限時間いっぱいとなり、観客は双方の健闘を称えるように『オレンジ』のルミマルを振った。


「大地に舞い降りた戦女神、ガイア! ここに降臨!」
「黄昏解き放たれし邪女神、マオ! ここに降臨!」
 光を浴びながらステージに颯爽と現れた向有 ガイア佐丹 舞桜が名乗りを上げ、先にステージでパフォーマンスを披露していたグランスタjrと対する。主導権を奪われまいとするグランスタjrの蹴りアクションをガイアは伝統ある演武の動きで防御し、舞桜は危機回避の動きで避けると同時に見切ってから、リアクションに転じる。
「俺のスピードは伊達じゃねぇぜ!」
 鞭に変じた剣を巧みに振り回し、グランスタjrを翻弄して本来のパフォーマンスを行えなくする。ジャンプのパフォーマンスを繰り出したグランスタjrの着地に合わせて鞭を伸ばし、足を絡め取って尻もちをつかせる。
「僕の動きが君に見えるかな?」
 舞桜の振るう鞭を掻い潜るようにガイアがアクロバティックな動きでグランスタjrに迫り、足元を狙った蹴りアクションを仕掛ける。これはグランスタjrが飛んで回避するものの、即座に身を起こしたガイアの回し蹴りアクションは避けられず、グランスタjrはステージを押し出された。
「これが、舞い踊る武術だ! ……なんてね♪」
 ステージの中央で舞桜が剣を掲げ、ガイアも勝利の決めポーズを魅せると、観客はルミマルを『赤』に振って応えた。



 どんなに離れてたって届ける 愛の88ミリ高射砲

 女性を狙い撃ちするかのような甘い言葉な歌詞を、陸/一式砲戦車が漢気溢れる不動スタイルで熱唱していると、横から航/補給艦“速吸”のエアクロスボウが突き刺さる。
「ぐはぁ!」
「ごめんごめん、手が滑っちゃってね」
 謝る“速吸”だが、表情は『ステージに上がる前に教えた振り付けはどうした?』と言っていた。一式砲戦車はぐぬぬ、と歯噛みしつつまた射抜かれてはたまらないので、ぎこちないながらも振り付けを交えて歌を再開する。
「ヒューヒュー! 若い子の歓声を受けて風を切る俺、もしかしなくてもイケメン!?」
 一方陸/九八式軽戦車はステージをキャタピラで駆け回りながら観客と触れ合っていた。その斬新なスタイルが観客に割とウケていたため、“速吸”はとりあえず彼については好きなようにさせておくことに決めた。
「こ、こんな感じでいいのか? まあ会場は盛り上がってるみたいだし……」
 そんな武姫たちのステージを、後ろで指揮していた葵 司が不安混じりに見守る。相手に選んだ左脳も武姫を指揮しているとあって、観客はどちらの武姫がより魅力的か食い入るように見つめている。現状は女性向けの司と男性向けの左脳で拮抗している状態だ。
「ん? そういやあノーネームはどうした?」
 ふと、ノーネーム・ノーフェイスの姿が見えなくなっていることに司が気づく。
「あいつどこに行った――うおっまぶしっ!」
 キョロキョロと辺りを見回していた司は、突如突き刺さるスポットライトに目を細める。すると先程までステージの前方に居たはずの“速吸”がすぐ前に立っているのが見えた。
「さ、出番だよ教導官♪」
「へ? っておいおいおい、俺が出たってなんも面白くねぇだろがっ」
 手を掴まれ引っ張られ、司がステージに引っ張り出される。
「やっぱりさ、ここぞ、って時には教導官自ら前に出て立ち回るのが武姫ライブの見せ所だと思うんだよね」
「そ、そうなのか? って音楽始まってんじゃねぇか!
 あぁもう、こうなったらやってやらぁ!」

 司と武姫たちに注目が集まる脇で、ノーネームは左脳に近づき話を切り出す。
「是非ともアンタの中にある、マナPへの疑念ってやつを聞かせてもらいたいねぇ。
 ……でも、その前に確認しなきゃならないことがある」
「な、何かな?」
 たじろぐ左脳へ、ノーネームは一呼吸置いて言葉を紡ぐ。
「アンタはアタシをどこまで信用する?
 アタシはアンタをどこまで信用していい?」
「……、君の情報も知らないうちから、簡単に信用するなんて言えないかな。どこまで信用していいか、って言われてもそれを保証するものなんて特にないよ。軽蔑するならそれもいいし、面白いと思うならそれもいいと思う」
 音楽が途切れ、観客は双方を労うように『オレンジ』のルミマルを振って歓声を送った。


「相手が何人いようと、華麗に、ド派手に、勢いよく行くよ!」
 コトミヤ・フォーゼルランドとステージに立ったジュレップ・ガーリースカイが楽しく踊りを披露しつつ、狙った場所に色鮮やかな花火を咲かせて観客の注目を集める。ナズナも応戦するように肉を食らってから太鼓を鳴らし、率いる亡霊兵の息の合った踊りで注目を奪い返そうとするが、直後、凛と澄んだ空気が駆け抜けたかと思うとステージが夜闇に包まれた。
「私を忘れてもらっては困るな」
 一時的にステージを支配したコトミヤの声には、聞くだけで心震わせるほどの重みが宿っていた。観客は神々しくすら見えるコトミヤに感情を高め、流れ星となって具現化される。
「……まだ、勝負は付いていない!」
 ドンドン! と空気を震わせるバチ捌きで夜闇を振り払ったナズナがステージの主導権を奪い返すべくコトミヤに勝負を挑むが、今度は後ろに下がったジュレップのアクションを見落としていた。ガッチリとナズナの腕を掴んだコトミヤには、ジュレップの発射したワイヤーが引っかかっていた。
「そーれ、竜巻大回転だぁ!!」
 地面を掴むスパイクと、コトミヤの履く空飛ぶ靴のサポートを受けて、ジュレップがナズナごとコトミヤを振り回す。ステージに生まれた竜巻は亡霊兵をまとめてなぎ倒した後、コトミヤとナズナを空高く巻き上げた。
「私も手加減ができないタチでね。大丈夫、後は引かないよ」
 組み合った姿勢から腕力だけで担ぎ上げるような姿勢に持ち込んだコトミヤがそのまま落下、衝撃をナズナが受けるように着地を決める。見事なパフォーマンスを見せた二人に観客が『赤』のルミマルを振りながら惜しみない拍手を送る後ろで、ナズナが目を回してノックダウンしていた。
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