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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!

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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!
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■みんなで一緒に、お祭りを楽しみましょう

「わー! すごいですぅ、いっぱいお店がありますぅ!」
 初めてのお祭りに、猫宮 ミルクがあっちこっちに目移りしながらぱたぱた、と駆けていった。
「ミルクちゃん、ちゃんと周りを見て移動してねー! あっ、リンゴ飴みーつけた! 瞳ちゃん一緒に食べよう?」
「うん、食べる食べるー! どれにしようかな~」
 猫宮 織羽瞳・ディア・ラナフィーネがそれぞれ好みのリンゴ飴を選び、かじりつく。
「ん~、ちょっとすっぱくて、でも甘くておいしい~」
「おいしいね、織羽お姉ちゃん!」
 織羽と瞳が存分にリンゴ飴を堪能したところで、戻ってきたミルクが二人を金魚すくいの屋台へと誘った。
「金魚さんがいっぱい泳いでますぅ! 釣れたら持って帰れるんですかぁ?」
「うん、そうだよ。うちのカフェにお迎えしたいね!」
「金魚すくいは、水につける時間を少なくするため素早く、それでいて激しい動きで破いてしまわないよう繊細に……だそうです。
 何はともあれ、挑戦してみましょう! お金は塵さんから貰ってるので大丈夫です。なんならおごっちゃいますよー」
「わーい!」
「わーいわーい! じゃあやるやる!」
 スティア・アメリアスフレークから金魚すくい用のポイを受け取ったミルクと瞳が挑戦するも、あっさり破けてしまった。
「取れなかったですぅ……」
 しょんぼりするミルクの横で、それまで明るく振る舞っていた瞳の雰囲気がスッ、と一変した。
「店主、もう一度。私、少しばかり本気で行きます」
「あ、あぁ。頑張って」
 少し気圧された様子で店主がポイを渡し、受け取った瞳がポイを斜めに入水。そのまま動かさず獲物――金魚が近づくまで待ち、重さの中心である胴をポイの枠に引っ掛けるように掬い上げた。
「他愛ないですね」
 続けざまに計五匹の金魚を掬い上げたところで、瞳が再び元の明るい少女へと戻り、織羽とミルクに戦果を報告する。
「ほら、いっぱい取れたよ~」
「瞳ちゃんすごーい! 帰ったら早速金魚鉢用意しないとだねっ」
「楽しみですぅ!」

「わぁ……! これが噂に聞く縁日、ですね! あちこちから美味しそうな香りが……!」
 この場に来ていない霜月 饗華の分まで楽しもうと、エーテル・マナリスが早速屋台巡りを始める。
「焼きそば……わたあめ……たこ焼きに焼き鳥っ……! わわわぁっ、ここは天国ですかぁ!?」
 うっとりとするエーテルがお財布の中身と相談しながら食べるものを決めている最中、池田 蘭が破竹の勢いで串焼き系を制覇し、粉物に手を付け始めていた。
「シンジュさん、どんどん行きますよ。食べるものがまだ沢山あるのですっ」
「……、よくそんなに食べられるわね。ランを見てるだけでお腹が一杯だわ……」
 蘭が途中で食い倒れてしまわないようにとお守りの目的で付いてきたシンジュ・ブルーメルが呆れる程に、蘭は粉物もあらかた制覇し最後の甘味に突入していた。
「うっ……かき氷で頭が頭痛だっ……」
「お約束までキッチリやらなくてもいいのに。はい、持っててあげるから少し落ち着いて」
 かき氷をかきこんで苦い顔をする蘭にシンジュはため息を吐きつつ、介抱の手助けをしてあげていた。

「今日は藤白、お留守番……。
 お祭り……屋台がたくさん……ふふ、どれも楽しそう」
 留守を預かっている藤白 境弥の代わりにお祭りにやって来たシンシア・レイコットが屋台巡りをしていると、両手に屋台で買ったものを持った小鳥遊 美羽ベアトリーチェ・アイブリンガーと出会った。
「こんばんわ、シンシアさん。お祭り、楽しいですか?」
「ええ……こういうのほとんど経験がなくて、どうしたらいいか戸惑っているけど……楽しい、って思うわ」
「ふふ、それはよかったです」
「ベアトリーチェ、シンシアにも持ってもらおう!」
 美羽が片方の荷物をシンシアに差し出そうとして、ベアトリーチェにたしなめられる。
「美羽さん、シンシアさんの邪魔をしてはダメですよ」
「ううん、大丈夫……お手伝いするわ」
「やったーありがとー」
「すみませんシンシアさん。では、一緒に行きましょうか」
 シンシアが荷物を受け取り、美羽とベアトリーチェと川辺へ向かって歩き出す。
「これから花火をするんですよ」
「花火……? それってどういうものかしら?」
「えっとね、火を付けるとばひゅーん、って飛んでいくんだよ!」
「それだけが花火じゃないですよ。大ざっぱには火を付けて、弾ける光と音を楽しむものですね。
 楽しいと思いますので、一緒にやりましょう」
「わかったわ……楽しみね」
 そんな事を話していると、川辺が近付いてきた。

「ほら、頼まれた買い出しと、それと花火のためのバケツとゴミ袋も用意しておいた。
 あと、夜とはいえまだ暑いし、飲み物も買っておいたぞ」
「ありがとうございます、塵さん! 塵さんも一緒に花火、やりませんか?」
「いや、俺はいい。そこで不審者が来ないか見張ってる」
 スティアが予め頼んでいた追加の花火や飲み物を渡した芥川 塵が、川辺の端の方へと歩いていった。
「お空にドーン! ってなるものは見たことありますが、こういうのは初めてです!
 ということで! かわいい花火を持ってきました! ねずみ花火、かわいいですよね!」
「おもしろそうですぅ!」
 エーテルがねずみ花火に火を付け、ミルクがわくわくしながら見守る。やがてねずみ花火は火花を散らしながらくるくる、と回り始め――。
「ピャァァァ! お、おおお追いかけてきますーーー!!」
「んにゃあああああ追いかけてきますぅーーー!?」
 逃げ惑うエーテルとミルクをまるで追跡するようにねずみ花火が回り続け、最後にパン、と小気味いい音を鳴らして静まった。
「ううぅ、ねずみ、こわいですぅ……」
「あわわわわ……ねずみ、こわかったです……」
 ガクガクブルブル、とエーテルとミルクが抱き合って震えていた。
「もう一歩も動けないですよ……」
「食べ過ぎね。ランはそこで横になってて」
 お腹を抱えて唸っている蘭を横目に、シンジュが花火に点火し、噴き上がる鮮やかな光を楽しむ。
「この光景を描いて表現したいのに、暗くてすぐ描き留められないのが残念ね」
 夜空に一筋の閃光が、次々と伸びていく。
「飛んでけ飛んでけー!!」
「美羽さん、そんなに連続で打ち上げたら他の方がびっくりしますよ。
 ……ごめんなさいシンシアさん、うるさくないですか?」
「ううん、大丈夫よ。とても新鮮な気持ちだわ」
 シンシアが地面にセットしたロケット花火に点火して離れ、小気味いい音を上げながら飛んでいくロケット花火に微笑を浮かべた。「……あれ? なんかこれ、地味ですね」
 スティアが持ってきた花火に点火するも、もりもり、と黒い炭のようなものが盛り上がるだけの様子に首を傾げる。スティアがねずみ花火と思って持ってきたのはヘビ花火であった。花火と呼んでいいのかわからないなんともいえない変化をするヘビ花火はカルト的人気があるのだが、やっぱり花火はパチパチ、と火花を散らしてこそ、という面もあるだろう。
「はい、スティアちゃん。一緒に線香花火、しよう?」
「織羽さん、ありがとうございます。……わぁ、綺麗ですね」
 パチパチ、と静かに火花を散らす線香花火に織羽とスティアが目を細めていると、ポトリ、と火種が落ちてしまった。
「少しでも長持ちさせようって思って、色々調べたっけなぁ」
「静かに持つのがいいんですよね。でもそうしようとすると逆に震えてしまって」
「あっ、線香花火~♪ わたしも一緒にやる~」
 瞳が二人の間に入り、線香花火に点火する……前にちょいちょい、と線香花火を捻ってから点火する。
「瞳ちゃん、いまの何?」
「こうするとちょっとだけ長持ちするんだって~」
「そうなんですか? じゃあ、私も試してみましょう」
 織羽とスティアも真似してちょいちょい、と捻ってから線香花火に火を付けた。
「これはしずかできれいですねぇ」
「パチパチ、っていってすごく綺麗です……ミルクちゃんのも綺麗、っておよ?」
 ミルクがかざしていた線香花火にエーテルが自分のを近づけると、近づけ過ぎてしまったのか二つの火種がくっついてしまい、ポトリ、と落ちてしまった。
「あらら、落ちちゃいましたね」
「落ちちゃいましたねぇ、えへへ」

 みんなで過ごす、楽しいお祭りの時間が流れていく――。
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