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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!

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納涼! 嵐のOMATSURIバトル!
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■迷子センターも賑わってます【3】

「ミヤビさんがこちらに来ていると聞いて、来ちゃいました」
 邑垣 舞花とではなく単独で訪れた空花 凛菜の顔を見たミヤビは、心なしがホッとした様子だった。
「親しい者の顔を見ると落ち着きますね……」
 凛菜に聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう口にしたミヤビの様子に、凛菜は何かあったのだろうと勘づくものの、それをこの場で問いただす真似はせず、笑顔を浮かべて言った。
「お会いできて嬉しいです! ……もしよろしければ、子供たちを元気づけるライブにお手伝いいただけないでしょうか?」
「ええ、いいですよ」
 ミヤビの快諾を得た凛菜は嬉しそうにお礼を言ってから、既に集まっていた子どもたちの頭を撫でて座ってもらうようにお願いをして、ミヤビと二人で見る者の目を惹き付ける美しい舞を披露する。舞について詳しくない子どもでも、二人がとても『きらきらしている』のはわかるようで、時折おぉ、とかわぁ、とか感動を漏らしながら舞を見届けていた。
「ここまで見てくださり、ありがとうございます」
 舞の最後に凛菜が桜吹雪を散らしてから、掌を器のようにしてそこにフッ、と息を吹けば、『好き』の気持ちが詰まったハートがふわり、と子どもたちの周囲を舞った。
「ミヤビさんもどうですか?」
「わ、私はいいですっ」
 恥ずかしそうにそっぽを向くミヤビだが、凛菜が視線を外さないので根負けし、片方の手だけ差し出す。
「ありがとうございます」
 ミヤビの手に自分の手を重ねて息を吹けば、先程より大きなハートが子どもたちの周囲を舞った。


「それじゃ、始めていきますか」
 ホットプレートの温まり具合を確認した成神月 鈴奈がそこにホットケーキの材料を少しずつ流し込んでいく。漂う香りに誘われた子どもたちが見守る中、完成したホットケーキにはかわいい猫が描かれていた。
「かわいい~」
「ねぇねぇ、おうまさん、できる?」
「ええ、もちろんよ」
 子どものリクエストに応え、鈴奈がかわいい動物の描かれたホットケーキを作っていく。
「さあ、冷めないうちに召し上がれ」
 そして出来上がったホットケーキに、特製のはちみつをかけて子どもたちに提供する。
「かわいくて食べるのもったいないよ~」
 最初はフォークを通すのに躊躇した子どもたちだが、漂う香りに負けて最終的には全てのホットケーキが子どもたちの胃袋に収まった。


「はい、じゃあまずお名前は? ……ゆうたくんね。
 ゆうたくんの強み……得意なことは?」
「えっと……じゃんぷ、できます!」
「ジャンプが得意なんだね! それじゃあ見せてもらえるかな?」
 スペースの一角に作ったステージで、九鬼 苺炎が元気にステージに上がった子どもの強みを周囲に広めて両親が探しに来てもらえるようにしつつ、子どもが芸をしたくなるように演出する。
「つ、つかれたぁ~」
「すごいね、それだけジャンプできるなら将来は立派なパフォーマーだよ!」
「はいはい! 僕だってできるよ!」
「僕も!」「僕も!」「わたしも!」
 子どもたちから次々と手が上がった。苺炎はよしよし、と子どもたちを落ち着かせ、ステージに立つ者を選ぶ。
「ライブバトルの始まりよ!」


「アイドルとしては未熟でも、私は子どもたちに楽しんでもらいたい! 迷子センターに笑顔の花を咲かせてみせましょう!」
 水野 愛須が笑顔を振りまき、楽しい曲を演奏して子どもたちを笑顔にしようとする。
「あっ! 週刊少年ソウルだ! みせてみせてー」
 しかし子どもたちは、愛須が持っていた『週刊少年ソウル』により強く興味を惹かれ、そちらにかかりきりになっていた。
「がーん! 漫画に負けたー!? んーでも、子どもたちが楽しそうならいいかな?」
 楽しそうに漫画を読む子どもたちを、愛須がニコニコと楽しそうに見守っていた。


「……やれやれ、やっと解放してくれたか。……おや」
 やんちゃな子どもたちに遊び道具にされていたバルター・アイゼンベルトが視線を向けた先には、子どもたちの輪に溶け込めずひとりポツン、と膝を抱えて座っている子どもがいた。
「隣、いいか?」
 子どもの目がバルターを見て、こくり、と首が縦に振られた。バルターは子どもの横に座り、持ってきたギターを構えて弾く。
「……弾いてみるか?」
「……うん」
 そのうち、興味を持って見ていた子どもにギターを持たせ、後ろから手を添えて弾き方を教え始める。
「……よし、上手いぞ」
 褒められた子どもの顔に、パッ、と小さな花が咲いた。


「みんな~私の名前は羽村 空だよ、よろしくね~♪」
 迷子の子どもたちに元気になってもらえるように、羽村 空が励ましの歌を歌いながらぴょんぴょん、と高さのある跳躍や宙返りを披露する。最初は泣いていた子どももだんだんと笑顔になっていき、その輪が少しずつ大きくなっていった。
「一緒に遊んでくれてありがとね! 今日の思い出に写真を撮りたいんだけど、いいかな?」
 ライブの途中には、子どもたちを集めて撮影タイムを設ける。
「いくよ~笑って~はい! ちーず!」
 今日が初めての出会いの子どもたちが一斉に笑顔を見せ、空も笑顔を見せながらシャッターを切った。
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