■プロローグ■
開幕MCが開始され観客達の期待もピークに達し、いよいよ昼の部が始まろうとしている。
そんな会場へ移動中のタクシーの中で、グランスタ新会長
マナPは通話の終わったスマホを片手に上機嫌に笑った。
「いいですね、愛の名のもとに全てが順調です!
各ニュースサイトやまとめサイトも、今日のフェスのことを大いに取り上げてくれるみたいですよ」
「君のその人徳――いや、人心掌握術には舌を巻くよ。今度は一体どんな種と仕掛けがあるのやら」
「真蛇君。君はアイドルなんだから、何も知る必要は無いでしょう?
そういうのはマネージャーでプロデューサーである私に全て任せておけばいいの」
SHINJAこと
真蛇の皮肉にもマナPの笑顔は少しも崩れない。
彼から今日のタイムスケジュールや出演者一覧の資料を取り上げ、自分の鞄にしまいこんでしまった。
しかし真蛇はタクシーが向かう先――会場のステージを窓から遠く眺めながら薄く笑った。
「ならば、今日は君が己の無知を知る日になるだろうね。
今日の舞台には、知った顔もいれば知らぬ顔の隠し玉達も犇めくようだ。
果たして彼らが私達に何を見せるのか……敢えて言うならば、楽しみになってきたよ」
■目次■
1ページ プロローグ・目次
2ページ 【1】【1-1】
3ページ 【1】【1-2】
4ページ 【1】【INTERMISSION】
5ページ 【1】【1-3-1】
6ページ 【1】【1-3-2】
7ページ 【1】【1-4】
8ページ 【1】【1-5】
9ページ 【2】■トワイライト■夜の部、波乱の幕開け(1)
10ページ 【2】■トワイライト■夜の部、波乱の幕開け(2)
11ページ 【2】■サマーナイト■夜の部を、思いっきり楽しもう(1)
12ページ 【2】■サマーナイト■夜の部を、思いっきり楽しもう(2)
13ページ 【2】■エキサイト■この熱い暑い夜を!(1)
14ページ 【2】■エキサイト■この熱い暑い夜を!(2)
15ページ 【3】【3-1】
16ページ 【3】【3-2-1】
17ページ 【3】【3-2-2】
18ページ 【3】【3-3】
19ページ エピローグ