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【三千界アカデミー】ビギナーズトレーニング!

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 引っ掛け作戦

 スパイラル・オブ・コスモスの入口―
「どちらもバランスの良いパーティだね、巣からリザードマンをどこまで誘い出せるかが鍵になると思うけど……」
「きっと、大丈夫ですよー。あの子達が頑張って考えたんです……しっかり、自分の力を試して欲しいですからねぇ。では、怪我をしないように私達もサポートをしっかり担いましょう」
 ケイティ蘭野 しずくは、それぞれリザードマンの巣近くで見守るのだった。



 ◇   ◇   ◇



 リザードマンの巣付近では、2~3体のウォールリザードマンが見張りについているようであった。崖を上手く使った巣のようで、入り口は正面に1つあるだけのように見えるものの、崖の数カ所には大きく割けた裂け目が見られ、リザードマン1体程は通れそうな隙間があった。
「サリナさんが倒れている方向と反対に追い払う事が出来れば、名執様も六道先輩も無事に救出する事が出来ますわ」
「反対側へ引きつけて、そこで討伐だね。ケイティさんに聞いたけど、ここのリザードマンは逃げ足も速そうだし……逃げる前に片付けて救助を成功させなきゃ!」
 エスメラルダ・エステバンは、『アンティドーター』を手に持って九重 澪の援護を中心に立ち回ろうと配置についた。
 澪はまず、巣からリザードマンを誘い出そうと【クーネス】を仕掛ける用意をしながら、比較的足場が安定している場所を確保していく。巣の真上へ向かう仲間の安全確保と、壁伝いに逃げられる事を防げれば―と誘き寄せようしていた。
「この辺で良いかな…? えいっ!」
 【クーネス】で水球を作り出した澪は、まず一番近くにいるリザードマンへ向けてそれを放った。不意の攻撃にリザードマンは彼女達の思惑通りに巣を離れ、誘き寄せられていく。主に剣を装備したリザードマンが誘き出され、澪を攻撃対象と認めたようであった。
「ここまで誘き出せれば……それじゃあ、簡単に戻らせないようにするわよ!」

 担いだ『バルディッシュ』の攻撃範囲までリザードマンが近付くと、澪は【ウィラル】で風の刃を生み出し、攻撃の体勢を崩そうと試みた。リザードマンも近付くと【ウィラル】で牽制される事で中々澪へ攻撃をする事が出来ない。
「案外、楽にいけそうですわね……九重様、援護しますわ」
 【ファストレポート】で澪を援護するエスメラルダは、澪のやる気を鼓舞するように「♪斧の一薙ぎ蜥蜴を飛ばす♪」と歌うと、歌に合わせて澪が『バルディッシュ』を左右に振り回しながらリザードマンをなぎ倒しにかかった。
「よおーし、このまま……!」
 【ファストアタック】で勝負を付けようと、アタッカーの一撃をリザードマンにくらわせようとしたところで、澪の後ろから悲鳴が上がった。
「きゃあ!」
 エスメラルダの悲鳴に、澪も一瞬攻撃の手が止まってしまった。澪自身は弓を持つリザードマンに間合いを取らせないよう、常に近付くようにしていたがリザードマンは彼女の後方にいるエスメラルダへ攻撃対象を変えていた。
 幸い、エスメラルダも腕を掠めた程度ですぐに自分へ【ヒール】を施し、体勢を整えると再び澪へ援護し、『バルディッシュ』の攻撃範囲にいたリザードマン2体を退けたが―
「あ、ちょっと待って! 逃げるのはナシ!」
 澪の攻撃から逃れるように、リザードマン数体が壁に張り付つくと勢いをつけて巣へ立ち戻ってしまった。



 ◇   ◇   ◇



「うっそー……もうちょっとだったのに」
「ごめんなさい、九重様……わたくしが攻撃されたから……」
 謝るエスメラルダだったが、澪へ攻撃が困難となれば援護するエスメラルダへ攻撃対象が変わる事は充分考えられる事だった。
 しかし、ここで2人にとって誤算が生じていた。
「救助へ向かった人達と反対方向へ誘き寄せて追い払うつもりでしたが……このままでは六道先輩と名執様が攻撃されるかもしれないですわ」
「それはまずいよね……」

 ケイティ、しずくと共にエスメラルダと澪はサリナの救出へ向かった2人がリザードマンに襲われないようにと、崖へ向かうのだった。

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