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【三千界アカデミー】ビギナーズトレーニング!

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 リザードマンの巣

 スパイラル・オブ・コスモスの入口では、ケイティ蘭野 しずくがクエストに向かう生徒達の背中を見送っていた。
「彼女達は特異者になって日も浅いと聞いているけど、あんまり物怖じしている様子は無いみたいだね。頼もしいよ」
「ふふ、ありがとうございます。もしかしたら、私達の手助けはなくともトレーニングをクリアしてしまうかもしれませんね……とはいえ、実戦の経験を積む事になりますからあの子達が大怪我をしないように見守りましょう」
 頷き合うケイティとしずくは、リザードマンの巣付近でサポートをするべく配置につくのだった。



 ◇   ◇   ◇



「リザードマンの巣は、ここから見渡せるな……壁を背にした造り、中々堅固なようだ」
 サラ=リロード・オルスアクアは、リザードマンが巣の近くに数匹見えるのを確認すると一緒に討伐する仲間へ視線を送る。
「巣の真上に倒れているというサリナさんを救出するには、ここで倒すか足止めをする必要がありますね。見たところ、剣を装備しているリザードマンが多いようですが……」
 峰岸 灰音はサラの視線を受け止め、リザードマンの動きを注視する。巣の周りを徘徊しているリザードマンは一見少なそうに見えるが、騒ぎがそれなりに大きくなれば中にいるリザードマンも出て来るかもしれない。
「2人で同時に突撃する事も出来ると思いますが……ここは冷静に対処して、サリナさんを救出するための時間を稼ぐ事を優先した方が良いと思います」
「そうだな、その為に私と灰音が居る。攻撃の手は、私が担うとしよう……灰音は、可能な限りリザードマンの注意を引き付けていてくれ」
 静かに頷いた灰音は、サラから距離を取ると【ガーナーライト】で自分の頭上に光を放った。

 突然の光源と共に、灰音に気付いたリザードマンは獲物とばかりに彼女へ攻撃を集中しようとした。リザードマンを引き付ける事に成功した灰音は、【ガードスタンス】で攻撃を受ける事に集中し、反撃を見せないようにするとリザードマンは彼女の行動につられて灰音を攻撃する事に集中する様子を見せた。
「くっ……」
 防御に専念する灰音だったが、2体、3体と増えてくるリザードマンに少しずつ押され始める。軽傷ではあるものの、ダメージが重なると灰音も後方に下がりながら巣からリザードマンを離す動きを見せ始めた。
 その動きに合わせるかのように、灰音を追いかけてリザードマン数体が前に出てくるとその背後を狙ったサラが【【テク】ブラインドタッチ】を活用して素早く接近し、【トリプルアサルト】で三連撃ををくらわせた。
「お前達の巣の上で救助を待っているのだ。安全に救助出来るようにトカゲ狩りといこう」
 灰音につられていたリザードマン1体を倒したサラは、続けて2体目へ【トリプルアサルト】を仕掛けようとしたが彼女の頬を矢が掠めた。

「サラさん! 後ろから弓を持ったリザードマンが……!」
 灰音はサラの後ろから弓で狙う姿を捉え、サラに知らせるが仲間を倒されたリザードマンは灰音からサラへ攻撃対象を変更しようとした。遠距離からサラを狙うリザードマンに、サラも躱そうとするがリザードマンは正確にサラへ狙いをつけて矢を放つ。
「これでは、近付けない……っ、奥の手にしたかったが【エイムスナイプ】を仕掛けるしかないか……?」
 サラの呟きを聞いた灰音は、【【ジョブ】サモナー】として一見ネズミに見える小動物を召喚して、弓を放つリザードマンへ突撃を仕掛けた。思わぬ反撃にリザードマンも足並みを乱され、弓で攻撃してきたリザードマンが壁に張り付いて移動を始めると岩場の隙間から巣に潜り込んでしまった。
「弓を扱うリザードマンか…厄介だな。出来ればここで叩いておきたい」
「そうですね、出来れば巣から離しておきたかったですが……追いましょう」
 逃げたリザードマンを追おうとするサラと灰音へケイティが呼び止めた。



 ◇   ◇   ◇



「待った、2人共」
 ケイティが2人の前に立つとリザードマンの巣を見上げた。
「今、追いかけようとしていたけれど……この巣は、キミ達にとって未知数のダンジョンなんだよ。中にどのくらいのリザードマンが居るか分からない状況で飛び込むのは危険だと思うよ」
 サラと灰音がしずくへ視線を移すと、しずくも静かに頷いた。
「まずは、巣の上に向かったニルヴァーナさんと水野さんが救出を終えるまでリザードマンを近づけないようにしましょう。もし、2人が襲われるような事があればあなた達の力が必要ですよー」
 サラと灰音は、ケイティとしずくと共に巣の上へ移動を始めた。

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