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夢の中で、誰かの声がした。
──「ねえ、どうしてそんなに知りたがるの?」
答えようとした瞬間、声は遠ざかり、光が滲んでいく。
その輪郭が消えていくのを見ながら、胸の奥が少しだけ痛んだ。
知りたい。
手を伸ばした先に、世界のすべてがある気がして。
まだ見ぬ何かに、理由もなく心が震えた。
ひとつ、またひとつ。
浮かんでは消える光の欠片を追いかける。
笑い声、涙、誰かの背中。
どれも知らないはずなのに、胸の奥がきゅっと締めつけられた。
誰も見たことのないものを見つけたい。
誰も知らないことをもっと、すべてを知りたい。
光の欠片をすくい上げながら、心のどこかが囁いている。
「まだ、終わっていない」――そんな気がして。
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あなたはシグ達と共に、新たに開けた道を進んで行くことに決めます。
その道は、入り口を見ただけで≪崩壊した何か≫であることがうかがい知れました。
「エンコード・ラボ…… 奴ら、ここで何を研究してたんだ?」
シグの問いかけに、キュリィが答えます。
「う~ん! なんだかわかんないけど、これは冒険心がくすぐられるシチュエーションだね~!」
目を煌めかせるキュリィを見て、あなたはこの状況に感じていた少しの不安が和らぐのを感じました。
ここを調査すれば、一気に真相究明に近付く事は間違いない。
誰もがそう感じています。
一方で、あなたはイゼルの様子を気に掛けてもいます。
イゼルはあなたの心配そうな視線に気付き、ふっと表情をゆるめて言いました。
「心配するな。任務と私情は別だ…… とは言い切れない心境だが、俺はちゃんと戦える。」
イゼルの父親は、息子である彼を認識すらできません。
謝罪すら叶わないイゼルの心境は、きっとまだ落ち着いてはいないのだろうとあなたの心は騒いでいます。
この一連の騒動でわかった、人が持っていて当然の感情を奪うという
あまりにも非人道的かつ無慈悲な政策。
それによって傷付いた仲間の姿を何度も目の当たりにして、心が揺れ、曇り、落ち着きません。
そんな感情に揺さぶられていると、肩をぽんっとと叩かれました。
「焦んな焦んな! だ~いじょうぶだって、イゼルの強さはお前も知ってるだろう?」
にこやかにそう言うのはシグ。
ふと、アモフィアとの戦闘時にシグが苦しんでいた姿を思い出します。
彼もきっと苦しいはずだと、何かを失っているのだと、切ない気持ちにのまれそうになります。
でも、あなたはそれを頭から振り払うようにして、シグに頷きました。
この感情の波とは、なんとも厄介だ。
そう思うあなたは、ソルヴァの支配者達がやろうとした事の意味を、少し理解できた気がします。
しかし、それでも彼等のやり方は到底見過ごせるものではありません。
シグが持つ“取り戻す”という目標────
それを胸に刻み直し、彼等と共に進んで行くのだと改めて自身に言い聞かせるのでした。
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「さ~て、れっつごー!!」
キュリィの明るい掛け声に合わせて、みんなでエンコード・ラボへ足を踏み入れます。
建物は崩落している部分が多数あり、先日探索した研究施設の表層とは比べ物にならない程の危険を漂わせています。
ヴーッ ヴーッ ヴーッ ヴーッ
「ありゃ!?」
突如鈍く鳴り響くサイレン音に驚く一同。
「しまった、警備システムがまだ生きてるのか……!」
イゼルは冷静に分析します。
エンコード・ラボは見るからに荒廃しきっており、もはや自律できるシステムは無いと思っていましたが、その予想は外れたようです。
『侵入者ヲ感知。直チ二現場ヘ向カッテ下サイ。』
前方より感じる、複数の“敵”の気配に、緊張が奔ります。
「っええ~い! ここまで来たら行くしかないよね!!」
サイレンの音を振り払うようにぶんぶんと頭を横に振り、思いっきり大きな声でキュリィが言います。
「その通りだぜキュリィ! ぜってーなんとかなるってか、なんとかしてみせるぜ!」
いつも通りの明朗な答えで突き進もうとするのはシグ。
しかし、走り出した瞬間からは、あの鋭い眼光と顰めた表情に一変します。
一直線に進んで行くキュリィとシグを見て、「ふぅ」とため息をついてから、イゼルがあなたに問いかけました。
「先に進まなければ取り戻せない。あんたも最後までついて来てくれるか?」
彼の問いかけに、あなたは当然とばかりに思い切り頷きました。
次の舞台は、エンコード・ラボ。
ここには一体、どんな秘密が隠されているのでしょうか。