――空に浮かぶ大陸、パラミタ。
エルピスオリジンがパラミタにたどり着き、“最初の女王器”の封印を解くことができるようになりました。
アムリアナ女王の前で、エルピスオリジンは驚くべきことを語ります。
最初の女王器は、この世界が始まる前の
“一周前”に作られたものである。
その役割は、
“創造主”との対決を可能にするというもの……。
“創造主”は終焉と創世を繰り返して集積された
絆の力の集合体。
彼らは
未来に絶望し、終焉をもたらす存在だと、エルピスオリジンは言いました。
そして――。
■ □ ■
――
イーダフェルト
「では……始めます!」
エルピスが“最初の女王器”の棺を床から引き出し、
エルピスオリジンがその封印を解きました。
中から表れた光の塊はゆっくりと一条の槍へ姿を変え、
アムリアナ女王の手元に向かいます。
「……私に使えということですね」
最初の女王器を使って“創造主”を出現させれば、世界を危険にさらすことになる……
エルピスオリジンからそう伝えられ、シャンバラ王国は世界中と連携して準備をしてきました。
しかし、その引き金が自らの手にゆだねられるというのは、すさまじい重圧でした。
女王――ジークリンデはこれまで何度も契約者を死線へ送り出してきましたが、
今度の戦いはパラミタと地球の全体を巻き込むものになるでしょう。
「大丈夫」
「理子……」
「向こうも私も、やりたいようにやっているだけ。
暗い顔で正義ぶっていても、そこは変わらないわ」
“最初の女王器”を握るジークリンデの手に、
高根沢理子がその手を重ねました。
「……そうね」
そして、意を決したアムリアナ女王が槍を掲げると――その穂先から、空へ向かって光の筋が伸びます。
光の筋は空を薙いで裂け目を作り、しばらくすると
巨大な光の塊が空中に出現しました。
「出ましたっ! “創造主”です!」
エルピスオリジンが叫びました。
「
これより、“創造主”の破壊を目的とした決戦が始まります。
契約者のみなさん、この戦いで……未来を、我らの手に掴みましょう!」
■ □ ■
――
パラミタ上空 マ・メール・ロア
「前線、砲撃を開始!」
金鋭峰の指示で、空中に展開されたイコン部隊が光の塊……“創造主”に砲撃を行います。
砲撃は命中していますが、あまりにも敵が巨大なため、効果が分かりません。
さらに、“創造主”は徐々に光の粒になって散り続けており
一部が前線に向かって
大型の敵の群れとなって殺到しています!
「ゾディアックも控えてはいるが……そこまで到達されれば、人類の半分は光に潰されているだろう。
全部隊、創造主の欠片を迎え撃――」
『カチコミじゃああああああ!!!!』
凄まじい出力の電波とテレパシーで怒号が聞こえたかと思うと、
雲海から
巨大な要塞が現れ、“創造主”に突撃していきました。
「あれは……万魔殿!?
エターナルクイーンが生きていたのか……!?」
無数の破片を粉みじんにしながら、万魔殿は“創造主”と衝突。
砕け散り、爆発しながら、周囲の空域にエターナルクイーンの高笑いが響き渡りました。
『わらわの生に、わらわの世界にケチをつけるでないわ!!!! 光っとるだけのクソボケどもがーーーーっ!!!!』
文字通りの玉砕ですが……“創造主”の背後にあった、空間の裂け目が消滅していることに、
御神楽環菜が気づきました。
「創造主に逃げ道はなくなったわ。
――やるかやられるか、
正真正銘の決戦、ということね」
■ □ ■
――
蒼空学園
「出やがったな、偽物!」
「偽者じゃねえ……前の世界のお前だ」
山葉涼司と
花音・アームルートの前に、彼らとそっくりの人型の光が降り立ちます。
“創造主”は元をたどれば、終焉を迎えた世界の契約者たち。
終焉と創世が繰り返される中で、同じような人物が“創造主”の一部となり、
本体が自壊するさなかに、一時的に形を取り戻しているのでしょう。
「私たちが世界を滅ぼしているのは、その先の未来に緩やかな死と絶望だけが待っているからです。
終焉は新たな始まり。悲しむ必要はありません」
花音そっくりな光は語り掛けますが、二人は首を横に振ってこたえました。
「それはあなたたちの理屈です!」
「
俺たちの未来は、俺たち自身が決めるんだよ!
納得させたきゃ……わかるよな?」
決断的にそう言い放ち、光に対峙する涼司と花音。
そして、光に向かって斬りかかりました。
「まったく……バカは死ななきゃ治らないみたいだな!」
■ □ ■
こうして――
世界に終焉を齎す
“創造主”との決戦が始まりました。
パラミタと地球の未来は、契約者のみなさんに委ねられたのです!