クリエイティブRPG

――閉じられたゲームの世界ＫＯＤＣ（コドク）。

それが突如ＲＷＯと繋がり、サルマティアの街に影の球体が出現するという事件が起こりました。

24時間騎士団をはじめとした冒険者たちの活躍によって
影の球体は破壊され、ＫＯＤＣのサバイバーたちも無事自分のゲームへ戻っていきました。

その数日後。

◆　◇　◆

――ＫＯＤＣ、クランズオアシス。

「蟹に試合を申し込む」

インカネーターモモは、大和塾のチーム内チャットでつぶやきました。
反応したのは、チャットを見ていた大和塾四天王のトガシです。

「蟹――“ファイト・クラブ”と構えるのか？　またどうして……」

ファイト・クラブとは、ＫＯＤＣ三大勢力のひとつ。

大和塾とイレブンズに並ぶ大規模なチームでありながら、謎に包まれた集団で
リーダーＫＯＮとその直属が顔を隠していることから“無面の生存者”とも呼ばれています。

「たぶん、ＫＯＮは渾沌王だと思う」

「コンだけに？笑笑

　……ぐえっ！」

「茶化さないで」

一番隊隊長キング・ショーのリアクションに、モモは膝蹴りを入れました。
それだけモモにとって真剣な話だったのです。

渾沌王（こんとんおう）。
それはシャドーステートの支配者にして、ＫＯＤＣ運営のトップの名前でした。

アクアマリンをはじめとしたＫＯＤＣ殴り込み勢は、
ＲＷＯにインカネーターを送り込んでいるのも
この渾沌王だと考えています。

「リーダーのＫＯＮとは、受肉戦で戦ったことがある。
　カゲ＝カタよりも古いバトルタイプ――絶対、ベータ版の立ち回りだった。

　ベータ版を生き残った最強のテスターが渾沌王だとしたら、あいつしかいない」

シャドーステートの支配者・渾沌王がＫＯＤＣを遊んでいる。
それがアクアマリンやツバキの情報をもとに
モモが導き出した結論でした。

彼女は渾沌王に接触する必要があり、その手段を探していたのです。

しかし。

「それだけじゃないだろ、モモ」

トガシは、モモの目的が渾沌王だけではないと知っていました。
モモの眠そうな瞳の奥に、秘密が隠れていることを見抜いていたのです。

「……ロリィがファイト・クラブに入った。
　決着をつけたい。
　
　あれはもう、ロリィじゃないから」

モモのかつての相棒、ロリィ。
彼女はキングスバレーに潜み、大型モンスター・シャドウホエールを操って
多くのプレイヤーを恐れさせていました。

サバイバーたちの活躍によってシャドウホエールは撃退されたものの
ロリィ自身はそこから逃走。
以降、行方知れずとなっていました。

その見た目は影の呪いが人型をしているとでもいうべき姿をしており
おおよそ普通のサバイバーではありません。

「相棒だったんじゃないのか？」

「ロリィは受肉戦で死んだ。
　あれは呪いが独り歩きしてるだけの、性癖の抜け殻だよ」

モモが感情を押し殺していると、トガシやキング・ショーにも伝わります。
たとえ本物でなくとも、相棒を手にかけるということには変わりなく
その事実は、モモに重くのしかかっていたのです。

「『今度会ったら殺して』――それが、ロリィの遺言」

チャット欄に重苦しい空気が立ち込めます。
そのとき。

「なら、露払いは私がやろう」

「アクアマリン……！？」

静寂を破ったのは、アクアマリンでした。

「話はトガシから聞いた。
　お前がロリィと戦っている間、他のサバイバーは私たちが引き受ける。
　
　ＲＷＯからお前を探しに来たフレンドも、きっと協力してくれるさ」

「……なんでそんなに優しいの」

「決まっているだろう、私たちは――」

そこまで言って、アクアマリンは突如姿を消しました。
『そのアカウントは存在しません』という表示を残して。


◆　◇　◆


――？？？

「あ、アクアマリンだ」

そう言ったのは、行方不明になっているはずのニコルとおじさんでした。
同じ場所には、なぜか24時間騎士団のクレインやツバキ、オニキス、アヴィ、セルジュもいます。

「ここは……？」

「ＢＡＮ用の隔離スペースらしいわ。
　『危険なＭＯＤをＫＯＤＣに導入した』とかなんとか……」

クレインは過去にＲＷＯ運営と協力して、ＫＯＤＣにＲＷＯの能力を組み込むＭＯＤを開発しています。
その報復措置として隔離されたのだろうと、クレインは語りました。

「ＲＷＯにインカネーターを送り込んでおいてよく言うわよね、まったく」

「こっちのドアっぽいの、近づいたら敵が湧くぞ！
　暇つぶしになるな！」

アヴィはセキュリティとして出現しているであろうモンスターを狩っていました。

「こんなところで油を売っている場合ではない！
　モモのために、渾沌王と戦わなければならないというのに……」

おじさん――リリーベル・ツバキオオジはそれを聞いて目を丸くしました。

「渾沌王は影の呪いの始まりって言われてて
　めちゃくちゃ強いんだケド……大丈夫？(;^ω^)」

「大丈夫ではないからこうして悩んでいるんだ！」

「落ち着いて！
　ＲＷＯには連絡が通じたから、脱出方法は見つかってるわ。
　だけど――」

そして、クレインはアクアマリンに一通のメッセージを見せます。
ニャンテック社ＣＯＯのさんぜんかいいきたねこからです。

『ほかのゲームのアカウントをロックするなんてふざけてるニャ！
　ハッキングして出してやるから、これから書くことを実行してほしいニャ。
　
　１．24時間モンスターを狩りまくって処理落ちさせる。
　２．15人以上、オープンチャットで秘密を告白する
　
　以上ニャ』

「ここには8人しかいないじゃないか！」

絶望するアクアマリン。
しかし、セルジュが「心配するな」と肩を叩くしぐさをします。

「みんなにも配信で声かけたからさ」

セルジュの配信画面のタイトルは『結成！　24時間生き残り隊！！』。

それは24時間騎士団と全力で生き残り隊、ふたつのグループが
力を合わせて戦うということを表していました。

◆　◇　◆

――再び、クランズオアシス。

「モモ。また戦えて嬉しいぞ;p」

アクアマリンが消えた後、モモの前の前に現れたのは、ケンタウロスのような見た目をした異形のサバイバー。
顔のないヘルメットに、「てへぺろ」を表すエモーティコンを映しています。

それがＫＯＮ――チーム「ファイト・クラブ」のリーダーの姿でした。

「ＫＯＮ……あんた、渾沌王でしょ」

「lol（面白い！）直球で聞いてくるとは予想もしていなかった:o
　もっとも、『予想』という言葉自体、余の辞書にはないがな:D」

にこっと笑うエモーティコンを表示したＫＯＮ。
その背中に、突然黒い影の少女が現れました。
モモの元相棒、ロリィです。

彼らは今回の試合で、最も注意すべき危険なサバイバー……
モモは警戒を露わにします。

「そーそー、コンちゃんって先の事を知るのが大嫌いなの。
　でもさ、だからって目も耳も鼻も全部塞いじゃうのはやりすぎだよね。
　モモもそう思うでしょ？」

「こらこら、ネタバレ厳禁だぞ。
　余はネタバレをされるのがこの世で最も苦痛なのだ:(
　
　モモにも申し訳ないことをしたなX(」

「いや、見ればわかるから……それより答えて。
　あんた渾沌王だよね」

モモはＫＯＮに改めて問いかけます。
しかし、それに答えることなくＫＯＮは背を向けて立ち去りました。

「絶対教えないぞ;)
　知りたければ余に勝って確かめるがよい:)))」


◆


こうして。

インカネーターにまつわる事件の元凶と目されるＫＯＮが姿を現し、
モモとロリィは因縁の対決に臨みます。

しかし、相手の戦力は不明な部分が多く
大和塾は臨時のチームメイトを募っています。

その一方で24時間騎士団と全力で生き残り隊は
隔離された空間から脱出すべく、24時間生き残り隊を結成。
冒険者とサバイバーに協力を求めていたのでした。

ＫＯＤＣ（コドク）編トリガーシナリオ
『カゲノケンカ』をお送りします。

関連クエストとして、ただいま

「シャドーバン」

が公開されております。
シナリオへの理解がより深まる内容となっておりますので、
ぜひチェックしてみてくださいね！

【2022年1月21日追記】
インカネーションタグと交換可能なアイテム・スキルが追加されました！
また、1月27日（木）中までにインカネーションレートが3000に到達すると

・記念称号「ゴーストサバイバー」
・追加スキン【グリーンリザード】
・追加バトルタイプ【ハイドガンナー】

をもれなくプレゼント！
※プレゼントはアカウントごとに行われます。

■シナリオ参加報酬について
本シナリオで全体が成功した場合、基本受肉レートがプラスされます。
またシナリオ参加アカウントごとに１つ、「インカネーションタグ」が課題でプレゼントされます。
※課題での獲得は1月21日（金）中に可能となります。

さらにシナリオ内で活躍したキャラクターには
リアクション公開後、追加でプレゼントされる場合があります！
本シナリオではチーム（グループアクション）でご参加の場合、チーム全体に付与が行われます。

各キャラクターのインカネーションレートや、交換可能なアイテムについての詳細はコチラをご確認いただけます！

■基本的な情報
大和塾、イレブンズに続くＫＯＤＣ三大勢力のひとつファイト・クラブ。
リーダーＫＯＮこそインカネーターの支配者渾沌王である……

これまでアクアマリンやツバキが調べてきた情報を総合して、そう考えたモモは
勝って事実を確かめるべく、大和塾としてファイト・クラブに試合を挑みました。
呪われた影の海原を戦場とする、シンカー戦が今回のマッチです。

モモに加勢しようとしたアクアマリンでしたが
『違法なチートＭＯＤを持ち込んだ』という名目でＫＯＤＣ運営によってアカウントをＢＡＮされ、
ゲームから隔離されたフェイルセーフルームに転送されてしまいます。
ルームにはチート行為の手助けをしたとしておじさんやニコル、
さらにはＲＷＯの24時間騎士団も閉じ込められていました。

脱出するためには力を合わせて24時間モンスターを狩り続け、サーバーを処理落ちさせなければなりません。
そして15人以上が自分の秘密をオープンチャットに書き込むという極めて高度なセキュリティもかかっており、
冒険者とサバイバーの皆様の協力が必要です！

■シンカー戦について
【１】【２】のフィールドとなるシンカー戦は、
沈むと敗北扱いになる影の海原でモンスターを足場にしながら戦うという試合形式です。

もともとは子供向けに作られた、お菓子モチーフの可愛らしいマップだったようですが
バグによって黒い影に覆われてしまい、しかもＫＯＤＣ運営がそれを放置しているため
現在の試合形式でユーザーに定着してしまったそうです。

モンスターはサンドシャークやシャドウホエールなどのほか、
サボテンやラクダの形をしたモンスターが水面を泳いでいます。
サイズは大小さまざまで、中に入ったり遮蔽にしたりすることができるため
足場さえ気を付ければ、一般的な砂漠の廃墟と同じ感覚で戦うことができるでしょう。

また時間が経つにつれてモンスターが内側へ泳ぎ、戦場が縮まっていきますが
同じモンスターに乗っていると沈んでしまいます。


【１】ファイト・クラブと戦う　難易度７（９）
※KODCのゲーム内で行われる試合のため、RWOのアバターは難易度が９となります。

ファイト・クラブは、通称「蟹」と呼ばれているＫＯＤＣ三大勢力のひとつです。

三大勢力の中でも最も謎めいたチームであると言われていますが、
ガードの防御力と移動力で仲間をけん引する、守備寄りの手堅いチームであるとのことです。
そしてアサルトはガードから補給と援護を受けつつ、固まって厚い弾幕を張る形で攻撃を仕掛けてきます。

また、ＫＯＮに誘われたモモの元相棒ロリィが
ファイト・クラブとして参加しており、モモの行く手を阻みます。

ロリィは自前のシャドウホエールで影の水面を進み、仲間のアサルトに攻撃させる戦術を取っています。
彼女自身は分厚い盾とメイスという脳筋めいた武装ですが、基本的にはホエールの中から支援に徹しているようです。

モモはＫＯＮとの戦いの前に、ロリィと決着をつけるつもりでいますが
ロリィ自身は「（生意気な女児のロールプレイをしながら）本気で戦って負けたい」という願望を持っているため
モモ以外にも強そうな相手がいれば積極的に挑みかかるつもりでいるようです。

※このパートにはモモが参戦します。

【２】KONと戦う　難易度８（１０）
※KODCのゲーム内で行われる試合のため、RWOのアバターは難易度が１０となります。

全員仮面をしているため互いの顔も知らないという、ファイト・クラブのトップ集団メイヘム。
それをまとめるのが、リーダーのＫＯＮです。

メイヘムは大半のチームメンバーと異なり攻撃的な編成で、
ガードもグレネードやタレットなど火力重視の武器でまとまっています。

そしてリーダーのＫＯＮは狙撃から白兵戦まで対応できる大型の弓を持ち、
影の呪いの力によって空を飛ぶことを可能としています。
また通常の矢のほか、後半身には装甲や防壁を破壊する徹甲矢を放ってくるようです。

大和塾のメンバーであるトガシとキング・ショーは
ロリィと戦っているモモの代わりに、部下を率いてＫＯＮと戦うようです。

※このパートには大和塾のトガシ、キング・ショーが参戦します。


【３】24時間生き残り隊に加わる　難易度８
※それぞれのゲームから転送されるため、RWOとKODCどちらのアバターも同じ難易度です。

フェイルセーフルームは、広々とした四角い空間で
そこに閉じ込められた24時間騎士団と全力で生き残り隊は
24時間生き残り隊を結成、協力して脱出を試みています。

しかし出口に近づくとモンスターが際限なく出現し、近づくことは困難。
ニャンテック社ＣＯＯのさんぜんかいいきたねこによると、
24時間モンスターを狩り続けて処理落ちさせることで、その隙にハッキングができるとのことでした。

また、派手なスキルやアイテムを使ってサーバーに負荷をかけることで
より脱出しやすくなるようです。

モンスターはＲＷＯやＫＯＤＣで一般的な姿をしていますが
中のデータは専用に強化されています。

ですが、その前にまず15人以上が自分の秘密をオープンチャットに書き込む
という極めて高度なセキュリティを突破する必要があります。

この場にいるのはニコルとおじさん、アクアマリンのほか
セルジュ、クライン、アヴィ、ツバキ、オニキスの合計8人。
つまりあと7人分の秘密がなければ、セキュリティを破ることはできないのです！

それでは皆様のご参加、アクションをお待ちしております！

【2022年1月21日追記】
インカネーションタグとの交換、到達プレゼントについて追記いたしました。<