クリエイティブRPG

ワンダーランド

名も無き少女の物語 後編

リアクション公開中!

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名も無き少女の物語 後編
基本情報

マスター:クリエイティブRPG運営チーム
ワールド:ワンダーランド
 
 

料金

MC参加:150ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2022年02月10日公開!

シナリオガイド

少女の物語が紡ぐ運命に抗い、黎明の世界を終息させよう!

シナリオ名:名も無き少女の物語 後編 / 担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム



 ――“空想の世界”ワンダーランド。

 「昼」と「夜」とが分かたれた世界で、
 “アリス”と呼ばれる者たちが「空想の欠片」を手に激しい戦いをしていたのはほんの少し前。
 世界の「夜」は落ち着きを見せ、徐々に平穏が訪れ始めていました。
 
 しかしワンダーランドに現れた謎の青年と少女の暗躍により、
 “運命の筋書き”による物語に見立てた悲劇がワンダーランド各所で起こってしまうのでした。

 少女デミはワンダーランドの中で「黎明の世界」を生み出そうとしていましたが
 特異者たちはそれを中断させることに成功し、「黎明の世界」は膨張を止めました。
 さらに事態の収束を目指す特異者たちですが、エラダムに一般人の心を移し孵化させたエラダム完全体が数体確認されており
 “運命の筋書き”が強く働いているその世界を守ろうとしているのでした。

□ ■ □ ■ □ ■ □


 膨張を止めた「黎明の世界」。
 しかし依然として朝焼け空が古城を中心とした広範囲に広がっており、
 周辺の街をその美しい世界の中に取り込んでしまっていました。

「うふふふふ、わたくしは泉の女神。
 あなたがこれから落とすのはその首ですか? それともその命ですか?」

「我が妹、グレーテルちゃんにふさわしい子はどこかなぁ? 君も違う、お前も違う――♪」

 エラダム完全体泉の女神は男性に問いかけを繰り返しては回答した者を足元に湧く泉の中に沈め、
 ヘンゼルは女性を捕らえては舐め回すように品定めをした挙げ句にゴミのように投げ捨てています。
 彼らの暴虐に人々は怯えきってはいますが、逃げるどころか自分からエラダム完全体に近づいている様子です。

「あれも“運命の筋書き”なのだろう。察するに自らを差し出す運命でも刷り込まれているのだろうか。
 そして私も……泉に沈められる列に並んだほうがよいだろうか……」
「しっかりしろ、おっさん」
「ぐうっ! ……ああ、ワンダーウォーカーの貴殿に定期的に殴られないとあの運命に私も飲まれてしまう」

 白の騎士はすでに渋蔵鷹人に何度か殴られているらしい頬を擦りながら、
 それでも冷静な眼差しでエラダム完全体たちの討伐に向け剣を構えます。
 黎明の世界ではその全域で“運命の筋書き”が発生しているようでした。

□ ■ □ ■ □ ■ □


 ――古城内。
 アデルたちは黎明の世界を消滅させるべく、城の中のどこかにあるとされる“核”を探していました。
 時計ウサギ曰く、それを破壊できれば今の不完全な状態の黎明の世界ごと消滅させられるというのです。

「それにしても、随分とすんなりお城に入れたもんだよねー」
「……てっきりエラダム完全体とやらが侵入を阻むものかと。
 それに、城内に“運命の筋書き”が働いていないらしいのも嫌な違和感がある」

 ルージュミチルは腑に落ちない表情ながらその足を止めません。
 ワンダーウォーカーやワンダーテラーではない彼女たちはまた“運命の筋書き”に囚われる可能性が高いのですが、
 今の所そのような変化は起きていないようなのです。
 しかし彼女たちの後ろを走るアデルは緊張したようにごくりと唾を飲み、小さく呟きました。

「気付けていないだけなのかも、まだ」

 と、その時先を行くルージュが「こっち!」と声を上げました。
 アデルと特異者たちが駆けつけると、広い中庭の中心に太陽のように輝く巨大な光球が鎮座していたのです。
 そして、それを守るように静かに佇んでいたのはエラダム完全体の赤い靴の少女ウシワカでした。

「神様が与えてくれた運命はこの美しい世界の中できちんと動いていますことよ。
 『多くの客人たちと楽しく自由に遊ぶ』ことこそがこの世界の運命であり、わたくしたちが生まれ変わった理由ですわ」
「……城への侵入を許したというよりも、私達は招かれたということか。『遊ぶ』の定義は曖昧なようだけど」

 ミチルの言葉に赤い靴の少女は上品に微笑みました。
 まるでミチルを始めとした“運命の筋書き”に耐性の無い者が無意識に戦いを求めようとしているのを見透かすように。
 それまで刀を抱えて黙り込んでいたウシワカも静かに殺気を帯びた視線を特異者たちに向けました。

「この世界は壊させやしないよ。この世界は……この運命は、ボクたちに必要なんだ。
 自由に生きていいことを運命付けてもらえる幸せなんて、前の身体では考えられなかった」

 弱々しい印象とは裏腹に強い信念を感じさせるウシワカの言葉に怯まず、アデルが一歩を踏み出します。

「どうやら……あなた達の孵化が特に早かったのには理由があったみたいだね。
 だけどわたしたちはこの世界の存在を許すわけにはいかないんだ!」

□ ■ □ ■ □ ■ □


 ――古城の中心に近い大広間。
 まるで童話の中ならば舞踏会が行われそうなその部屋で、少女はクレヨンを握りしめて絵を描き続けていました。

「お姫さまに、魔王に王さま。天使も妖精さんも、みんなみんなこのお城に集まってデミと遊ぶのよ。
 すてきな物語、デミだけの世界」

 大広間に集まりだす特異者たちの足音にデミは楽しそうに顔を上げました。
 その中に時計ウサギの姿を見つけ、彼にしたことなど何も無かったかのように無邪気に手を振る始末です。

「これはこれは先生、本日も素敵な発想にございます。その物語の仕上げは私達にも手伝わせていただけませんか?」
「……だめ。これはデミの世界なの。
 デミはね、世界を創るために生まれてきたから。デミの世界じゃないと意味がないの」

 自分の邪魔をしに来たのだろうと察した途端デミの表情は途端に曇り、ふてくされるような顔で俯きました。

「しかし、先生……」
「ウサギさんはいつもデミのなまえを呼んでくれないね。
 ……“デミ”が“わたし”じゃなくてあの人の名前だって、ほんとは知ってるよ」

 その言葉に時計ウサギは目を見開きます。
 ゆっくりと立ち上がるデミに呼応するように、その場の“運命の筋書き”に耐性の無い者たちが前に出ました。
 デミと楽しく遊ぶ――つまり血腥い戦いを行うことになる覚悟を否応なしに決められてしまうのです。

「ど、どゆことなのよ!? 解説たのまいなのよ!」
「以前お話しました通り、先生はデミウルゴス様の分身のような存在なのです。
 それを先生自身自覚している……ということでしょうか。しかし、お伝えしたことも無いのになぜ――」

 戦戯嘘にゆさゆさと揺さぶられながら、時計ウサギはハッとして特異者の方へ視線を遣りました。

「ワンダーウォーカーの力がデミウルゴス様の自我と先生の自我を切り離し、
 本来であれば先生が辿れなかった運命を切り開こうとしているのでしょうか。
 それなら、本当に……先生に人らしい心を芽生えさせることも可能かも知れません」

 彼の話によると、デミウルゴスは分身の少女を生み出す際に
 慈しみや倫理など創造の妨げになるあらゆるものを削り“デミ”を完成させたのだと言います。
 削除された感情を取り戻せれば、もう悲劇を無邪気に繰り返すこともなくなるだろうと彼は考えているようです。
 しかし嘘はそれを聞いて複雑な表情をしました。

(んむむ……けど、本当にあの子に人の心を持たせていいのかしら)

 ――仮に人の心が生まれたとしても、罪の意識に、自らの力の大きさに、自分を利用しようとする悪意に耐えきれずかえって幼い心が潰れてしまうのがオチだ。
 ここへ来る前に左脳がそっと伝えたその言葉が嘘の中でずっと引っかかっているのです。

「それより、たくさん“登場人物”が集まってくれてうれしい!
 ねえみんな、またデミといっぱいいっぱい遊ぼうよ」

 デミがクレヨンを宙に滑らせると、大広間に次々と土を積み上げたような不気味なかたちのエラダムが現れたのでした――。

担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

「ワンダーランド」のトリガーシナリオ、『名も無き少女の物語 後編』をお届けします。
どなたでもご参加頂けますので、お好きなパートをお楽しみ頂ければ幸いです。

また、関連クエスト「kidding kids」が公開中です。
本ガイドだけでも基本的な情報だけはわかるようになっておりますが、
プレイするとより理解の深まる内容となっておりますので是非チェックしてみてください!

今回がシリーズの最終回とはなりますが、本シナリオで特に活躍された方は、
2022年1月公開予定のシナリオに招待を出させていただきます!

■基本的な状況
デミが創り出そうとしている「黎明の世界」の膨張を止め、ワンダーランドの崩壊を防いだ特異者たち。
しかし黎明の世界の存在自体は継続しており、内部では強い“運命の筋書き”が働いています。
これに巻き込まれた周辺の街ではエラダム完全体による襲撃も行われているようでした。

一方、エラダム完全体の個体数を十分に稼げなかったデミは、特異者たちを登場人物の代わりとして古城の中へと招き入れます。
彼女は多くの者と楽しく遊ぶ世界を夢見ているらしく特異者たちに戦闘を仕掛けてきますが、
城内に入れたのは黎明の世界の“核”を壊すチャンスだとしてそちらへ向かった特異者たちもいました。

◆運命の筋書き
このシナリオでは、人々が物語に沿って動くようになる強制力『運命の筋書き』が働いています。
今回の事件でモチーフになる物語はありませんが、どうやら「多くの者と楽しく自由に遊ぶ」という筋書きがベースに働いているようです。
もちろん「楽しく遊ぶ」というのは「戦闘を行う」という意味合いのようで、必要以上に戦闘に固執してしまうなどの影響があります。
この運命の筋書きは基本的に全パートでPC、NPCに対して有効となっています。
“舞台の外”に位置するワンダーテラーとワンダーウォーカーは『運命の筋書き』に囚われることはありません。

また、今回は全てのパートにおいて周辺が「黎明の世界」となっています。
そのため、全てのパートで【昼】【夜】の全てのスキル・アイテムが使用可能になります。
【2】パートで黎明の世界が消滅した後も、当シナリオ中はこの効果は持続します。

■運命の打破
多くの人を巻き込む『運命の筋書き』が打ち砕かれると、果たされなかった運命が結晶化して何らかの形を取ることがあります。
このシナリオで特に貢献された方には、結晶化された運命がその活躍に応じた形を成し強力なアイテム等として現れることがあります!

 ★ワンダーウォーカーの力
運命を切り拓く力を持つワンダーウォーカーは、ワンダーランドではより活躍しやすい性質を持ちます。
ワンダーウォーカーをメインアバターにして参加すると、本人のアクションに限り全てのパートの難易度が【-2】となります。


 ★「空想の欠片」の使用

 当シナリオでは空想の欠片の能力を使用する事が可能です。
 能力を使用したい場合、グランドシナリオのリアクション公開時に発行されました称号をセットしてアクションを投稿して下さい
 ※必ず使わなければならない、というわけではありません。

 なお、当シナリオでは「アリス×リバース」本編とは異なり、空想の欠片の解放はできませんので、予めご了承下さい。



【1】【黎明】エラダム完全体たちを倒す 難易度:8
エラダム完全体の「泉の女神」と「ヘンゼル」が、黎明の世界に取り込まれた周辺の街に現れました。
彼らを止め、街の人々を守り抜きましょう。

・泉の女神について
神出鬼没で、足元に泉を湧かせてその中から現れたり泉の中を泳いで素早く移動したりします。
鋭い牙を隠し持っており、泉の中に引きずり込んで窒息させた相手を噛みちぎろうとしてきます。
男性に深い恨みがあるらしく、基本的に男性を襲います。

・ヘンゼルについて
可愛らしい少女が好みのようで、自分の妹のグレーテルにしようと女性を襲っています。
小石を操る魔法を得意としており、小石を爆弾のようにして遠距離から広範囲に攻撃を行ったり、
落としてきた小石の場所まで瞬間移動をして相手を翻弄します。

泉の女神とヘンゼルは仲が悪いようで、特に共闘などせず別々に行動しています。

このパートの“運命の筋書き”は泉の女神とヘンゼルが主軸にされているようで、
運命の筋書きに囚われると彼らが楽しく遊ぶために身を捧げてしまいそうになるようです。
ただ、幸い古城から離れているおかげか効果は強くなく、
ワンダーウォーカーから何らかの働きかけがあれば運命の筋書きは比較的容易に解除されるようです。

※このパートには、渋蔵 鷹人、白の騎士、笛吹き男が登場します。

【2】【黎明】黎明の世界を消滅させる 難易度:10
古城内にある「黎明の世界」の核を破壊し、黎明の世界を消滅させます。
核は発光する巨大な球体で、高い攻撃力を以て攻撃を続ければ破壊可能です。
ただし自己修復する性質があるようで、攻撃し続けることが重要となります。
また、このパートで早く「黎明の世界」を消滅させることができれば、
【3】パートでデミとの戦いの難易度が下がります。

核はエラダム完全体の「赤い靴の少女」と「ウシワカ」が守っています。
赤い靴の少女は強化された脚力を駆使して踊るように肉弾戦を行い、
ウシワカは敏捷な動きでの刀での近接戦闘を得意とします。
いずれも“運命の筋書き”により強化された非常に強力なエラダムのため、注意が必要です。

さらに赤い靴の少女とウシワカはより強力な“運命の筋書き”を分け与えてくることがあります。
これは基本アバターだけでなくワンダーテラーにも有効となり、
無意識に周囲を大きく巻き込んだ戦い方をしてしまう可能性があるため注意が必要です。

※このパートには、アデル、ミチル、ルージュ、が登場します。

【3】【黎明】デミと“遊ぶ” 難易度:12(9)
全ての元凶である少女デミと戦うパートです。
デミを完全に倒す、または今までの凶行を悔い改めるような心を芽生えさせることを目的としています。

デミは笛吹き男の一件で特異者たちと「遊ぶ」ことに楽しさを見出したようで、
今回も以前よりさらに成長した力を使って戦いを挑んできます。
デミは基本的に大量のエラダムを生み出し戦わせるスタイルですが、
今回は特異者の攻撃スタイルを見て学習しエラダムに模倣させることができます。
時間が経てば経つほどデミが様々な攻撃方法を覚えるため、短期決戦が望ましいです。

さらに、「黎明の世界」が存在している間はデミとエラダムたちは強化されています。
デミへのあらゆるスキルは無効となり、エラダムの攻撃力・防御力共に高まります。
また、この場の“運命の筋書き”が強力になり耐性の無い者は一時的にバーサーカー化してしまう可能性があります。
これは基本アバターだけでなくワンダーテラーにも有効なようです。
【2】パートで早く「黎明の世界」を消滅させることができれば、
当パートの難易度はに下がります。

デミの興味を引こうとする場合は、「魅力的な登場人物になりきる」ことが重要となります。
童話のキャラクターや自分の考えたキャラクターの魅力を伝えるような戦闘を行うことで、
デミに一緒に物語を創りたいと思わせることができれば彼女は心を開きやすくなるでしょう。
また、ワンダーウォーカーであればそれに加えてデミに存在しなかった人の心を生み出せる可能性もあります。

※このパートには、戦戯 嘘、時計ウサギが登場します。


★アバター死亡/停止判定
本シナリオでは、難易度を鑑みず無茶な行動をしたとき、勝てない敵と戦ったときなど、
特異者が死亡する、あるいはアバターが機能停止に陥るケースがあります。
そうなった場合、一定期間アバターチェンジできなくなります。
ただ、アバターが死亡したことで別のアバターで再度参加したとしても、過去の功績などが消えることはありません。
死亡の場合は「死んだと思っていたが、実は生きていた」扱いとなります。
なおNPCも例外ではなく、NPCの場合はアバターのみに限らず本当に死んでしまうこともございます。

それではみなさんのご参加とアクションをお待ちしております。

【2022年2月7日追記】
リアクション公開予定日を『2022年2月10日』へ変更させていただきました。
ご参加頂いたお客様にはお待たせしてしまい大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。


【2022年1月11日追記】
リアクション公開予定日を『2022年2月8日』へ変更させていただきました。
ご参加頂いたお客様にはお待たせしてしまい大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。

【1】【黎明】エラダム完全体たちを倒す 【現在のMC参加人数:10】

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【2】【黎明】黎明の世界を消滅させる 【現在のMC参加人数:11】

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【3】【黎明】デミと“遊ぶ” 【現在のMC参加人数:18】

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