三千界のアバター

≪GOE≫地よりとぶもの、空をおりるもの・後編

リアクション公開中!

≪GOE≫地よりとぶもの、空をおりるもの・後編
基本情報

マスター:三千界のアバター運営チーム
ワールド:ガイア
 
 

料金

MC参加:150ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:4
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2018年03月13日公開!

シナリオガイド

空を衝く土の柱を見上げる、ひとの群れ。

シナリオ名:≪GOE≫地よりとぶもの、空をおりるもの・後編 / 担当マスター:三千界のアバター運営チーム


「……う、う? ここは……」

トレント・ゴアが目を覚ましました。
見覚えのない天井と、一様に自分を見下ろすたくさんの顔。
いずれの顔も、心配が半分、喜びが半分といった複雑な表情をしています。

「やっと起きたか、トレント爺さん。ここはヨークシティの病院だ。ふぅー……」

そんな顔の一つ、バリー・クロスビーは、心底安心した様子でそう言いました。
バリーの顔は傷だらけで、まるで誰かに殴られたかのようにところどころ腫れています。

「バリー、か? 俺ぁ、どうしちまったんだ……? って、なんだ、これ」

身体を起こしたトレントは、身体の異変に気付きました。
首のあたりに、金属製のマフラーのようなものが取り付けられていたのです。
それだけではありませんでした。トレントは身体中に得体の知れない違和感を覚えます。

「まさか、こいつぁ……」

トレントは自分の身に起きたことを思い出しました。
人質としてケイ・フリーマンに捕縛され、ノーマとの交換材料にされそうになったこと。
そして、それを防ぐために自ら首を掻き切ったこと。
そこでトレントは死んだはずでした。しかし今、彼は生きています。

「説明するのは僕の責任だろう」

バリーはいつになく神妙な面持ちで、まずはあの後、トレントに起きたことを話し始めました。
トレントは首を掻き切ったあと、特異者たちの処置で一命を取り留めてはいましたが、傷を完全に塞ぐことはできていませんでした。そして病院に運び込まれたときにはもう、手の施しようがない状態でした。
そこでバリーは独断で、知り合いの凄腕アーティフィサーにトレントの『汽化手術』を依頼しました。
こうしてトレントは、セージとなることで何とかその命を繋ぎ止めたのです。

「そんな命の恩人に対してビッグ・ノームの連中がやったことがこの顔さ! ははっ、まだ痛いよ……」

バリーは顔をさすりながら憎まれ口を叩きます。しかしその表情はやはり、彼らしくないしょぼくれたものです。

「社員たちは私が説得した。安心しろ、彼らもわかってくれている」

そう言ってトレントの前に現れたのは、前回グラハムを追い詰めるために協力してくれたオーハンゼー・ジマーでした。
ビッグ・ノームの社員たちはバリーがトレントをセージにしてしまったことに怒り狂い、バリーに襲い掛かりました。
しかしオーハンゼーはその間に割って入り、一喝しました。

『ビッグ・ノームは差別のない会社と聞いている。普通の人間ではなくなったくらいで、お前たちは社長を見捨てるのか?』

その台詞を聞いただけで、ビッグ・ノームの社員は自らの間違いを理解したようでした。開拓者も先住民も区別しない社風は、相手がセージや汽人であっても同じなのです。そのことに、社員たちは気付きました。

「評判通りの、良い会社だな。トレント・ゴアよ」
「……ありがとよ。手間ぁかけさせちまったみてぇだな」

トレントもまた、全身に違和感があるものの、自分の身体が変わってしまったことに対してはどうとも思っていませんでした。勿論、社員や友人たちからの目が変わるとも思っていません。他人との差異になど、彼は頓着がないのです。
それよりもトレントが気になっているのは、見知った仲間たちの中に、自分が一番よく知る顔がいないことでした。

「……ノーマはどうした」

最愛の娘、ノーマ・クラブトゥリーの姿がないのです。最悪の事態を想像しながら、トレントはバリーに問います。
するとバリーは何も言わずに部屋の窓に近づくと、閉じられていたカーテンを開きました。

「アレだ」
「……!?」

バリーの指さした先には、巨大な土の柱がありました。
土の柱は隣に並び立つアレクサンダー社のビルと同じくらいの高さがあります。

「また僕が説明しよう……」

バリーはあの後、今度はノーマに何が起きたかを簡潔に説明しました。
父と慕った男が自ら命を絶ったのを見て、ああなった、と。
自分の行為によってノーマが暴走してしまったことを聞き、トレントは絶句します。
アレクサンダー社敷地内に出現した土の柱はヨークシティの住民たちを震撼させ、合衆国政府も事態を重く受け止めました。
土の柱はゆっくりと周囲の土を吸収し、徐々に大きくなっています。これを食い止めるため、政府やギアーズ・ギルドは戦力を派遣しましたが、効果は上げられませんでした。
そんな中、とある先住部族が一族を率いてヨークシティを訪れました。

ベシルシニ族長……覚えているだろ?」

ベシルシニとその一族は、かつてバリーに利用され、ビッグ・ノームを潰しにかかった先住民たちです。
特異者たちの活躍で両者は和解し、今では良好な関係が築けています。そんなベシルシニの一族がコロンビアの危機に駆け付けてくれたのです。
ベシルシニ族長は土の柱の浸食を止めるため、地面を凍らせることで土の動きを鈍らせる策を取りました。更にバリーは土の柱を囲むように特殊な杭を地中深くに差し込み、それに先住民のマナを循環させることで凍結の範囲と深度を倍増させました。
効果は大きく、土の柱による浸食はアレクサンダー社コロンビア法人の敷地内で収まっています。しかし、浸食を止められたわけではなく、僅かずつですがその範囲は拡大を続けています。
また、ベシルシニの一族にも限界はあります。もう数日の間ずっと働き詰めで、とうに限界は超えているでしょう。

「それとケイ・フリーマンについてだが、彼女も動き出すころだ」

バリーは続けて、ケイ・フリーマンの動向についても説明します。彼の手の者が、ひそかにケイを追っていました。
ケイは左腕に物々しいアタッチメントを取り付けており、その腕を用いて騒動を解決しようとしている、とのことです。
詳細までは探れなかったようですが、起源のギアを狙い撃ちするための装備とみて間違いありません。

「状況は理解したか、爺さん」
「……あぁ、完璧にわかったぜ。俺のやることもな」

トレントはバリーからの説明を聞き終わると、すぐに立ち上がります。

「ノーマを救い出す……これは誰でもねぇ、俺の責任、俺の仕事だ」
「背負い込むなよ、爺さん。協力したいって奴は多いんだ、少しくらい下請けを使ったらどうだ」
「その通りだ。これはこの大陸全体の問題。皆が協力して乗り越えるべきだ」

気負うトレントに、バリーとオーハンゼーは窘めながら協力者の募集を勧めました。
頼りになる者たちには皆、心当たりがあります。また今回も、彼らを頼ることになるでしょう。

「すまねえが協力してくれ。この国の未来と、俺の娘のために……」



担当マスターより

▼担当マスター:三千界のアバター運営チーム

マスターコメント

前編に引き続き、陽下でございます。
今回の相手は、前回その正体を現したケイ・フリーマンと、これまでシリーズを通して皆様に可愛がっていただいたノーマ・クラブトゥリーです。
また、協力してくれる仲間たちは、これまで関わってきた先住民や社員などが勢揃いする総力戦です。

同日に公開されている「≪GOE≫烈火の戦士と聖華の騎士・後編」に予約・抽選参加している場合
こちらのシナリオは参加できませんのでご注意下さい。
ただし追加参加になった場合はその限りではありません。



●基本的な状況
ノーマはトレントが自分を守るために犠牲になったのを見てしまい、精神的ショックでその身に宿る地のギアを暴走させてしまいました。その結果、ノーマは周囲の地にまつわるものを無限に吸収し始め、土の柱となってしまいました。

土の柱は非常にゆっくりではありますが、現在も吸収、浸食を続けています。
これに対し、かつて誤解でビッグ・ノームに襲い掛かった先住民、ベシルシニの一族は地面と地中を凍結させることで動きを鈍らせてくれています。バリーもベシルシニに協力し、ピキャックス・オリジンの土木技術と先住民のマナ技術を合わせた『杭の結界』を張りました。土の柱はこの結界によって未だアレクサンダー社コロンビア法人の敷地から出られてはいません。
ですが、この結界も基本的には人の力に依存しているため、必ず限界が来ます。それだけではなく、土の柱側からの攻撃もあります。土の柱は浸食した土で人形のようなものを作り、浸食を妨害する者に襲い掛かっています。このため、状況はジリ貧と言っても過言ではありません。

無視できないのはケイ・フリーマンの動きです。前回で彼女の目的ははっきりしました。今回もノーマのギアを狙ってきます。
ケイはその左腕に特殊な装置を取り付け、それでノーマのギアを摘出しようとしています。ノーマがギアを失えば土の柱は消えると見られますが、ノーマもただでは済みません。
どうにかノーマの暴走を止め、彼女を救い出すのが今回の目的です。

■アクションパート

【1】浸食を食い止めている先住民たちと共に戦う 難易度:6
土の柱を囲う『杭の結界』を防衛しつつ、【2】【3】パートの参加者が土の柱へ向かう突破口を開くパートです。
地中深く差し込まれた杭に先住民たちが凍結のマナを流し込むことで浸食を鈍らせています。土の柱もこの杭や先住民たちを鬱陶しがっているようで、断続的に土人形による攻撃を行っています。
土人形の戦力は大したものではありませんが、土がある限り無限に発生します。一度倒した土人形は土に戻り、数分のインターバルを経て再び復活します。一気に多数の土人形を撃破することができれば、大きな時間稼ぎができるかも知れません。
突破口を開いた後も全ての作戦が終わるまで戦い続けなければならない上、戦場がアレクサンダー社コロンビア法人の外周全てという広範囲となるため、かなり過酷なパートと言えます。より多くの土人形を倒すことで土の柱の気を引くことができるので、活躍次第では【2】【3】パートの負担を軽減させることができます。

このパートにはベシルシニ族長とその一族、バリーとピキャックス・オリジンの社員が参戦します。
また、ピキャックス・オリジンの社員たちは使えそうな重機を現場に持ち込んでいます。


【2】ケイ率いる汽人軍団と戦う 難易度:8
ノーマの身に宿る地のオリジナル・ギア奪取を目論むケイ・フリーマンを止めるパートです。
ケイはケネスと同様、多数の汽人兵を率いて現れ、真っ直ぐにノーマがいると見られる土の柱の中心を目指します。そして、今回のために用意した左腕の特殊なギア摘出装置を用い、ノーマからギアを奪うつもりです。
ギア摘出装置は通常のギアの破壊や摘出も可能となっているため、対セージや星導器への特効武器と言える危険な代物です。彼女の攻撃には細心の注意を払う必要があります。ケイ自身の身体能力、戦闘能力も極めて高く、特に素早い近接戦闘を得意としています。
戦場は土の柱の浸食を受けた地面となるため、土人形からの攻撃も想定され、非常に危険な戦場と言えます。

このパートにはオーハンゼーとその一族が参戦します。
オーハンゼーは前回に引き続き、スチーム・ドワーフMk-IIに乗って戦います。


【3】土の柱を掘り進み、ノーマを救い出す 難易度:7
ケイよりも先に土の柱に辿り着き、ノーマを救い出すパートです。
ノーマは土の柱の根本に埋め込まれるような形で存在しているため、まずは浸食された土を掘り進む必要があります。
第一部後編、崩落した鉱山からノーマを救い出すパートに少し似ていますが、状況は遥かに悪いと言えます。土の柱からの抵抗も最も大きいと考えられるため、出現する土人形も強力な力を有しているでしょう。
これまで土などを相手に戦ってきたビッグ・ノームの社員たちも、さすがに抵抗してくる土を相手にするのは初めてです。戦力に数えるのは難しいため、彼らを守ってあげましょう。

このパートにはトレントとビッグ・ノームの社員が参戦します。
社員に関しては持ち込んだ重機の類も含めて防衛対象となります。



●登場NPC
トレント・ゴア
60代前半の男性。鉱業会社『ビッグ・ノーム』社長。
超人的な勘で次々に鉱脈を掘り当て、『伝説の穴掘り人』と称された凄腕アーティフィサー。
ノーマが『起源の七体』であることを知りながら伏せていたが、ケネスによって暴露されてしまう。
ケネスは倒したものの、ノーマを狙う者はまだまだ存在すると予感しており、守るために日々頭を悩ませている。
ビッグ・ノームの経営はバリーのピキャックス・オリジンとの提携で安定しているが、社長業に身を入れられていない。
自ら首を掻き切り死にかけたが、汽化によって一命を取り留めた。

ノーマ・クラブトゥリー
20代前半の女性。鉱業会社『ビッグ・ノーム』社員。
これまで拾われっ子と思われており、自身もそう思っていたが、ケネスによって『地を司る起源の七体』であることが告げられる。
告げられたところで起源の七体としての記憶はなく、自覚もないため、社員も本人も正体についてはあまり気にしてはいない。
ただ、そのせいで面倒ごとに巻き込まれるのは勘弁してほしいとは思っている様子。

バリー・クロスビー
20代後半の男性。鉱業会社『ピキャックス・オリジン』社長。
若くして先代より会社を継いだ二代目社長だが、天性の経営能力で規模を拡大し続けている凄腕経営者。
自業自得とケネスの暗躍で社長の座から転がり落ちそうになるも、見事リカバリー。現在はヨークシティの本社に戻っている。
遠く離れていてもノーマのことを想っており、コロンビアで起こるきな臭い事件などを調べ、トレントに報告している。
以前に比べればトレントに協力的と言えるが、性格はまるで変わっていない。

ケイ・フリーマン
30代前半の女性。『ピンカートン探偵社』に所属する探偵。
無表情で無機質な印象のクールビューティー。ピンカートン探偵社の者、ということ以外は謎に包まれている。
部下を複数束ねているところから、探偵社ではそれなりの地位にいると見られる。
探偵だからか気配を消すのが上手く、背の高いモデルのような体型にもかかわらず、街を歩いても不思議と目立たない。

オーハンゼー・ジマー
40代後半の異人男性。アレクサンダー社の暗部組織のリーダー。
元はコロンビアの先住民部族の族長で、組織のメンバーもオーハンゼーの一族。
激動のコロンビアを生き延びるために一族を率いて融和の道を選ぶも社会がそれを許さず、世に絶望して悪党に身を落とす。
強盗団として活動していた折、アレクサンダー社の襲撃に失敗してグラハムに捕らえられる。
その際、社の暗部組織として働けば警察には引き渡さないという提案を投げかけられ、条件を飲んでしまう。
オーハンゼーは熊系の異人で、巨体のわりに素早く動ける上、見た目通りのタフさも併せ持つ。
他のメンバーも場数を踏んでおり、アレクサンダー社の警備員と同程度の力を持っているが、装備の面で劣る。

ベシルシニ族長
30代後半の異人男性。かつてバリーによって一族を利用され、開拓者に対して反旗を翻した先住民たちの族長。
特異者やトレントに説得されて考えを変え、今では良き隣人として関係は良好。
以前は反開拓者の思想を持つ先住民たちの旗頭的な立場にあったが、現在は相互に理解し合うよう先住民たちに働きかけている。
義理人情に厚く、良くも悪くも感情のままに動いてしまう。そんなところが魅力であり、一族からの信頼も厚い。
牛系の異人で体躯も大柄だが、投げ槍や弓矢といった遠距離武器を好んで使用する。勿論、体格通りの膂力も持っている。
統率力が並外れており、仮に戦争の場面ならば優れた将軍となり得る人物。

浸食を食い止めている先住民たちと共に戦う

6

ケイ率いる汽人軍団と戦う

8

土の柱を掘り進み、ノーマを救い出す

7