クリエイティブRPG

≪GOE≫鏡の中の人形姫・後編

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≪GOE≫鏡の中の人形姫・後編
基本情報

マスター:クリエイティブRPG運営チーム
ワールド:ガイア
 
 

料金

MC参加:150ポイント
LC参加:100ポイント
フェロー追加:25ポイント
LC/フェロー最大追加数:3
文字数追加:50ポイント

スケジュール

2017年09月08日公開!

シナリオガイド

「ただ二人で一緒にいたかった。それだけだったのに……」

シナリオ名:≪GOE≫鏡の中の人形姫・後編 / 担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム



エイダ:
どこ? どこに行ったの、メアリー?

――足音が聞こえる。メアリーかと振り返れば、それは追手だった。

メアリー:あいつら、もうこんなところまで……。
エイダ、無事でいて。何があっても私が――守るから。

二人が見たのは同じ顔ぶれ。
近くに、確かにいる。しかし、お互いを見つけることはまだできない――。


                   戯曲『もうひとりの私』第四幕より


★ ★ ★


 “灰色の世界”ガイア。

マナの光と蒸気の煙が溢れる、世界最大の星導都市『メトロポリス』。

上流階級が暮らす第三層第三地区の劇場、ニュー・セントラル・シアターで凄惨な事件が起こりました。
上演されている人気作『もうひとりの私』の物語をなぞるようなその事件は、
犯人も主人公の双子同様、劇団「ロイヤル・プリンス・カンパニー」所属の双子の女優ルイーザ&ヴェスパーだったのです。
シャーロット・アドラーの依頼でやってきた特異者たちによってそれが暴かれ、
彼女たちが「同一の機体」であり、一人しか存在しなかったことが明らかになります。
その事実を突き付けられたヴェスパーは罪は認めながらも、「自分たちが双子」であることは譲りませんでした。
追い詰められたヴェスパーはルイーザを守るため、劇場から逃げ出しました。

特異者たちに被害はありませんでしたが――奇しくも、この出来事も『もうひとりの私』の物語に沿ったものでした。

★ ★ ★


 ――メトロポリス第三層第三区。

「ずいぶん手際がよろしいですわね、第三支部長?」

『前々からロイヤル・プリンス・カンパニーには疑わしいものがあった。
 だが、この国を代表する劇団の一つであり、我が国の貴族だけでなく他国の支援者も多い。
 我々の管轄で勝手な事をしてくれたものだが……感謝しているよ、シャーロット。
 おかげであの“違法機体”を始末する手筈を整える事ができた』

ルイーザとヴェスパーが逃走した直後、ギアーズ・ギルドはすぐに依頼を出しました。

・暴走汽人の確保、あるいは破壊。

既に明確な殺意をもって三人を殺害。
ギアストーンの重度な障害による精神異常状態となっているため、説得は不可。
確保が最良だが、破壊による無力化も辞さない。

依頼内容だけ見れば、メトロポリスのありふれた汽人暴走事件の一つ。
機械である以上、不具合があっても仕方ない。たとえそれが、国を代表する大女優であろうと。
彼女たちが古い個体であることも周知です。

(客観的事実に対する偽りはなく、“双子の身体が違法”であることには触れていない。
 劇場側に非ははなく、経年劣化による暴走。上流階級、劇場双方に配慮し、
 あの姉妹だけを悪に仕立て上げ、 第三支部の評判も下げずに済ませる……というのが、建前ですわね)

支部長の言葉からあちらも双子が二つのギアストーンを核としていることを知っており、あえて伏せていること。
あまりにも劇場からの逃走から依頼が出るのが早いことから、
シャーロットは第三支部が“双子を狙っている何者か”を手引きしていると考えました。
そして、

(劇団にも、協力者が……いえ、状況から見て、“事件の黒幕”がいますわね)

根回しの証拠も今はなく、依頼も正当なもの。双子が犯罪を犯したことも事実。
今となっては彼女たちが“起源の七体”であり、一連の動きがこれを狙っているものだと確信しているものの、
依頼そのものを撤回する術はシャーロットにはありません。

『あとは我々に任せ、君は第七支部へ戻りたまえ』

「いいえ。汽人の逃走を許してしまったのは、わたくしの不手際です。
 こちらもお手伝いさせて頂きますわ。“手が多くて困る”ことはないでしょう?」

『だが、ここはあくまで我々の管轄であり』

「これはゆゆしき事態ですわ。第三層の方々の安心のためにも、早急な解決が求められます」

シャーロットは第三支部長を黙らせ、特異者たちにルイーザとヴェスパーの確保を“正式な依頼”として、通達しました。

(わたくしにできるのはここまでですわ。あとは頼みますわよ)

★ ★ ★


 ニュー・セントラル・シアター、団員用休憩室。

「いつまでも隠し通せるものじゃない。いつかこうなる日が来るんじゃないかって思ってたわ」

「劇場そのものは大丈夫だろうが、少なくとも劇団には何らかの処分が下るだろうね。
 ……せめて、私一人の首で済めば」

「そんなこと言うなよ、団長。
 ルーもヴェスも、理由なくあんな真似するヤツじゃねぇってのは、みんな知ってるだろ?」

「だが、法は情では動かん。我々が違法技術を用いた汽人を所有し、公演を行い続けてきたのは事実だ。
 どれだけ人気を集めようと、な」

「お客様……貴族の方々の手前、劇団自体の存続は認められるでしょう。
 我々を解散したとしても、名前を変えるだけで実質同じ劇団とする。
 彼らは“舞台の上”だけを見ているのですから……決して戻らない役者がいる以上、それ以外の者たちまで失うことを惜しむでしょう」

守り続けてきたものを失い、それでも終わらせてくれない。
それは長く劇団にいる者にとっては処分を受けるよりも辛いものです。

「ですが、新しい団員たちが加わったばかりです。悲観してばかりはいられません。
 お客様ある限り、我々は舞台を続ける。それだけです」

ジャック・ジョン・アンダーソンが言います。

「団長、お客様がお見えです」

「これはクローデル卿! 帰国されたのではなかったのですか?」

一人の老紳士がやってきました。
ゴール共和国の交通網の整備を行い、海峡トンネルの建設を進めている“輸送王”の異名を持つ人物です。

「少々用事を思い出してね。劇場の後援を申し出ようと思ったのだが、オーナーが亡くなられたと聞いた。
 我が国にも、ここが好きな者は大勢いる。もちろん君たちもだ。
 此度の事件は残念だが……それでも、私はできる限りの便宜は図りたいと考えている」

そこで、と彼は告げた。

「“今の君たち”にできる、最高の舞台を見せて頂きたい。
 できることならば、ルイーザとヴェスパーが主役でない『もうひとりの私』を」

「お言葉ですが、あの物語は彼女たち以外には……」

「はい、やってみせましょう。確かに、あれはルーとヴェスでなければ成立しません。
 ならば“他の者でも成り立つ”物語に再構成するまでのことです」

アンダーソンは不敵な笑みを浮かべました。

「物語を作ることは、想像の世界を創造することでもあります。新しい世界をご覧に入れましょう」

★ ★ ★


 ――メトロポリス第三層第四区ウェアハウスタウン。
 
「ルー、どこだ? どこにいる?」

迫りくるウィザードたちから逃げ、時に迎撃し、ヴェスパーはルイーザを探していた。

「ヴェス、あなた一人に重荷は背負わせないわ!」

光が爆ぜ、倉庫街の一角が消し飛びます。ルイーザが光のギアの力を解放し、ウィザードを撃退します。
しかし多勢に無勢、追い詰められいきました。

「……え?」

「寄ってたかって女の子いじめるもんやない。
 ここはあてらに任し。はよ、逃げなはれ」

和傘に和服の少女――桔梗院 桜華と機械甲冑――スチームサムライが双子を助け、ウィザードたちと対峙します。

「一人も殺さん……できるか?」

「……問題ない」

(さて、芝居には芝居で対抗や)

★ ★ ★


「三区、四区のウィザード第一陣が全滅、ですか」

シャーロットが到着した時、倉庫街は静けさに満ちていました。
夜の暗闇の中に、ただ二つの影だけがあります。

「桜華様、ご自身が何をされたか分かっておりますの?」

「なんやシャロちゃん? 女の子助けただけやろ」

「あの子たちは罪を犯しました。逃がすわけには参りませんわ。
 わたくしは、もうあなたが何者か知っております。
 残念ですわ、桜華様」

シャーロットは自分の役目に従い、マナフォンに告げます。

「A級ウィザード、シャーロット・アドラー。ケースB発生により、ギアの使用を宣言。
 これより、戦闘に入ります」

一瞬で間合いに詰め寄ってきたスチームサムライの刀を弾きました。

「あてらに勝つ、と?」

「わたくしだけでは、どちらか一人が限度でしょう。ですが、頼れる相棒がいますわ」

大掛かりな道具を携えたジェーン・モースタンがニッとシャーロットの背後で笑います。

「頼みますわよ、“先生”」

「おう、サポートは任せな。
 あっちの鎧、剥がしがいがありそうだぜ」



逃げ続ける双子の汽人、絡み合う様々な思惑。

特異者たちは“物語”の結末を変えることができるのでしょうか――。


担当マスターより

▼担当マスター:クリエイティブRPG運営チーム

マスターコメント

ガイアのトリガーシナリオ
『鏡の中の人形姫・後編』をお届けします。
このシナリオはトリガークエスト「ギアーズ・オブ・エタニティ」とリンクしている部分が多くなっております。

なお、本トリガーシナリオと8月5日公開予定のトリガークエスト12話を持ちまして、
『ギアーズ・オブ・エタニティ』シリーズ前編を終了とさせていただきます。
後編は今秋公開予定です。
後編開始までにも、ガイア関連の討伐依頼シナリオやクエスト、
G.G依頼発注証明書の交換アイテムは順次追加していく予定です。
楽しみにお待ちください!



★アバター死亡/停止
本シナリオでは、難易度を鑑みず無茶な行動をしたとき、勝てない敵と戦ったときなど特異者が死亡する、
あるいはアバターが機能停止に陥るケースがあります。
そうなった場合、一定期間アバターチェンジできなくなります。
ただ、アバターが死亡したことで別のアバターで再度参加したとしても、
過去の功績などが消えることはありません。
死亡の場合は「死んだと思っていたが、実は生きていた」扱いとなります。

★ライセンス停止/剥奪
ウィザードとして依頼を受けたにも関わらず、依頼内容に反する行動をとった場合、
ライセンス称号が使用停止となることがあります。
また、犯罪結社に与する、ギルドに敵対的な行動を取り、かつライセンスを所持している場合も同様です。
こちらは最悪剥奪となることもあります。
ライセンス停止/剥奪を受けると、ランクアップができなくなりますのでご注意下さい。


●基本的な状況

ニュー・セントラル・シアターで起こった殺人事件の犯人は、看板女優であるヴェスパーであることが特異者の皆さんの捜査で明らかとなりました。
また、双子の秘密も判明しましたが、彼女たちには自分が二つのギアストーンを核とする汽人であるという自覚がありません。
自分の見ている世界と周囲の認識のズレが理解できず、ヴェスパーは半ば錯乱し、逃げ出しました。

追い詰められた彼女たちですが、現在は共に片割れの姿を見失い、互いを「守らなければ」と、
追手のウィザードと戦いながら探しています。

なお、倉庫街には前回の戦いの後第四区警に回収されたはずの帝国製人型兵器が残されており、
今度は鍵も取り付けられています。
※前回のリーダーが持っていた鍵はキョウ・サワギの手元にあります。

プレイヤーから見れば裏があるのが分かりますが、
PC視点では「逃げた汽人の殺人犯を捕らえる」というギルドの依頼としては至極真っ当なものです。
“双子を直接守る”ということは、殺人犯に加担したとみなされ、ライセンスの停止・剥奪も免れません。


■各パートについて
アクションパート別の注意事項は以下のようになります。
アクションパートを跨いだアクション、グループアクションはダブルアクションとなり不採用となる場合がございます。ご注意ください。


【1】ルイーザ&ヴェスパーを確保する 難易度:6

第四区を逃走中のルイーザ&ヴェスパーを確保するパートです。
こちらのパートで彼女たちを捕まえるアクションをかける場合、捕まえることに成功した場合誰に引き渡すかまでご記入下さい。

二人は無意識に「身体の主導権」を切り替えながら移動しており、ルイーザ時は光の、ヴェスパー時は闇の力を使います。
ルイーザはまだギリギリ話せるだけの理性がありますが、
ヴェスパーは完全に「ルー以外は全員敵」と思い込んでいるため、話し合いは困難です。
元々戦闘ができるタイプじゃない二人ですが、追い詰められれば追い詰められるほど力を増しており、
力を増せば増すほど精神的に不安定になっていきます。
二人の精神の乖離が始まっていることからシナリオガイド時点で極めて危険な状態であり、
最終的には精神が破綻してしまいます。そうなった場合何が起こるかはまだ分かりません。
※『もうひとりの私』では片割れの姿を見出し自害しますが、それが精神破綻によるかどうかは明言されていません。


【2】“黒服”を排除する 難易度:7

双子の確保依頼を受けたウィザードに紛れている前回の“黒服”を撃退し、
双子が敵の手に渡る可能性を減らすパートです。
前回リーダーを含む半数を捕らえることに成功したものの、残りは撤退。
しかし密かに倉庫街に残っており、何者かの支援を受けて身分を偽装し、工作を続けていました。
第三支部から依頼が出た直後に即応したのも彼らですが、
直接は捕まえようとせず、ただ双子の力が極限に達するのを待っています。
※並みのウィザードでは歯が立たないだろうことと、“伏兵”に備えるため。

大型兵器は双子の行く手を遮る「最後の敵」として投入する予定らしいですが、
敵側はジェーンやキョウ、特異者に「細工されていないか」確認する必要があるため、
どのみち下手に動かせない状態です。

前回戦った人たちはある程度見分けがつくほか、積極的に捕まえに行く者たちとは動きが違うため、
しっかりと観察すれば見抜くことは十分可能です。
また、マナフォンを所持しているキョウ・サワギがこっそりと状況を窺っているため、
通信手段を持っていれば彼女と連絡を取ることはできます(姿は見せません)

なお、突発的な依頼の場合、直接解決した者に与えられるインセンティブ目当てで、
現場のウィザード同士で“成果の取り合い”が発生してしまうケースがあります。
通常はなるべく受注者で協力できるようギルドが取り計らうものですが、
今回はそれがないため、“直接双子を助けるようなことがなければ”不幸な行き違い・事故で済みます。


第四区ではシャーロット&ジェーンと桜華&スチームサムライが戦っていますが、
彼女たちのことは特に気にする必要ありません。
もし彼女たちと関わるアクションをかける場合はこちらになりますが、
どちらの組と戦う場合も難易度は10相当となります。



【3】舞台を成功させる 難易度:6

ニュー・セントラル・シアターで、劇団「ロイヤル・プリンス・カンパニー」の公演を成功させるパートです。
演目はルイーザとヴェスパーが主役で成り立たってきた『もうひとりの私』です。
書籍化され、各地の小劇場でも演じられているものの本場には敵わず、
劇団の者たちも「あの二人以外が主役で成り立つとは思えない」と言うほどです。

そしてこのパートは「黒幕との戦いの場」でもあります。

黒幕も他の団員と同様にやる気になっている素振りを見せていますが、
内心は「あの二人以外にこのシナリオを完成させることはできない」と思っており、
それを打ち砕くことで勝利となります。

犯人は前回のリアクションから推測できるようになっていますが、“武力による排除”は通用しません

ざっくりとした内容はアイテム「『もうひとりの私』第一幕」~「『もうひとりの私』第五幕」の解説にありますが、
アンダーソンが「役者に合わせて展開・結末は変える」と言っているので、知らなくても問題ありません。

舞台の上に「役者」として上がることができるのは、前回オーディションに合格した方のみです。
裏方については問いません。
役柄はエイダとメアリーは分かっていますが、それ以外は自由です。
学校の友人や一目ぼれする男(女)、両親、殺される人、姉妹を追う刑事など、舞台に上がる皆様で話し合って決められると良いかと思います。
※NPCは皆プロの役者なので、よっぽど無茶な役以外は大体演じられます。向き、不向きはありますが。
NPCはエイダとメアリーを演じることはありませんので、主役はPCに演じて頂くこととなります。
参考までに、前回から登場している三人の特徴を下記に記載します。

・ベアトリス・モーガン→妖艶な女性。ヒロインよりもライバル、悪女がはまり役。
・D.D→肉体派。英雄譚では主人公の相棒、恋愛ものでは三枚目のコメディリリーフ系が多い。
・バロン・サミュエル→渋いおっさん。嫌味な金持ち、闇組織のボス、ヒロインの父など、壮年の男に似合うもの。

なお、観客はクローデル卿だけではなく、普通に上流階級の人々も来ます。
多くがルー&ヴェス主演の『もうひとり私』を知っているため、ハードルは相当に高いとお考え下さい。


■その他

前回、今回とプレイヤー視点とキャラクター視点で見えているものが大きく異なっています。
両者の情報の混同にはお気をつけ下さい。

劇中の物語である『もうひとりの私』は一種の悲劇ですが、
黒幕の思惑を打ち破り、その結末を変えることができるかは皆様次第です。


それでは皆様のご参加をお待ちしております。


【2017年8月4日17:00 追記】
パート【3】の役柄について一部表記の修正と追記を行いました。


【2017年9月5日12:00 変更】
リアクションの公開予定日を『2017年9月8日(金)』へ変更いたしました。
ご参加頂いたお客様にはお待たせしてしまい大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。


【1】ルイーザ&ヴェスパーを確保する 【現在のMC参加人数:32】

6

【2】“黒服”を排除する 【現在のMC参加人数:49】

7

【3】舞台を成功させる 【現在のMC参加人数:15】

6