クリエイティブRPG

　「……事情は分かった」

　　ゴール共和国ルーヴル。
　　セシールを攫われたジルベール・ダヴィッド達は、事の顛末をギルドに報告しました。

　「ジルベール君だっけ？　確かに、今日までにこのルーヴルで、何者かが動いているという報告がある。
　　……だがね、私たちギルドも馬鹿ではない。何も知らない訳ではない。
　　答えてくれ。……君の言う、セシールとは誰だね？」

　　その問いかけに同行していたシャリーゼは、首を傾げます。

　「どういうことですか？」
　「フルヴィエールから連絡があったんだ。なんでも、セシールという女性は、フルヴィエールに居ないそうだ」

　　どうやら、そういう事もあって、セシールという人間に不信感を抱いている様子だった。

　「……話すよ。彼女の名は、マーヴェル・マテュー」
　「マテュー？　あの家は……」
　「訳があってね、一人娘である彼女の存在は秘匿されていたんだ」
　「では、それをなぜ君が？」
　「……救われたんだ。昔に」
　「救われた？」

　　そう語るジルベールの姿に、何か思うところがある雰囲気のギルド職員。

　「……証拠も無しに信じろ、は無理だ。……だが、実際、ルーブルで何かが起きているのも事実、か」

　　ジルベールの依頼を承認したギルド。
　　ジルベール達は、セシール……マーヴェルを救い出す為に、情報を集め行動を開始するのでした。

　「……今度は、僕がその手を掴んであげるから。だから、待っていてくれ」

　　宝石の掛けたネックレスを握り締め、ジルベールも特異者たちと共にルーヴルの街へと繰り出すのでした。



　「ねぇ、これどうするの？」
　「分かってんだろ？　情報通りだ。親父の方をどうにかしねぇと、肝心のモノを取り出せねぇ」
　「ってことは、フルヴィエール？」
　「あぁ。もう動いてる頃だろう。……悪いな、人形。お前という個体に恨みは無いが、人形共を恨んでいてな」

　　そう言いながら、凍てつくような冷たい目でマーヴェルを向けるルイ・ヴァンソン。

　「……あ？　そんなにネックレスを握り締めてどうした。今更、そんなもの奪わねぇよ」
　「……ぇ」

　　マーヴェルは、理由も分からず、いつも身に着けているネックレスを護るように握り締めていました。
　　まるで、「誰か」の助けを求めるように……。



　　マーヴェルがルイ達に攫われ、ジルベール達がギルドで話をしていた頃。
　　フルヴィエールの街は、音楽祭当日を迎えていました。

　　賑わう街に、鳴り響く音色。
　　誰もが笑顔で音楽を奏でる祭り。

　　その裏で、命を懸けて娘の魂を護るべく、１人の男性が路地裏を逃げ回っていた。
　　彼の名は、ギヨーム・マテュー。

　　娘の魂を護る為に、鍵を手にしてひた走っていました。

　「……ん？　なんだあれ？　誰かに追われているのか？」

　　そんなギヨームに気が付いたのは、音楽祭の街並みを歩いていたカイでした。

　「……なんだか騒がしくなってきたみたいだし、気になるな」

　　幸せの裏側。
　　フルヴィエールに迫る危機。

　　娘の命を護るべく、逃げるギヨームと
　　かつてとある女性が愛した音楽を響かせ続けるフルヴィエール。

　　それらを護る為の戦いが、静かに幕を開けるのでした。



　　鳴りやまない音色。
　　いつか手にした温もり。

　　例え、全てを忘却することが運命でも。
　　音色に乗せて、この想いを届けよう。
　　刹那に刻む、永遠の愛を。

ガイア編トリガーシナリオ、スタートです！
ガイアでは、世界の各都市を舞台に、それぞれ異なるストーリーが展開されます。

同日に公開されている「≪ＧＯＥ≫東の果ては蒼茫として・後編」に予約・抽選参加している場合
こちらのシナリオは参加できませんのでご注意下さい。
ただし追加参加になった場合はその限りではありません。

引き続き、ゴール共和国での物語を担当させていただきます、
いるか旅行記です。

さて、いきなりですが、
シナリオガイドでセシールが偽名だったことが
ジルベールより明かされます。

セシールと名乗ったマーヴェルとは、
一体どんな女性なのか？

なぜそれをジルベールが知っていたのか？

どうしてマーヴェルは、ルイに狙われるのか？

そして、ルイはどうして彼女を狙うのか？

まだ、前編では語れていない背景もたくさんあります。
本編も大切ですが、気になる方はアクションの片隅にでも書いていただければ！


そして、前編では情報が少なく、
どうしても後手に回ってしまう形が多かったかと思います。
ですが、今回は情報が揃い始めた事もあり、
使い方次第で先手を打ち、敵の拠点を抑えに行けるかと思います。

リベンジ、という事で、ぜひ今回は皆様に大暴れして頂きたいと思っております！



以下、注意事項となります。


★報酬について
シナリオに参加すると、

EXP：3600
G：1800
社会性：1
アイテム：Ｇ．Ｇ依頼発注証明書

を獲得できます。
※LCを参加させている場合、LCも同じ報酬を受け取ることができます。
※社会性は獲得できませんが、
フェローを参加させるとMC・LCの報酬社会性が+1されます。
（フェローを何名参加させても+1となります）

★アクションについて
シナリオに参加した後、自分の行動に合わせて「アクションパート」のいずれかを選択してください。
自分の行動したい物がない場合でも、活動場所が近い物を選択してください。

アクションパートはクエストと同様の難易度が設定されていますが、
シナリオではアクションによって難易度の差を埋める、
あるいは戦闘能力に左右されない行動をとることも可能です。

具体的なアクションの書き方が分からない方は、プレイガイドをご覧ください。


★アバター死亡／停止
本シナリオでは、難易度を鑑みず無茶な行動をしたとき、勝てない敵と戦ったときなど特異者が死亡する、
あるいはアバターが機能停止に陥るケースがあります。
そうなった場合、一定期間アバターチェンジできなくなります。
ただ、アバターが死亡したことで別のアバターで再度参加したとしても、
過去の功績などが消えることはありません。
死亡の場合は「死んだと思っていたが、実は生きていた」扱いとなります。

●基本的な状況

後編に引き続き２つの街が舞台となります。

１つめが、ルーヴルを舞台に繰り広げられる
攫われたマーヴェルの居場所を突き止め救出する作戦です。


２つめが、フルヴィエールを舞台に繰り広げられるマーヴェルの父親、
ギヨームの防衛及びフルヴィエールそのものの防衛です。

以上が、今回の舞台になります。


■アクションパートについて

【１】カイと共にギヨームの護衛　難易度：３

ギヨームは屋敷から飛びてて、路地裏や街を走り回りながら逃走しています。
カイは、自主的に彼の護衛として動くようです。
今回、街中でも戦闘が発生します。
街中で発生した場合、音楽祭に影響が出ます。
ですが、多少の影響であれば、大きな問題にはなりません。
ただし、参加された方のアクションで、被害が拡大する場合があり得ます。
その点のみ、ご注意ください。

敵の数や情報については、以下のパートをご参考下さい。


【２】フルヴィエールに潜む敵の発見　難易度：５

こちらは、前回の結果を活かして街に潜む敵を見つけ出すパートになります。
大きな組み分けとして、敵が潜んでいる集団や組織を予想し、取り押さえる形となります。
予想した集団や組織が正しく、なおかつ、どうしてそういった予想となったか、
はっきりとした理由があれば、アクションとしては成功となります。
適当に理由も無い予想だった場合は、敵の発見とは至りませんので、ご注意ください。
こちらも、敵発見時、戦闘となりますが、数は多くありません。
数名の相手を確保できる戦力を用意して、参加して頂ければと思います。

また、敵であるルイを除き、全てのNPCについては味方なので、
情報を纏める際に、省いていただければと思います。

こちらのパートの成功状況で、パート１で出現する敵の総数が変化します。
また、敵情報もギルドを通して伝えられるため、多少ですが戦闘も有利に進められる可能性があります。



【３】マーヴェルの救出　難易度：５

マーヴェルの救出をジルベールとシャリーゼと共に行うパートです。
マーヴェルは現在、ルーヴル市内のどこかに幽閉されています。
どうやら、ギヨームの持つ鍵が彼女の生死に関係があるようです。

前回、敵の居場所を突き止めた方、地図らしきものを手に入れた方を起点に
敵の拠点を襲撃することで敵の戦力を削っていき、
うまくいけば最後に出現する本隊と戦闘。
その結果でマーヴェルの救出が成功するか判定される。
と、いう流れになります。

敵拠点は１２か所です。
最低でも７か所制圧すれば、本隊との戦闘になります。
７か所、というのは、
前編で居場所を突き止めた場所または地図を手に入れた数の合計になります。
その為、未発見の拠点５か所は追加調査によって発見が可能です。
ちなみに、前編より、人の動きが激しいため、発見難易度は下がっております。



また、今回は全パートで戦闘が行われます。
前編では、敵に圧倒的な地の利がありましたが、
前回のアクションもあり、その穴を埋めれるかと思います。

何気ないリアクションでも、上手くアクションに組み込む事で
戦況をひっくり返す可能性さえありえます。

ぜひ、前編から情報と呼べるものを多く集め、今回の戦いに挑んでいただければと思います！


NPCの行動についての補足になります。

ジルベールは、マーヴェル救出の為、救出戦の終盤を中心に行動します。
シャリーゼは、手に入れた地図を元に拠点の制圧に向かいます。
カイは、ギヨームの護衛を中心としますが、フルヴィエールの状況に合わせた行動も行います。

また、前編で情報を得られなかった、今回から初参加の人について、NPCに関連したアクションをかけることは可能です。
ただし、同行を希望するNPCの目的から大きく逸れた内容のアクションだと失敗する可能性があります。


○ＮＰＣ
ジルベール・ダヴィド
バウンティハンター。
２０代前半の男性。
飄々とした態度だが、実力はかなりの物。
ただ、依頼遂行への態度が悪く、評価は低いです。
宝石の無いネックレスが宝物。

マーヴェル・マテュー（セシール）
前回、攫われた女性です。
今回、彼女を救う事が１つの目標となります。
良家のお嬢様という事だが、普段は姿を見せません。
屋敷に軟禁されているような状況だったため、少し雰囲気は暗いです。
また、人と話すことも得意ではないようです。
胸には、宝石が付いたネックレスがあり、
彼女自身、理由は分かりませんが宝物のように大事にしているとのことです。

ギヨーム・マテュー
マーヴェルの父親。
どうやらマーヴェルの命に繋がる何かを持っているらしく、
今回は怪しい人物たちに追われる事になる。

カイ
とある世界から来た特異者です。
今回の世界では、バウンティハンター。
依頼を受け、ゴールに潜む異変の調査に尽力することになります。
武器は大剣。
また、魔法の扱いも得意で、大剣に魔法を宿らせた魔剣技を放つ事が出来ます。

シャリーゼ
とある世界から来た特異者です。
今回の世界では、アーティフィサー。
依頼を受け、ゴールに潜む異変の調査に尽力することになります。
武器は細剣。
回復術と護身術、相手を無力化することに特化した技に長けております。


〇最後に

少し個人的な話になるのですが、
もし、マーヴェルを救出し、音楽祭をある程度守れた場合に限って
フルヴィエールを舞台に、プライベートシナリオをやりたいな、と考えていたりします。
せっかくのお祭りなのに、本編だと戦ってばっかりで少し悲しいな、と……。


では、前編に引き続きたくさんのご参加お待ちしております。
よろしくお願いします！


【2017年7月12日20:00　追記】NPCの行動とNPCに関連したアクションにつきまして、追記いたしました。