クリエイティブRPG

戦乱の世界、千国（せんごく）。

地球の歴史上の英傑たちは“天命”に導かれ、
“覇王”を目指して各地でしのぎを削っていました。

ここ中原でも日本の戦国時代の武将、三国志の豪傑、アーサー王伝説の騎士たちが群雄割拠し、
合戦に明け暮れていました。
そんな中、中原を我が物にせんと悪事の限りを尽くす董卓　仲穎（とうたく　ちゅうえい）に対抗すべく、
劉備　玄徳（りゅうび　げんとく）が立ち上がったのでした。



　――建業、劉備の館

「玄徳ちゃんお帰り～。信長殿との同盟は結べたようね～」

　尾張から帰ってきた劉備を出迎えたのは、彼の軍師を務める才女諸葛亮　孔明（しょかつりょう　こうめい）でした。
　酒瓶を片手に千鳥足でやってきています。劉備に近づくと、お酒の香りがしてきました。
※トリガークエスト第２話「河野島の戦い」参照。

「先生、また昼間からお酒ですか……」
「別にいいじゃな～い。わたし成人だし～、誰にも迷惑かけてないし～」
「絡み酒さえなければ、ですけどね……信長殿との同盟は、先生の仰ったとおり無事締結できました」
「信長殿は今まで木曽川に助けられていたけど～、董卓が攻めようと思えば攻められない距離ではないものね～。北に武田信玄（たけだしんげん）、南に袁術（えんじゅつ）がいる以上～、信長殿は清洲を空にできないから～、今回の同盟は渡りに船って訳なのよ～」
「先生の見立てでは、信長殿なら……と」
「話を聞く限りでは～、良い英傑たちが集まっているって言うじゃな～い。そういうのってとても大切だと思うの～。もちろん、玄徳ちゃんも良い英傑は揃っていると思うわよ～」
「ありがとうございます、皆喜ぶと思います。今、趙子龍が長安に行っていて不在ですが……これも義のため。僕たちも英傑や義勇軍を募って中原南部の平定を目指しましょう」
「そうねぇ～。最大の脅威は、中原南部中央を牛耳る張角（ちょうかく）の黄巾党ね～」
「その前に、近海を荒し回っている厳白虎（げんはくこ）の討伐を行いたいと考えています」

　劉備が治める建業は広大な河川、長江の河口にあり、董卓の支配地域から離れています。
　しかし、中原の南部は張角率いる黄巾党の勢力が強く、張燕（ちょうえん）率いる黒山賊や厳白虎率いる海賊が協力して一緒に荒し回っていました。
　また、最上義光（もがみよしあき）や島津義久（しまづよしひさ）といった野心の強い英傑が治める地域が少なくなく、常に争いが絶えませんでした。

　劉備は黄巾党の略奪から人々を守るために義勇軍を結成し、彼の噂を聞き付けた趙雲　子龍（ちょううん　しりゅう）や高山右近（たかやまうこん）、パーシヴァルの力を借りて、建業から黄巾党を撃退したのです。
　住民は劉備に統治者になるよう願い出て、彼は建業を統治することになりました。
　劉備を建業の統治者に薦めたのは、諸葛亮だと言われています。

　彼女は劉備に「董卓が掌握した西王母の力を、1人が持つのではなく複数で分割して統治する」『天下三分の計』を説きました。力が一ヶ所に集中すると誰も止められなくなります。だから三分割して均衡を保つという内容でした。
　劉備も中原各地で董卓や浄平宗の暴虐を目の当たりにしており、諸葛亮の考えに感銘を受けて、中原南部の平定に乗り出したのです。

　諸葛亮が注目していたのは１人は劉備であり、もう１人は織田信長、そしてアーサー女王だと言います。
　その１人、信長と同盟を結べたことで、諸葛亮は中原の北は信長に任せたい考えのようです。

「英傑や義勇軍を集めるなら～、尾張の黄月英（こうげつえい）に頼むといいわよ～。彼女ならワールドホライゾンの特い……じゃなくて～、いい英傑や義勇軍を呼んでくれるはずだから～」
「早速使いを出しましょう」

　後日、黄月英こと川端　詩織（かわばた　しおり）より、ワールドホライゾンの特異者へ協力要請が届きました。
　いよいよ中原の南部を平定する戦いの火ぶたが切って落とされようとしていました！

戦乱の世界千国のトリガーシナリオ第一弾
『中原の覇者・前編』をお送りします。

『中原の覇者』シリーズは全3回を予定しております。
本シリーズは極めてシリアスかつ難易度が高めのシナリオとなっております。
千国の特殊ルールアバター死亡も発生する可能性がありますので、その点をご留意下さい。
最終的な結果はグランドシナリオにも影響を与えます。

本シナリオでは領土が獲得可能です。
領土を手に入れた場合、ワールドマップの領土番号の箇所に個人であればそのPC様、もしくは代表者のアイコン・ギルドアイコンが表示されます。
NPCに協力することで、PCの貢献に応じてNPCの手に入れた領土の統治者に任命される場合もあります。
また、英傑によっては強大な兵力を誇っている領土があります。しかし、兵力を削ることで次の話に領土を得やすくすることも可能です。
領土の獲得は1人でも、お友達とも、グループでも楽しめる内容になっています！

千国の基本的な設定・状況については本ガイドでも最低限分かるようにしておりますが、
ワールドガイドやトリガークエスト「三戦国志」もご覧頂ければ幸いです。

★アクションについて
シナリオに参加した後、自分の行動に合わせて「アクションパート」のいずれかを選択してください。
自分の行動したい物がない場合でも、活動場所が近い物を選択してください。

アクションパートはクエストと同様の難易度が設定されていますが、
シナリオではアクションによって難易度の差を埋める、あるいは戦闘能力に左右されない行動をとることも可能です。

具体的なアクションの書き方が分からない方は、プレイガイドをご覧ください。

●基本的な状況
中原南部は、民や従わない英傑たちから強奪を続けている暴君・董卓に協力している浄平宗の一派黄巾党が猛威を振るっており、それに協力する盗賊や海賊が人々を虐げ、領土を持つようになっています。
また、この機に乗じて野心を持つ英傑たちが自分たちの支配地域を広げようと、戦端を開こうとしていました。
義勇軍を率いて建業の統治者となった劉備　玄徳は、董卓に対抗するために軍師諸葛亮孔明が提唱する「天下三分の計」を推し進めようと、ワールドホライゾンに協力を求めてきました。
元々アーサー女王と協力体制にあったワールドホライゾンは、これに協力することを決めました。

劉備の目標は中原南部の最大勢力である張角率いる黄巾党ですが、彼は人々の陳情を聞いて、張角に協力している厳白虎と張燕を倒そうとしています。
また、彼の手が回らないため、ワールドホライゾンの特異者達には任意で中原南部の他の領土も圧政から解放して欲しいそうです。

厳白虎と張燕の討伐、他の領土の平定が皆さんの目的になります。

★アバター死亡
本シナリオでは、難易度を鑑みず無茶な行動をしたとき、勝てない敵と戦ったときなど、特異者が死亡するケースがあります。
また、合戦によって村を焼き払ったり農地に被害を与えるといった禁忌を侵した場合、英傑としての力の封印が行われる場合があります。こちらもアバター死亡として判定されます。
特異者が死亡した場合、その時のメインアバターが機能停止に陥り、一定期間アバターチェンジできなくなります。
ただ、アバターが死亡したことで別のアバターで再度参加したとしても、過去の功績などが消えることはありません。
「死んだと思っていたが、実は生きていた」扱いとなります。

★領土獲得
領土を獲得した場合、個人であれば、その該当PCのアイコンを運営チームの方で選ばせていただき、専用ページの地図上に表示させていただきます。
領土名「○○（PCの苗字）領」と掲載させていただきます。

グループの場合、代表者PCのアイコン、ギルド単位で参加しており、エンブレムがある場合はエンブレムを運営チームの方で選ばせていただき、専用ページの地図上に表示させていただきます。
領土名は「○○（グループアクション名、もしくはギルド名）領」と掲載させていただきます。

領土名の変更は次回のシナリオのアクションで行うことが可能です。
また、あらかじめアクション内に希望される領土名や掲載したいアイコンを指定することもできます。ただし、アイコンはお一人様用のみとさせて頂きます。

なお、統治者を断ることもできます。断る場合はアクションでその旨をお書き添え下さい。


アクションパート別の注意事項は以下のようになります。
アクションパートを跨いだアクション、グループアクションはダブルアクションとなり不採用となる場合がございます。ご注意ください。

【１】黒山賊と戦う　難易度２
張燕が率いる盗賊団「黒山賊」は、＜２８＞を領土に活動しています。
この地は山間の場所が多く、張燕は盗賊だけあってゲリラ戦を得意としており、配下を領土のそこかしこに配置しておき、旅人や商隊通りかかると亡霊兵を召喚して襲ったり、討伐しに来た英傑を返り討ちにしたりしています。
黒山賊は合計で1000体ほどの亡霊兵を召喚できる能力を有しています。主に槍兵と弓兵で構成されており、まず弓兵で相手の出鼻をくじき、槍兵で一気に攻める戦法を得意としているようです。

このパートには、NPCパーシヴァルと諸葛亮孔明が登場します。
パーシヴァルは武将で、投槍を得意としています。
諸葛亮は軍師としてパーシヴィルのサポートに当たります。

このパートで張燕討伐に成功した場合、張燕討伐に貢献したPCが＜２８＞の統治者に選ばれる可能性があります。


【２】厳白虎と戦う　難易度３
女海賊厳白虎が率いる海賊は、＜３２＞を領土に活動しています。
闘船（とうせん）と呼ばれる、防壁の付いた甲板室のある戦闘用の船を厳白虎の乗る旗艦に、艨衝（もうしょう）という襲撃用の船に配下を乗せ、船団を組んでいます。
まず、闘船から弓矢や船に設置されたバリスタで商船を攻撃し、怯んだところで艨衝で乗り付けて亡霊兵を召喚して商船ごと乗っ取るのが、彼女達の戦法です。
＜３２＞の沿海は中原の海洋貿易で多くの船舶が通る場所なので、被害が拡大しており、劉備に厳白虎討伐の陳情が来ていました。
厳白虎は配下の海賊と併せて1000体ほどの亡霊兵を召喚できる能力を有しています。主に戦士と弓兵で構成されています。

このパートには、NPC劉備と高山右近が登場します。
劉備は君主で亡霊兵の召喚に長けています。
右近は軍師として劉備のサポートに当たります。

PCたちには艨衝と、艇（てい）と呼ばれる小回りの利く小型艇が貸し出されます。
艨衝は20名程度、艇は10名程度乗ることができます。漕ぎ手は劉備が用意します。亡霊兵は漕ぐことはできません。
自分で船舶に類するアイテムを持っている場合、そちらを使用することもできます。

このパートで厳白虎討伐に成功した場合、厳白虎討伐に貢献したPCが＜３２＞の統治者に選ばれる可能性があります。


【３】中原南部の平定に乗り出す/同盟を結ぶ　難易度２～５
手数の足りない劉備の代わりに、彼が平定できない地域の平定に当たります。
本シナリオで平定できる領土は、以下の中原南部＜２３＞～＜３４＞のうち、兵力が書いてある領土になります。
兵力は、その領土で戦った場合、相手が召喚してくる亡霊兵の総数です。
PC達は亡霊兵の他に、武将の力やアクションなどが加味されますので、兵力はあくまで難易度の目安とお考え頂ければと思います。
今回平定できなかった場合も、対象の兵力は減ったままになりますので、次回再度平定を試みることも可能です。

このパートで領土の平定に成功した場合、その領土を平定した、もしくは平定に貢献したPCが統治者に選ばれる可能性があります。
詳しいルールにつきましては、「★領土獲得」をご参照下さい。

PCの立場は、基本的には劉備の同盟者扱いで対等となります。

また、劉備が信長と同盟を結んだように、これらの領土のNPCとPC達が劉備の名代として同盟を結ぶこともできます。
実際、大友宗麟がアーサー女王と同盟を結んでおり、豊後を平定しようとするとキャメロットから援軍が来る可能性があります。

シナリオガイドでも書かれていますが、張角は中原南部の最大勢力であり、次いで最上義光、島津義久といった野心の高い英傑たちが高い兵力を持っています。彼らは同盟には耳を貸さないでしょう。

誰と協力し、どこを平定するか……皆さんのアクション次第といっても過言ではありません！
なお、董卓に協力している領土は「董卓側」、劉備に協力している領土は「劉備側」、どちらにも協力していない場合「中立」となっています。
ただ、「中立」はどちらにも協力していないだけですのでご注意ください。

＜２３＞豊後/大友宗麟（中立）：兵力約2000
　※アーサー女王と同盟中。直接的な戦いより計略を得意とする。

＜２４＞西県/王異（中立）：兵力約3000
　※王異を始め、女性だけの英傑で形成されている。素早さを活かした一撃離脱戦法を得意としている。

＜２５＞出羽/最上義光（中立/好戦的）：兵力約8000
　※弓兵と槍兵の亡霊兵を主軸においた戦法を得意としている。

＜２６＞黄巾党領/張角（董卓側）：兵力約15000
　※計略を得意とするが、直接戦闘もこなす。

＜２７＞白波賊（黄巾党）/楊奉（董卓側）：兵力約1000
　※接近戦はめっぽう強いが、猪突猛進の傾向がある。

＜２８＞黒山賊（黄巾党）/張燕（董卓側）
　※弓兵と槍兵の亡霊兵を用いたゲリラ戦を得意とする。

＜２９＞建業/劉備　玄徳（劉備側）
　※織田信長と同盟を結び、中原南部の平定に乗り出す。

＜３０＞会稽/朱儁　公偉（中立）：兵力約4000
　※堅実な戦い方をする。董卓嫌いという噂もある。

＜３１＞黄巾党領/黄巾党（董卓側）：兵力約500
　※黄巾党が荒し回っている地域。名のある英傑はいないようだ。

＜３２＞厳白虎領（黄巾党）/厳白虎（董卓側）
　※女海賊厳白虎が率いる海賊。闘船と艨衝という二種類の船を巧みに使う。

＜３３＞薩摩/島津義久（中立/好戦的）：兵力約6000
　※鉄砲兵と歩兵の亡霊兵を主軸においた戦法を得意としている。

＜３４＞安房/里見義堯（中立）：兵力1500
　※ゲリラ戦を得意としている。冷静で計算高い一面があり、攻め際引き際を読み誤らない。

このパートには、状況に応じてNPC劉備、諸葛亮が登場する場合があります。

それでは、皆様のご参加をお待ちしております。


【2015年4月26日0:20　修正】＜３２＞の説明を修正しました。
【2015年4月27日19:20　追記】【２】【３】の説明に追記いたしました。