クリエイティブRPG

転空の世界、ユグドラシル。

世界の根幹をなす宇宙樹が逆転したこの世界で、
人々は空の彼方にある、地上への帰還を悲願としていました。

そしてユグドラシルの第３層の殆どを支配する英霊王ジグムントは、
アースガルド探索と共に地上への探査を開始。

それに対して、地上の支配者である巨人の王、ウートガルザ・ロキは
ジグムント王の支配する樹冠都市ヴェステロスに巨人の軍団を派兵してきたのです。

それは後に樹冠戦争と呼ばれる戦いでした。



ユグドラシル第３層、樹冠都市ヴェステロス。
ジグムント王の居城の会議室。

「樹冠都市オーデンスへの強襲を行う」

ジグムント王の号令に、側近たちは驚きの声をあげました。
巨人の撃退は、各地に散ったヨトゥンの討伐もうまくいったため、次の襲撃に備える余裕ができました。
ですが、ジグムントは休まずに攻めに転じるといいうのです。

「オーデンスは第２層の樹冠都市。

たしかに地上から第３層への中継点であるオーデンスを制圧すれば
ヴェステロスへの大規模な攻撃はし辛くなるでしょう。

しかし、スヴェルを越えるというのですか？」

「新式のロングシップならともかく――」

第２層と第３層の間には吹雪の層、スヴェルがあったのです。
翼のない旧式のロングシップにはスヴェルを越える力はありません。

「翼ならあるわい。片道だがのう」

そう語ったのは名工ヴェルンドです。
ヴェルンドによれば、旧式のロングシップでも船体を補強し、
簡易式の翼を付ければ、スヴェルを越えられるというです。

ただし、越えられるのは１回のみ。戻ってくるだけの強度はないといいます。

「オーデンスを占拠しなければ死ぬ、ということか……」

「しかし、大規模な巨人の襲撃が連続すれば第３層は滅びる」

側近たちは作戦の意味を悟ったのです。

「そういうことだ。それに、巨人側にも味方はいる。
……地上帰還という大義のために命を懸けられる勇士を集めよ」

こうして、オーデンス強襲作戦が始まったのです。



樹冠都市リメリック。

王のアルブレヒトはウートガルザ・ロキから
再度のヴェステロス襲撃を命じられていました。

「ジグムント、今度こそ貴様を仕留めてくれる。
――今度こそ」

アルブレヒトは、彼がかつて仕えていた古の王ジグムントを、
今のジグムント王が殺したと信じているのです。

しかし、それを証明する手段はありません。

（証拠、か。ならばこの宝珠をジグムントの前で割るが良い。
……奴の記憶を引き出すことができる）

ウートガルザ・ロキは地上から一つの宝珠をアルブレヒトに送ってきたのです。



一方、ヴェステロスでは、殺害された特異者、
白幡啓治（しらはた　あきはる）の捜査がワールドホライゾンによって行われていました。

捜査の結果、白幡を殺害したと思われるヴェステロスの裏社会は、
樹冠都市の葉の内部、葉脈内の迷宮にその活動拠点を作っていることが分かりました。

特異者たちは葉脈に中に入りこもうとしていました。
しかし、ちょうどその時でした。

「な、なんだ地面が！」

ヴェステロスの都市部のいくつかの葉が落ち始めたのです。
それは葉の切断に長けたドウェルグの一種族の仕業でした。

トリガーシナリオ『樹冠戦争　中編』をお送りします。

本シナリオはユグドラシルのトリガークエスト「転空のユグドラシル第６話」直後からのジグムント王側の展開となります。
ユグドラシルで２つ目のトリガーシナリオとなり、全３回の予定となります。

最低限の情報については本ガイドにも記載しておりますが、
上記トリガークエストや前編などもご覧の上ご参加頂けると幸いです。

以下、今回のシナリオについて説明します。

■基本的な状況
ジグムント王は第３層の実質的な王であり、
アースガルドへの探索や地上への探査船団の派遣など地上奪還を前提として様々な計画を進行させています。
巨人の王、ウートガルザ・ロキはそれを察知し、
新たに誕生した空飛ぶ巨人フライングトロウルと黒いヴァルキュリアのヒルドにヴェステロスに襲撃させました。
しかし、それは前哨戦にすぎませんでした。
ヴェステロスは更なる巨人の軍勢に襲撃を受けたのです。
同時に、同盟都市であったリメリックも離反を起こしましたが、
ジグムントは特異者の協力もあり、どうにかその襲撃を退けたのです。

しかし、地上からの巨人の侵攻は地上とヴェステロスの中継点である、
第２層の樹冠都市オーデンスを攻略しない限り止めることは出来ません。
そのため、ジグムントは片道だけスヴェルを越えられる船団を作り上げ、オーデンスへの強襲を考えています。

一方、リメリックの王、アルブレヒトはウートガルザ・ロキから再度のヴェステロス襲撃の命と同時に
ジグムントの記憶を引き出すという宝珠を預かっています。
これによりジグムントの化けの皮をはがせるとアルブレヒトは信じているようです。

また、ヴェステロスは地面（？）からも脅威を受けていました。
樹冠都市を支える強固な葉がドウェルグによって切られ、落とされているのです。
仲間の死の真相を探るため、葉の葉脈内に拠点を持つヴェステロスの裏社会を捜査しようとしていた特異者たちにとって、
それは全ての証拠が失われようとする危機でもあります。

アクションパート別の注意事項は以下のようになります。

【１】スヴェルを越える　難易度：４
このパートを選んだ場合、オーデンス強襲作戦に志願し、スヴェル越えを担当する事になります。
スヴェルは吹雪の層で更に気流も激しいため、操船には慎重を要します。
基本的には各船にいるノルンによって耐寒のルーンが使用されますが、
毒に耐寒のルーンや防寒装備を持ったＰＣは特に歓迎されます。
また、スヴェル内には少数ですが巨人ヨトゥンの精鋭がいることが確認されています。
汗血種のリンドヴルムなどスヴェル内でも活動可能な乗り物がある場合以外は、船上でヨトゥンを迎え撃つことになります。
ヨトゥンを撃退できないと船は沈められ、多くの船が沈められるとオーデンスへの襲撃その物ができなくなります。
そのためこのパートでの結果は【２】に大きな影響を与える事となります。

【２】オーデンスを強襲する　難易度：４
オーデンスは元々は人間の樹冠都市でしたが、現在は完全に巨人によって支配されています。
地上からヴェステロスへの大部隊が編制された場合は中継地となりますが、普段は少数の守備隊しかいません。
このオーデンスの強襲は船着き場である港を占拠し、さらに対巨人用の高射砲を設置する事の２段階で計画されています。
しかし、オーデンスには軍勢こそいないものの、守備隊としてヨトゥンやトロウル、
それにガルムと呼ばれる巨大なオオカミの姿をした巨人もいます。
彼らを素早く倒し、高射砲を設置しない限り、オーデンスを占拠したとしても容易く奪い返されてしまいます。
一方で、オーデンスに住む一部の巨人は密かに人間に協力を表明しています。
彼らはウートガルザ・ロキの支配に不満を感じているようです。

【３】リメリックの軍勢と戦う　難易度：３
リメリックの軍勢は前回に引き続き、再びヴェステロスを襲撃してきます。
しかし、今回はアルブレヒトがジグムント王の記憶を引き出す宝珠を使うのが目的のため、
ジグムントの王城への直接の攻撃に集中してきます。
ヴェステロスもその襲撃ルートは察知していますが、オーデンスへ向かった軍勢が多いため、十全な防備ができない状態です。
アルブレヒトたちは前回と同じように、エインヘリアルとヴァルキュリアの編成による部隊で襲撃してきます。
しかし、今回は二つ首のリンドヴルムや漆黒のシュヴァルツヴルムなど、
前回は出してこなかった強力な竜の存在も確認されているようです。

【４】ヴェステロスの葉脈内に侵入　難易度：２
ヴェステロスの葉は、ユグドラシルの葉でも特に大きく、その葉脈の中でされも小さな建物がたてられるほどの広さです。
そこにヴェステロスの裏社会は拠点を作って、ヴェステロスや他の樹冠都市にまで影響力を広げていました。
彼らが白幡殺害の実行犯であることは間違いないようです。
詳しく調査するためには直接話を聞き出さないといけませんが、
そのために捜査しようとした時と同時に葉を破壊するドウェルグ“葉斬種”の襲撃が始まりました。
葉斬種はそもそもは農業の為に葉を使うのですが、雇われれば樹冠都市の葉を落とすこともいとわないため、
恐らくは巨人に雇われているのではないかと推測されます。
葉斬種そのものそれほどは強くありませんが、葉の切断に使う鋭い牙には注意が必要です。
また、葉斬種を早目に撃退しなければ、ヴェステロスそのものが崩壊してしまうでしょう。
一方で、この混乱に乗じて裏社会の人間が逃走してしまう可能性も大きいです。

★クエストについて
6月9日（月）に関連クエストが発表されます。

それでは、皆様のご参加をお待ちしております。